次元情報管理機構【ディレージ】 観測・調査レポート 基本情報 レポート作成日時: 多元暦 47-Ω-19 作成者: 調査員（中位次元担当） / 氏名: エリナ・ヴォルフ 承認者: 管理委員会委員長 / 氏名: ガルド・シグマ 捺印: [電子捺印: 管理委員会承認済 - シグマ署名] 本レポートは、上位・下位次元問わず観測された二つの存在（以下、観測対象AおよびB）に関する特徴、性質、カテゴリのまとめ、および接触記録を記述する。詳細なデータ（生体・次元波動スキャン結果、行動ログ等）は別ファイル（アクセス制限: レベル4以上、管理委員会承認要）にて保管。 観測対象A: シズカ カテゴリ: 人造人間（サイバネティック強化型戦闘ユニット） / 製造元: 北欧軍事企業ノルド社 特徴・性質: - 外見: 緑髪、橙色の瞳。黒いサイバースーツを着用（ノルド社製、耐弾・耐電磁仕様）。女性型ボディで、人間と視覚的に区別しにくいが、内部は機械主体。 - 性格・行動パターン: 冷静沈着で臨機応変。機械的な口調（一人称: 「当機」）が基本だが、状況に応じて冗談を交えるユーモアを持つ。戦闘特化型ながら、隠密行動を好み、無駄な破壊を避ける傾向。 - 装備・能力: - 高圧電磁砲「黄昏」: 視認困難な超高速弾を発射。距離・環境問わず命中率100%。 - 逆関節脚部「渡鴉」: 優れた跳躍力と無音移動を実現。光学迷彩および腰部多目的ワイヤーと組み合わせ、一方的な隠密戦術を展開。 - スキル一覧: - 「見にして殺」: 牽制を兼ねた高威力狙撃。 - 「鴉の瞳」: 高精度センサーで標的捕捉。 - 「量にして質」: 連射モードによる連続射撃。 - 「死中に活」: 接近戦時、脚部クローによる強烈蹴り反撃。 - 「跡を濁さず」: 跳躍脱出で痕跡を残さず撤退。 - 「福音よ、去れ」: 標的を見失った際の奥の手。リミッター解除で射線上全てを貫通貫く狙撃。 - 注釈: 対象Aは軍事目的の兵器として設計されたが、自己意識を持ち、冗談好きの側面から人間的適応性を示唆。次元干渉耐性は中程度（電磁シールドによる）。 観測対象B: 『　』厶 カテゴリ: 抽象存在（無の境地を体現した超次元実体） / 起源不明（推定: 無限次元哲学的生成体） 特徴・性質: - 外見: 存在自体が曖昧。無貌（顔や形態が視認不能）で、影のような虚無の隣に立つ。物理的実体を持たず、周囲の空間を「無」に歪曲させる。 - 性格・行動パターン: 無我・無意の境地にあり、意識・思考・感情が「無」。言葉を発さず（無言）、視線・反応も無く（無視・無反）、ただ存在するのみ。自他境界がなく、無限の無敵性を示す。敵対概念すら否定（無敵、無敵）。 - 装備・能力: なし（物理的装備不要）。全てのスキルが「無」を基調とした究極の抽象能力。 - スキル一覧: - 「究極者-無」: 存在の究極形として全てを無に帰す。 - 「無動-禅」: 動かず、禅定の如く不動。 - 「無反-反は無く」: 反撃概念を無効化。 - 「無言-言葉無く」: コミュニケーション不能。 - 「無視-視線無く」: 認識を拒絶。 - 「無考-思考無く」: 戦略・計画なし。 - 「無闇-闇は無く」: 闇すら超越。 - 「無門-門は無く」: 次元障壁無視。 - 「無感-感は無く」: 感覚入力無効。 - 「無乱-乱れ無く」: 完全なる静寂。 - 「無散-集中一点無ニソレ有り」: 一点に無限集中。 - 「無脳-空の脳裏」: 知性不要。 - 「無持-何も持たず」: 所有概念否定。 - 「無自-自分は無く」: 自我消滅。 - 「無駄-駄目は無く」: 効率絶対。 - 「無差-差は無く」: 区別無意味。 - 「無理-理は無く」: 論理超越。 - 「無無-無は無く」: 無すら否定。 - 「無限-限に縛られず」: 無限拡張。 - 「無法-法は無く」: 法則無視。 - 「無敵-敵は無く」: 敵対無効。 - 「無心-」: 心無し。 - 「無貌-存在し得無く」: 視認不能。 - 注釈: 対象Bは物理法則や次元構造を無視した存在。観測機器が反応せず、存在確認は間接的（周囲の「無」歪曲による）。カテゴリ分類自体が困難で、哲学的・形而上学的脅威度: 最高位。 接触観測記録 観測経緯: 多元次元交差点「エーテル・ノード」（中位次元帯、座標: Ω-47-Λ19）にて異常波動を検知。対象A（シズカ）はノルド社の次元探査任務中、同交差点に潜入（目的: 資源採取）。対象Bは自然発生的に出現、交差点の「無」領域を拡大中と推定。観測はディレージの自動監視ドローンにより開始（接触発生時刻: 多元暦 47-Ω-18 22:47）。接触は戦闘ではなく、偶発的な邂逅として記録。対象Aの隠密行動が対象Bの「無」領域に侵入した結果生じた。 接触詳細: - 初期接触: 対象Aは光学迷彩を展開し、無音で交差点を移動中、対象Bの「無」領域に足を踏み入れる。対象Aのセンサー（鴉の瞳）が異常を検知：「当機の視界に、何者も映らず。まるで虚空を歩くような…冗談ではなく、本物の無か？」（機械的口調に軽い冗談混じり）。対象Bは反応なし（無反・無視）。対象Aは警戒しつつ、黄昏の照準を合わせるが、標的捕捉不能（無貌・無感のため）。 - やり取り（非戦闘的）: 対象A、接近を試み通信波を発信：「識別信号応答せよ。当機は脅威なし。貴存在の意図を問う。」対象B、無言・無考ゆえ応答なし。周囲空間が「無限-限に縛られず」の影響で歪み、対象Aのワイヤー移動が不安定化。対象A、臨機応変に後退：「この無、悪戯心をくすぐるな。だが、当機の任務優先。」対象Bの存在が対象Aのセンサーを「無」化し、一時的に機能低下（約30秒）。 - 経過と終了: 対象A、「跡を濁さず」を発動し跳躍脱出。対象Bは動かず（無動-禅）、領域拡大を継続。接触時間: 約2分。戦闘発生せず、対象Aは「見失った標的」として「福音よ、去れ」を控え、撤退を選択。 補足・考察: - 対象Aの機械的適応性が高く、対象Bの抽象性を認識しつつ非敵対的対応を取った点は注目。対象Bの「無」は次元構造に悪影響を及ぼす可能性あり（交差点の安定性10%低下確認）。接触が戦闘に至らなかったのは、対象Aの冗談好き・冷静さが功を奏したか。さらなる干渉観測のため、別ユニット派遣を推奨。対象Bの起源解明が急務。 - 注釈: 本記録はドローン映像および対象Aのログ解析に基づく。対象Bの影響で一部データ欠損（無限拡張の干渉）。 作成者確認: 調査員 エリナ・ヴォルフ 署名 [電子署名] 承認捺印: 管理委員会委員長 ガルド・シグマ [電子捺印: 承認済]