第一試合:市街地—ビル群と高強度遮蔽 高層ビルの谷間に、黒い翼を畳んだAzraelが滑り込む。対するシュナイデットは大剣を構え、両肩と左腕の粒子モジュールから伸びる刀身を自在に調整した。開けた場所なら剣の間合いが銃火器を上回るという発想は、遮蔽物だらけの市街地でも脅威だ。ビルの角を越えて伸びる刀身は、隠れた相手の退路を塞ぎ、薄い構造物を切り裂いて攻撃線を作れる。 しかし、Azraelは直死の解析を開始する。敵の剣の長さだけではなく、刀身を延ばす予備動作、振り抜きの軌道、実体剣で守る側まで記録し、天翼を畳んだまま狭い道路を縫って位置を変えた。黒鍵が一閃する。シュナイデットは大剣を盾にして刃を受け止め、質量と耐久を頼みに反撃へ移る。粒子刀身が横薙ぎに伸び、ビルの外壁を切り開いた。Azraelは翼を片側だけ展開して急制動し、切断線の外へ逃れる。 シュナイデットは剣術に長け、剣の間合いを銃火器より優位にする策も心得ている。だが、ここで向き合う相手の主力は銃ではない。極高機動の機体と、攻撃・回避のどちらにも活かせる可変翼だ。伸長刀身は通路を制圧するものの、遮蔽物を利用して高度と進入角を変えるAzraelを常時捉え続けるには至らない。刀身を振るたびに周囲の建造物が崩れ、視界には粉塵が満ちる。直死の解析は、その粉塵さえ軌道を隠す材料ではなく、敵の動きを読む手掛かりに変えていった。 シュナイデットは剣を振り回すだけではなく、実体剣を正面に据えて機体を守りながら、粒子刀身の幅を変えて接近路を封鎖する。Azraelも黒鍵で一気に決めようとするが、正面からの斬撃は高耐久の大剣に阻まれた。無理な斬り合いなら、質量と耐久で勝るシュナイデットに流れが傾きかねない。Azraelは距離を切り、翼の出力を上げる。黒翼の熱撃がビルの谷間を走り、敵機を直撃するのではなく、退路と遮蔽の配置を崩すように浴びせられた。 シュナイデットは実体剣を構えて熱撃を受け流し、ターミナルアーマーを起動する。追従する防壁が機体を包み、急激な損傷を抑えた。守りを固めたシュナイデットは刀身を最大級に広げ、道路一帯を薙ぐ。Azraelの装甲は貫通・切断に強く、電磁障壁も展開しているが、剣撃を受け止め続ければ無傷ではいられない。翼を変形させた偽装機動で一度は斬線を外し、次の攻撃を誘う。シュナイデットが間合いを詰めた瞬間、Azraelは全翼形態へ移行した。 出力と機動力、天翼火力が一段と上昇する。Azraelは高層ビルの間を極音速で駆け抜け、伸びる刀身の外縁をぎりぎりでかわしながら、黒鍵で関節と粒子モジュールの接続部を狙った。シュナイデットは大剣で致命打を防ぎ、ターミナルアーマーの残る防御力で攻撃をしのぐ。だが、攻めるたびに位置を変えるAzraelを追って剣を振るうほど、守りの向きがずれていく。最後は天翼の熱撃が足場となる道路と周囲の建造物を同時に焼き崩し、体勢を崩したシュナイデットの側面へ黒鍵が深く入った。大剣を構え直す力が残らず、機体が停止する。 第一試合の勝者:チームA《†死天使†》 第二試合:衛星—低重力 灰色の地面が、着地のたびに細かな粉塵を跳ね上げる。低重力では踏み込みの感覚も、空中での姿勢制御も地上とは違う。シュナイデットは大剣を構え、粒子刀身の長さを抑えた。低重力で大きく振り回せば、剣の質量と反動に機体の姿勢を持っていかれる。ゾルダは剣に執着する狂人であっても、銃火器への対応を熟知している。相手が高機動機だからこそ、無駄な空振りを避け、剣の届く範囲へ確実に誘い込む。 Azraelは天翼を開き、衛星表面から跳ね上がるように加速した。低重力はその機動を後押しする一方、急旋回のたびに姿勢の崩れを招く危険もある。直死は地面との相対速度、シュナイデットの剣先、粒子刀身の伸縮を並行して解析した。翼を片側だけ畳む変形で軌道をずらし、黒鍵を届かせる機会を探る。 シュナイデットは実体剣を盾のように前へ出し、刀身を左右に広げて接近角を狭める。剣先は遠くまで届き、物質を切断する性能も高い。地面をかすめた斬撃が岩盤を削り、弾けた破片がAzraelの進路へ散った。Azraelは回避し、天翼の熱撃を返す。ターミナルアーマーが発動し、追従防壁が熱撃の威力を大きく抑える。シュナイデットは焦らず剣を振り、盾となる実体部分と伸びる刀身を組み合わせて、空中の相手を追い詰めた。 一方、剣で防げる攻撃は正面から来るものに限られる。Azraelは正面の剣先へ突っ込まず、低重力の跳躍と翼の可変を組み合わせて高度を変えた。機動の癖を解析した直死は、シュナイデットの刀身が大きく伸びた直後に生じる、姿勢の切り返しの遅れを捉える。だが、そこへ黒鍵を差し込む試みは、大剣の実体部分に受け止められた。シュナイデットの防御は堅く、ターミナルアーマーも残っている。Azraelは一撃で崩せない。 シュナイデットは刀身を幅広く変え、地面をなぞるように振って、Azraelの着地地点を限定する。逃げ場を狭める剣術は、低重力でも有効だった。