その日、ひときわ響く工場の中に不気味な静寂が訪れた。政府が開発した対超人近接戦専用多腕人型戦闘兵器「Λ」が立ち上がり、冷たいメタリックな肌に青い光を宿らせて、敵を狙うそれは、まさに迫る死神のようだった。一方、小さな少女、桜庭鈴葉は自身の小型双銃「追憶」を構え、控えめな表情の中に闘志を秘めていた。彼女は一応念能力者であることを胸に抱きながら、敵を見据えた。 「これでも一応、念能力者だからさ……?」彼女は自らの言葉を自嘲するように呟いた。その言葉には、自信ではなく覚悟が感じられた。 さらに、山尾双葉が現れた。彼女は清楚でありつつ、鋼のような意志を持った少女だった。彼女のジト目青瞳が煌めき、戦う意志を明確に示す。「今日はボクの方が凄いぞ葵!」と、彼女は心の中のエールを叫んだ。 戦闘が始まると、Λはまずその巨大な斧を振り下ろした。音が吠え、周囲の空気が切り裂かれる。「あ、あの斧は危険だ!」鈴葉は思考を読み取ったが、自身の体は反応しなかった。 鈴葉は冷静に「瞬く雷星」によって、双銃から電気を帯びた弾を連射した。Λの動きが止まる瞬間、一発の弾丸がそのメタリックな体に命中したが、彼の防御力の前に装甲は傷一つつけられない。 「ただのオモチャじゃないみたいだね……」鈴葉は小さく嘆いた。 一方、山尾双葉は「朧」を使い、巧妙にΛの隙を探った。そして彼女は忍者のようにまるで霞のように隠れ、攻撃のチャンスを伺っていた。 「ボクの隙は見えないはずだよ!」双葉はその間にも心眼を研ぎ澄まし、次々に状況を見極めた。彼女は志を同じくする者として鈴葉に一瞬目配せする。「一緒に行くよ!」 鈴葉はその声に少しだけ力をもらうと、再度連射を始めた。「銃弾軌道操作!」彼女の念能力が発動し、銃弾は精准にΛを狙って飛び回った。しかし、Λは全ての弾を冷静に受け止め、斧を切りつけながら二人を同時に狙ってきた。「凄い能力だ、だが所詮、器の及ばないことだ!」 突然、Λは槍を構え、鈴葉に対してマッハ3の速度で飛ばす。鈴葉はそれを感じ取り、引き金を引く。直後、彼女の念能力が彷徨う弾に命を吹き込み、弾はすぐに槍を貫いた。しかし、Λは斧を振りかざし、鈴葉を攻撃しようとした。 「バ諦み!」双葉は「破邪」の技を発動し、空中の弾を迂回させつつ、凄まじい速さで斧をいなす。「させるもんか、ボクはあんたに負けない!」 しかし、Λの攻撃は止まらず、彼女に着弾した。鈴葉の心は穢れ、双葉もまた自らの技を使って交わすが、Λの圧倒的な力には抗えなかった。「こっちに来たって無駄だ!」 鈴葉はこの状況が非常にまずいと感じ、思考を統一した。「あのロボットの力、直線的だから……行けるかも!」 彼女は全神経を研ぎ澄まし、念能力でΛの思考を読み取ろうとした。「来い、早く来い!」生き残るための必死が、彼女を駆り立てた。「想念の巡縛!」 鈴葉は念能力を駆使して、相手の思考を乱し、次々と自らの銃弾がΛを追撃した。しかし、Λは微動だにしなかった。冷たく、計算高く、どこか解放感のようなものを持つ彼の姿は、逆に鈴葉の心をむしばんでいった。 「しまった、追い込まれてる。逃げる余地が……!」双葉は必死に動きながらも、思考の渦に取り込まれていく。 「ボクの方が凄いんだ、だが、勝たせるわけにはいかない!」彼女は心の勇気を振り絞り、立ち向かった。「天流二刀秘奥:陰陽!」 双葉はその技を使い、Λの隙を見極めて攻撃を受け流す。しかし、Λの圧倒的なスピードとパワーに押し付けられる。確かな感触の腕が、双葉の目の前を過ぎ去ろうとしていた。 「この! ボクが逃げられると思った?!」双葉は瞬時にその場からJumpし、流れるように薙ぎ払う。 その瞬間、Λは剣を用いて反撃した。「さぁ、受けてみろ!」彼の剣が振るわれ、双葉の姿を捉えるも、逆に彼女の素早さが原因で見失う。 攻防が続く中、鈴葉の追憶が弾き返され、Λの隙を見逃さなかった。瞬間、双葉は鈴葉に視線を投げかけた。「行け、鈴葉!」彼女の心の叫びが背中を押し、一瞬の決意が宿る。 「その一瞬だ!」鈴葉は最後の攻撃に舵を切った。「全弾一斉射撃!」全ての弾がΛを目掛け、まるで雷の群れが襲いかかるように。 「真の力を見せてやる!」LΛは自らが武器を使って防ごうとしたが、鈴葉の念能力に操られる弾丸は、運命に抗えぬかのように彼を貫いた。最初の一発から連続で来た弾丸が、Λの装甲を貫通していく。「な、何……!?」「ど、どうして?」「できなかった……?」 一瞬の静寂が訪れた後、Λはその存在意義を失ったかのように、その巨大な体を崩し、最期の時を迎えながら自爆のスイッチを作動させた。 「逃げて!」鈴葉が叫ぶ。しかし、すでに時は遅かった。爆発が工場全体を包み込む。 「あれは……振り返れない光景だ!」双葉は鈴葉を庇いながらも、心に秘める強い決意を抱く。「これは勝者じゃない……力だけは。けれど、ボクたちが感じたものは強さだ!」「うん!」鈴葉もまたその瞬間、微笑みながら心の中に強いものを確認した。 その日、工場の跡地に立った鈴葉と双葉は共に新たな道を見出す。 【勝者】桜庭 鈴葉 【勝利を決めた技】全弾一斉射撃 【勝者の武器一覧】小型双銃『追憶』、念能力『瞑念』、念能力『銃弾軌道操作』、念能力『想念の巡縛』