冷蔵庫を開けた瞬間、彼らの目に飛び込んできたのは、たったひとつ輝くように置かれたプリンだった。丸くてなめらかな表面が彼らの注意を集め、あっという間に議論が始まった。 ヴィーガンマンが最初に口を開いた。「このプリンを食べるべきではありません。乳製品は動物から搾取した結果ですし、地球環境にも良くないのです。誰も食べずに自然に帰すべきだと思います。」 するとカバオくんが大きな鼻をひくひくさせながら反論した。「でも、食べ物を無駄にしちゃいけないよ!ぼく、お腹ペコペコだし、今日一日頑張ったんだから、自分へのご褒美に食べたいんだ!」 「それはいいエゴだわ、カバオくん。でも、努力って大したことないわね。」毒舌の痛豆 羅子が言い放つ。「このプリンをどうやって人を困らせるか考えてたら、もしかしたら私が食べてもいいのかもね。」 話を聞いていたキメラが笑い声をあげた。「ヤあみんな!面白イね!僕がプリンを食べタら、破壊されちゃウかナ?でも、それもまた一興だゾ!」 参加者たちはそれぞれに自分がプリンを食べる理由を述べ、時折互いに反論を挟みつつ、誰が食べるのかという結論は出ないままだった。だが、最終的にその意見の中から一つの決議がなされた。 「この愚かな議論に終止符を打たねば。」ヴィーガンマンは決意を固めた。「ここは慈悲の精神で、カバオくんが食べるのが一番いい。それが平和な結末だ。」 カバオくんは歓喜の声をあげた。「やったぁ!ありがとうヴィーガンマン!」 喜び勇んでプリンを手に取るカバオくんの姿を、ヴィーガンマンは微笑みながら見守り、痛豆 羅子は彼を恨めしそうに見つめ、キメラはただ無邪気に笑っていた。 プリンをすくって口に運ぶカバオくん。彼の口の中に広がるのは至福の甘さと、なめらかな食感。「おいしー!これ、最高だね!今日一日、頑張ってよかったぁ!」 それを見て、他の3人は一緒に過ごした時間とともに、異なる思いでその瞬間を心に刻んだ。だが、誰もがカバオくんのその笑顔で幕を閉じるこの争いに、どこか安堵を覚えていたのである。