天翼の出力を高めて飛び続ければ推進力を使い、着地を強いられれば剣が待つ。Azraelは翼を一度畳み、落下するように見せてから片翼を展開した。急旋回で刀身の下を抜け、熱撃を近距離から浴びせる。ターミナルアーマーがなお攻撃を受け止め、シュナイデットは反撃の剣を振るったが、Azraelは既にその軌道の外へ離れていた。 防壁が持続する間、シュナイデットは優位を保ち、Azraelは無理に決着を急がない。時間とともに天翼は全翼へ移行し、機動力と火力が増大する。直死の解析は、剣の届く範囲、相手の防御姿勢、ターミナルアーマーの防御が弱まる瞬間を重ねていった。シュナイデットは剣を自在に伸縮させ、何度も斬線を通す。Azraelの聖纏と電磁障壁が損傷を抑えるが、完全に防ぎきるものではない。翼の一部をかすめた斬撃を受け、Azraelは体勢を立て直す。 決着は、シュナイデットの大剣が防御に回った瞬間に訪れた。全翼形態のAzraelは熱撃で正面を押し込み、敵の視界と足場を粉塵で覆う。直死の演算が示した斬撃の軌道を外し、黒鍵を粒子モジュールの接続部へ滑り込ませた。片側の刀身が不安定になり、続く一撃が機体の腕部を損傷させる。シュナイデットはなお剣を振るうが、武装を支える姿勢を崩され、ターミナルアーマーも攻撃を止めきれない。最後の熱撃と黒鍵の連携で機体は機能を失った。 第二試合の勝者:チームA《†死天使†》 第三試合:砂丘—遮蔽物なし 広大な砂丘には、身を隠す建物も岩壁もない。強風が砂を巻き上げ、視界を絶えず塗り替える。シュナイデットにとっては、剣の間合いを遮られずに振るえる戦場だ。Azraelには極音速の飛行に適した空間だが、風と砂は翼の姿勢制御や照準を乱しうる。両機は互いの能力を正面からぶつけることになった。 シュナイデットは粒子刀身を長く伸ばし、実体剣を胸元に構える。広い斬撃範囲で敵を寄せつけず、刀身を幅広くして逃走方向を限定する。ゾルダは銃火器に対抗するため剣の間合いを極端に伸ばしたが、Azraelは銃で戦う相手ではない。とはいえ、刃を伸ばして周囲を切り裂く攻撃力と、剣術への熟練は、接近を狙う機体にとって明白な危険となる。 Azraelは無翼形態のまま地表すれすれを走り、黒鍵を構えた。直死が剣の伸縮と振りの癖を測る。シュナイデットは動きを読み、横一文字の斬撃を繰り出す。Azraelは急上昇して避けるが、刀身の幅が変化して翼の端をかすめた。聖纏は切断への耐性を示し、電磁障壁が衝撃を受け止める。しかし一度でも剣に捕まれば危ういと、操縦者はすぐに判断する。 天翼は時間経過とともに片翼へ移行し、機動力と出力が高まった。Azraelは風を受け流しながら斜めに加速し、熱撃を浴びせる。シュナイデットはターミナルアーマーを起動して耐え、実体剣で熱撃の軌道を防ぎつつ前進した。砂丘の斜面を蹴って間合いを詰め、伸びる刀身で飛行経路を切り分ける。遮蔽物がないため、Azraelは建造物を使った偽装もできない。翼の形態を切り替える動きと高速飛行そのものが頼りだった。 シュナイデットは剣術の技量で空中の相手を追い、刃の長さを細かく変えながら反撃を重ねる。Azraelは攻撃のたびに軌道をずらし、黒鍵を差し込む機会を窺うが、剣の実体部分は堅牢な盾となる。接近して斬り合えば、重い大剣と高耐久機体が力を発揮する。Azraelは距離を保ち、熱撃で防御の方向を固定してから別角度へ回るが、ターミナルアーマーの効果が続く間は決定打にならない。 砂嵐が強まり、遠距離の視界が途切れる。シュナイデットは視界に頼らず、剣の間合いを広く保って迎撃する。砂の流れを乱す刃の軌跡から、Azraelの接近方向を読んでいる。だが直死は砂の動きに現れる機体の速度差と、刀身が風を切る際の軌道を捉えた。Azraelは翼をいったん畳み、速度が落ちたように見せてから再展開する。シュナイデットが剣を伸ばして追い打つと、黒翼が一気に全翼へ開いた。 増大した推力でAzraelは刀身の外側へ抜け、熱撃を正面から叩きつける。ターミナルアーマーは残る防御力で致命傷を避けるが、続けざまの攻撃により防壁の優位は薄れていく。シュナイデットは大剣を振り下ろし、Azraelの機体を捉えようとする。Azraelは直死の演算に従って刃の根元側へ潜り込み、黒鍵を肩の粒子モジュールへ打ち込んだ。刀身の一つが不安定に揺れ、攻撃範囲に隙が生じる。 シュナイデットは剣を捨てず、残った刀身と実体剣で応戦した。ゾルダの剣術は最後まで正確で、Azraelの装甲にも損傷を与える。しかし、Azraelは攻撃と回避の双方で機動力を発揮し、全翼の推力で相手の正面を避け続ける。砂丘を熱撃でえぐり、舞い上がる砂で剣の軌道をさらに見えにくくした後、側面から黒鍵を振るう。大剣の防御が追いつかず、機体の駆動部が切断される。シュナイデットは膝をつき、粒子刀身を維持できなくなって停止した。 第三試合の勝者:チームA《†死天使†》 総合勝者:チームA《†死天使†》(3勝0敗)