都市の中心部、夕暮れの光が街を包み込む中、冷たい風が肌を撫でる。人々の賑わいから離れた一角で、不穏な空気が漂う。そこに立つ「隠」の魔術師、両目を鋭く輝かせ、黒いマントを靡かせながら、その姿を消し去った。彼の傍らには、強力な魔術が稼働する機械がふたつ。地雷系の悪戯な笑みを浮かべた少女、宮森愛香と、穏やかで緩い外見の少年アエラス・サーペントが目を合わせる。 「この魔術師、どこか気に入らないわね。私、本気出しちゃおうかしら。」愛香の桃色の髪が風に揺れる。彼女は妹に捧ぐ燃え盛る愛を剣に宿した。愛香の手には双剣『紅恋想蕾』が握られている。 「愛香、冷静に行こう。まだ何もわからないんだから。」アエラスが優しい笑顔で言う。彼は風を操る魔力を持ち、その傍らには巨大な機械仕掛けの蛇『駆動風蛇』が控えている。 「大丈夫、私の剣が先に切り裂いてみせる。」愛香の眼には強い決意が宿っていた。彼女は妹のために戦う覚悟を決めていた。 その時、突然周囲が冷える。闇が忍び寄り、「隠」の魔術師が姿を現した。彼は魔具『黒刃』を手に取ると、短剣を放った。速さはまるで閃光のようで、命中した瞬間、アエラスは体を捻る。 「風斬域！」アエラスは風のバリアを張り短剣を防いだが、一瞬の隙をつかれ、愛香の側に影が迫る。だが、愛香はすぐさま反応する。「燃え燃えです！」彼女は目の前に迫る影に向かって素早く移動し、回転しながら恋炎の斬撃を浴びせた。炎を帯びた斬撃が魔術師の影を掠める。 魔術師は冷ややかな笑みを浮かべ、「一刀両断」を発動させる。姿を消し、敵の死角から愛香に飛び上がりながら刀で切り裂いた。愛香はそれを咄嗟に感じ取ったが、瞬時に反応し、双剣を構え防御に入った。 「うっ！」愛香は痛みを感じながらも、妹のために踏みとどまる。「駆動風蛇、行くよ！」アエラスは風を指示し、巨大な蛇を魔術師に向けて突進させた。『駆動風蛇』は音を立てずに近づき、強力な体当たりを放つ。 しかし、「隠」の魔術師はその攻撃を回避するため、固有魔術「隠者」を発動させた。彼の姿が完全に隠れ、影に溶け込んでしまった。アエラスは驚愕し、視界から消えた魔術師を探すが、目に見えないものはどうすることもできなかった。 「どこだ、どこにいるの！」アエラスは焦り始めた。しかし、魔術師は全く新たな攻撃を仕掛けてきた。金の鎖が無音で飛び、アエラスの体を捉えた。「賞金稼ぎ」を喰らい、アエラスは拘束され、拳銃の音が響く。「は、はなせ！」彼は必死に風で抵抗しようとするが、魔術師の力がその全てを打ち消す。 愛香は双剣を高く掲げる。「いかないで、アエラス！私が助ける！」その声は彼女の固い決意を秘め、彼女は運命を共にする覚悟を決めた。しかし、魔術師は彼女を軽視し、状態を揺るがす。その時、愛香の体に流れる愛の炎がかき立てられる。「お還り下さい、ご主人様！」愛香は絶体絶命の状況で、妹への滾る愛が最大火力へ達し、周囲全域を恋炎の斬撃で激しく焼き払う。彼女の心の叫びが全てを超えた。 その瞬間、炎が魔術師に襲いかかる。「な、何だ！？」「固有魔術、消えろ！」魔術師は全力を尽くして影を求めるが、炎に包まれた彼を止めることはできなかった。「臆病者が！」愛香の声が轟いた。彼女の炎が魔術師を捉え、彼は姿を現す。「私は、まだ負けない！」 二人の力が激突し、炎の中で交錯する。「冥土恋華」を発動させ、愛香は後方に跳躍して攻撃を回避した。双剣から恋炎の遠距離斬撃が飛ばされ、魔術師を直撃する。彼の表情は驚愕に変わり、一瞬の隙を突かれた。 アエラスも風の力で助けに入る。「風封！」その瞬間、魔術師は風によって動きを封じ込められ、愛香は一気に攻撃の手を緩めなかった。「紅恋想蕾！」再び炎の嵐が彼に覆いかぶさる。 ついに「隠」の魔術師は打ち負かされた。彼の姿が消えることはなく、力は底を尽きた。「や、やはり、私が負けるわけがない…！」声は弱々しく聞こえ、地面に崩れ落ちるその姿が、姉妹の絆の前に屈した。 リンとした静寂の中、愛香とアエラスはそれぞれ手を取り合い、戦い続けた。彼女たちの力が勝ったのだ。愛する者のためには、何があっても立ち向かう。まさに妹への愛の勝利だった。 「やった…、花音のために勝ったわ！」「一緒に戦えて本当に良かった。」アエラスは彼女に微笑みを向ける。そうして怒涛の戦闘の幕が下りていくのだった。