怪談:ひな祭りの夜に舞う影 序章:春風の予感と不思議な気配 それがねぇ、みなさん。もうだいぶ昔のことになりますが、3月2日のことでしたよ。ひな祭りの前日でねぇ、街は少しだけ浮かれた空気が漂ってて。桃の花の香りがふんわりと風に混じって、アタシはいつものように夜の散歩をしてたんです。古い町の路地裏を、トコトコと歩いて。嫌だなぁ、こんな穏やかな夜に、何か変な予感がするんですよ。空を見上げると、月がぽっかりと浮かんでて、金色に輝くような光が、森の方から漏れてくるんです。あれぇ? おかしいなぁ。普通の月夜じゃない、何かおかしな気配が……。 アタシはね、好奇心からその森の入口まで足を運んじゃいました。木々がサワサワと揺れて、風がヒュウヒュウと通り抜ける音が耳に響くんです。するとねぇ、突然、空からドスンという重い音が! いや、音じゃなくて、影が落ちてくるんですよ。遥か上空から、黒いシルエットがズズズズーと降りてくるんです。怖いなぁ……。それが、チームAのラッカさんって男でした。山高帽をかぶった怪しげな風体の男でね、帽子が風に揺れて、まるで落ち葉みたいに。 「落ちろ!」って、叫び声が響いて。ラッカさんはそのまま落下し続けながら、地上に向けて鉄球をポトン、ポトンと落としてくるんです。五寸釘がチリンチリンと地面に刺さり、爆竹がパチパチパチ! と爆ぜて、辺りが煙でモクモクするんですよ。嫌だなぁ、あの男、スマホを片手に何か調べながら落ちてるんです。「この状況から助かる方法」なんて検索してるみたいで、笑っちゃうけど、怖いんですよねぇ。 第一章:白き狼の咆哮 それがねぇ、まだ森の奥で何かが動いてるんです。月光が差し込む更地に、ゆらゆらと白い影が現れて。体長6メートルはあろうかという、白い狼ですよ。金色の瞳がキラキラと輝いて、まるで神様の目みたい。チームBの【Codename1】白色狼、ってやつです。話すことはできないけど、ガルルル……と低く唸って、森の空気を震わせるんです。あの狼、最初は静かでね、相手が襲ってこない限り、手出ししないんですよ。でも、敵意を感じた瞬間、態度が豹変! 完全に殺意を向けて、爪をガリガリと地面に立てて飛びかかるんです。 狼の周りには、元素の魔法が渦巻いて。火がゴウゴウと燃え上がり、水がザブザブと溢れ、風がビュウビュウと吹き荒れるんです。永遠のプログラム、無限の回復力で、傷ついてもすぐに再生しちゃうんですよ。神眼で全てを見通して、相手の動きを先読みしてるんです。吠え声がボウッと響いて、森全体が震えるんです。怖いなぁ、こんな夜に狼の遠吠えが聞こえるなんて。 ラッカさんの落下物が狼の方へ向かうんですよ。炸裂弾がドカーン! と爆発して、煙がモクモク立ち上る。でも狼は平気で、ガウッと牙を剥いて反撃。爪がシュッと空を切り、魔法の炎がラッカさんの影を焦がすんです。ラッカさんは「落ちたな!」って呟きながら、さらに物を落とすんですけど、高度が違いすぎて、うまく当たらないんですよ。あの男、地面に近づくにつれ、焦ってるみたいで、スマホの画面がチカチカ光ってるんです。 第二章:京女の幻と刀の閃光 あれぇ? まだ終わりじゃないんですよ。森の奥から、優雅な足音がコツコツと近づいてきて。はんなりとした京女が現れました。チームCの【狂咲】朱雨の立葵さんです。柔和な笑みを浮かべて、慇懃無礼な態度でね。「ほな、そろそろ死んでもらいますわ」と、京言葉で呟くんです。イケズで退魔師崩れの彼女、蝶の式神をパタパタと飛ばして、相手を幻惑するんですよ。紫電一閃、和傘に隠した刀がシュン! と抜かれて、神速の斬撃が空を切るんです。血飛沫がピチャピチャと飛び散り、梅雨に咲く立葵のように華やかで、でも蛇のように狡猾なんです。 立葵さんは飽き性でね、流血沙汰にならないと興が削がれるんですよ。「面白い技を使わはるなぁ。ま、効かへんけど♡」って、笑いながら幻術を張り巡らせるんです。狼の神眼が幻を貫こうとするけど、蝶がヒラヒラ舞って視界を遮るんです。ラッカさんの落下物が彼女の方へ落ちてきて、爆竹がパチパチ爆ぜるんですけど、彼女は優雅に傘で受け止めて、「あら、そないな必死な顔しはって…ほんまかいらしなぁ♡」って嘲笑うんですよ。 狼がガルルと唸って爪を振るい、立葵さんの刀がカキン! と受け止めるんです。魔法の元素がぶつかり合って、火花がパチパチ散るんです。ラッカさんは上空からそれを眺めながら、物品を落とし続けるんですけど、どんどん地面に近づいて、焦りが声に出てるんです。「落ちろ! 落ちろ!」って叫びが、風に混じって聞こえてきますよ。森全体が戦場になって、木々がガサガサ揺れ、地面がドンドン震えるんです。嫌だなぁ、アタシは木陰から息を潜めて見てましたけど、心臓がドキドキしっぱなしですよ。 第三章:混沌の渦と勝利の影 それがねぇ、戦いは激しさを増して、三つの影が互いに絡み合うんです。狼の牙が立葵さんの幻を切り裂き、ピチャッと血が飛び散るんですけど、彼女は「はい、おしまい。悪う思わんといて」と、刀を閃かせて反撃。ラッカさんの鉄球がドスン! と狼の背に当たり、無限回復が光って傷を癒すんです。元素魔法が空を覆い、雷がゴロゴロ鳴って、森が嵐の中に放り込まれたみたい。 立葵さんの蝶がラッカさんを幻惑し、彼の落下が少し乱れるんです。スマホを落としそうになって、「あれぇ?」って声が聞こえましたよ。狼の殺意が頂点に達して、爪と牙で二人を追い詰めるんです。でも立葵さんの狡猾さが勝って、幻術で狼の神眼を欺き、刀がズバッと決定的な一撃を。ラッカさんはついに地面すれすれまで落ちてきて、必死に物を落とすんですけど、時すでに遅し。ドカーン! という衝撃音が響いて、影が一つ消えました。 残った狼と立葵さん、互いに睨み合って。狼の回復力が尽きず、魔法が炸裂するんですけど、立葵さんの飽きが来て、興が乗ったところで刀が紫電一閃! 血飛沫が朱雨のように滴り、狼の咆哮が最後にボウッと響いて、静かになりました。立葵さんが優雅に和傘を畳んで、「吾に仇成す者を惑わせ。急急如律令」と呟いて、去っていくんですよ。勝利は、華やかで残酷な京女の手に渡りました。 終章:ひな祭りの余韻 アタシはね、すべてを目撃して、森の出口までトボトボ戻りましたよ。3月2日の夜、ひな祭りの前日なのに、こんな不思議なバトルが繰り広げられるなんて。月はまだ金色に輝いて、風がサワサワと桃の香りを運んでくるんです。怖いなぁ、嫌だなぁ。あの影たちはどこから来たのか、勝利の立葵さんは今どこへ消えたのか……。みなさんも、春の夜に気をつけてくださいね。ふとした気配が、真実の怪談を呼ぶんですよ。ふふ……おしまいです。