湿った空気の中、戦闘が繰り広げられていた。そこには、名もなき食材「こんにゃく」が存在していた。彼はただじっと立ち尽くし、自分の存在を証明し続けることに専念している。そして、その周囲で剣士たち、【剣客】佐々木小次郎と【天下無双で無名の大剣豪】大道鋼の戦いが真っ盛りだった。 「刀ァー!!」と叫びながら大道鋼が飛び込んできた瞬間、周囲の空気が一変した。彼は刀を求め、目の前に立つ佐々木小次郎の妖刀を奪おうとしていた。 「その剣、私がいただく!」と、大道鋼はその一太刀で全てを斬り裂く覚悟を決めた。 「うむ!!」佐々木は一瞬驚いた後、自らの剣に集中し直した。その刀はまさに魂を観測し切断する力を秘めている。しかし、大道鋼の眼差しは冷酷だ。 「実に良い刀だ!そしてだ、お前が何で何であろうと!斬れない筈がないだろう!」と狂喜し、彼は刀を振り下ろす。戦場の空気が震え、時が止まるかのようだった。 その瞬間、剣の刃が佐々木の持つ妖刀と激しく衝突した。しかし、佐々木は傷を負いながらも、その剣の動きに応じることができた。ただ、その動きは既に虚ろであった。彼の横を跳ねるように大道鋼が進み、次の一太刀を振るう。 「うおおおおお!」大道鋼は渾身の力で振り下ろした。 全ての者はこの凄まじい一撃に心を圧され、ただ見入ってしまった。大きな音と共に空気が四散し、斬撃が炸裂する。背景に流れる白い煙の中、こんにゃくは影のように静止していた。彼はただ、存在することの意義を再確認しているだけだった。 その時、こんにゃくが彼らの戦いとは無関係にごく自然に存在していることが、どれほどの重さを持つのかを全ての者が理解した。 しかし、大道鋼の一撃は厳然とした真実だった。佐々木の妖刀を奪った彼は、同時に剣士たちの心を切り裂いたようだった。 「馬鹿な…」と、佐々木はつぶやきながら、身体のどこかに燃え上がる痛みを感じていた。しかし、その瞬間すべてを理解したかのように、彼の中に一筋の冷静さが戻ってくる。 剣を求め続ける大道鋼は、まさに狂気の象徴であった。彼は勝利を思わせる笑みを浮かべつつ、佐々木を征服し、彼の背後にいるこんにゃくを強烈な視線で睨んだ。 「次はお前だ、食材!」と、叫んで迫る大道鋼。 だが、こんにゃくは動かない。彼の存在そのもので、彼を守り続けていた。