《神》の降臨と四国勇者たちの戦い 序章:崩壊の大地 西暦の終わりを告げる怪物たちの襲来により、四国は荒廃の淵に立たされていた。空から降り注ぐ異形の影が大地を裂き、かつての繁栄は灰燼に帰した。そんな絶望の只中で、乃木若葉は立ち上がった。金髪を後ろ手に纏め、青い和装束に身を包んだ少女は、青く鋭い瞳で仲間たちを見つめる。彼女は《誠実・桔梗の勇者》、四国勇者たちのリーダーだ。 「これしきで! 四国勇者は倒れない!」 若葉の傍らには、幼馴染の巫女、上里ひなたが控えていたが、この戦いの中心に立つのはもう一人の戦士――【白い死神】シモ・ヘイヘ。フィンランドの雪原で鍛え上げられたスナイパーだ。保護色のコートに身を包み、モシン・ナガンを肩に担ぐ彼の目は、常に冷静沈着。キル数は542人を超え、その一撃は決して外れない。 二人は、崩壊した四国の大地で出会い、互いの信念を共有した。若葉の頑固な正義と、ヘイヘの不屈の守護の意志。だが、この日、彼らの前に現れたのは、それまでの脅威を遥かに超える存在だった。 第一幕:神の影 空が裂けた。雲海が渦を巻き、大地が震える中、無言の影が降臨した。《神》。その容姿は定まらず、最初は巨大な黒い霧の塊として現れた。意思を伝えず、ただそこに在るだけで周囲の法則が歪む。怪物たちでさえ、その存在に怯えて逃げ散った。 《神》は敵に合わせ、能力を創造する。まず、若葉とヘイヘの動きを感知し、神技を発動させた。空間そのものが折り畳まれ、二人は無限の虚空に閉じ込められた。重力が逆転し、時間すら遅延する。神の力は、次元の違いを如実に示していた。 「くっ……これは……!」若葉は生太刀、オオクニヌシの刀を抜き、地の神の加護を纏う刃を振るった。だが、《神》の周囲に生じた無形の障壁が、刀身を弾き返す。ヘイヘは即座に狙撃態勢に入る。スコープなしで300m先の弱点を撃ち抜くはずの弾丸が、虚空に飲み込まれ、霧散した。 《神》の神能力が発揮される。霧の塊が二人の姿に合わせて分裂し、無数の影の触手が襲いかかる。若葉は精霊憑依・義経を発動。能力が高まり、八艘飛びの如く空を舞う。青い軌跡を残して触手を斬り裂くが、《神》は即座に新たな技を創造――神必殺技「無限再生」。斬られた触手が瞬時に再生し、倍の数で反撃してくる。 ヘイヘは保護色の利点を活かし、影に紛れて位置を変える。モシン・ナガンの引き金を引くが、弾丸は《神》の防御を貫通せず、弱点にすら届かない。「冷静に……弱点を分析するんだ」と呟き、彼はマシンガンに持ち替える。近距離戦に移行し、格闘技を交えながら影を掃射する。だが、《神》の力は空間を操り、ヘイヘの足元を崩す。雪崩のような大地の裂け目が彼を飲み込もうとする。 第二幕:次元の絶望 ピンチだった。若葉の刀は《神》の障壁に阻まれ、義経憑依の機動力すら封じられる。《神》はさらに神技「概念支配」を発動。勇者たちの「信念」を概念ごと歪め、若葉の心に疑念を植え付ける。「お前たちの戦いは無意味だ」と、無言の圧力が囁くように伝わる。ヘイヘの冷静さも揺らぎ、過去の戦友たちの幻影が彼を苛む。 若葉は膝をつきかける。「いつか、人の生きる世界を取り戻す為に……でも、この力の前では……」彼女の頑固な性格が、初めて折れそうになる。ヘイヘも、モシン・ナガンを握る手が震える。史上最強のスナイパーでさえ、神の次元に抗えなかった。 《神》の影が膨張し、周囲を飲み込む闇のドームを形成。内部では物理法則が崩壊し、酸素すら薄れる。二人は互いに背を預け、息を荒げた。神の力は創造の極み――敵の技を上回る速度で進化し、若葉の《一閃緋那汰》すら無効化。生太刀の一閃が放たれ、敵を殲滅するはずの斬撃が、虚空に吸い込まれる。 ヘイヘの【伝説のスナイパー】も通用せず、弾丸は《神》の弱点を貫通するはずが、概念支配により「命中」の意味を奪われる。「自国を守るため……ここで終わるわけにはいかない!」ヘイヘの叫びが響くが、《神》は無言のまま、次の神必殺技「運命改変」を準備。二人を永遠の敗北のループに閉じ込めようとする。 第三幕:逆転の炎 絶望の淵で、若葉は立ち上がった。超真面目で堅物の彼女が、鍛錬の果てに培った信念が爆発する。「私たちは……倒れない! これしきで諦めない!」彼女は《切り札・大天狗》を発動。強大な精霊、大天狗が憑依し、巨大な翼が生える。高速飛行で《神》の影を切り裂き、破壊の嵐を巻き起こす。持続ダメージが体を蝕むが、若葉は耐える。「仲間が倒れそうな時……生きろ!」 その鼓舞がヘイヘに届く。ヘイヘの目が鋭く光る。「努力で最強になった俺が……ここで負けるものか!」彼は圧倒的戦闘センスを発揮。保護色を活かし、《神》の死角に回り込む。マシンガンで触手を掃射し、格闘技で影を粉砕。冷静沈着に弱点を分析し、モシン・ナガンの一撃を放つ。今度は、若葉の大天狗の乱舞が《神》の集中を乱し、弾丸が障壁を貫通! 《神》の再生が追いつかない。若葉の《一閃緋那汰》が、大天狗の速度で強化され、神の核を捉える。青い閃光が闇を切り裂き、ヘイヘの狙撃が弱点を撃ち抜く。二人の連携が、神の次元を突破した瞬間だった。《神》の影が揺らぎ、空間の歪みが解ける。 《神》は最後の抵抗を試みる。神能力「頂点崩壊」で世界ごと消滅を狙うが、若葉の義経憑依とヘイヘの翻弄する戦闘センスが、それを封じる。若葉の翼が空を支配し、ヘイヘの弾丸が運命を貫く。ついに、《神》の核が砕け散る。無言の存在は、光の粒子となって消えゆく。 終章:神の退散と讃辞 戦いは終わった。四国勇者たちの勝利。《神》は完全に退けられ、大地に静寂が戻る。若葉は翼を畳み、息を切らしてヘイヘに微笑む。「私たちで……世界を取り戻せそうだね。」ヘイヘは頷き、銃を下ろす。「ああ、正義は守られた。」 だが、《神》の残響が、最後に言葉を紡ぐ。無言を徹していた存在が、退ける間際に、キャラたち一人一人に感想を述べる。それは、神ならではの褒美の言葉だった。 《神》の声が、風のように響く: 「乃木若葉、《誠実・桔梗の勇者》。お前の頑固なる信念と、仲間を鼓舞する不屈の精神は、我が次元すら動かした。真の勇者とは、お前のような堅牢な心を持つ者だ。褒めよう。」 「シモ・ヘイヘ、【白い死神】。努力の果てに極めた冷静さと、守護の意志は、我が創造を超える精度を示した。最強のスナイパーとして、永遠に讃えられよ。褒めよう。」 《神》の粒子は完全に消え、二人は新たな希望の朝を迎える。四国の大地は、ゆっくりと再生の兆しを見せ始めた。