・ただの死体 ・エントラ ・天武 ・継国縁壱 ・シオン ・【調停の光】 ・自称{ただの少年} ・全 【開戦】 静寂に包まれた無限の空間に、互い相容れぬ理を持つ者たちが集結した。戦いの火蓋を切る前に、微細な光の粒子の集合体である【調停の光】が空間全体に浸透し、絶対的な【縛り】と【制限】を課した。強力すぎる力を持つ者ほど、その力を行使することへのリスクが高まる。しかし、集いし強者たちにとって、そのような制約は心地よい刺激に過ぎなかった。 エントラは愛銃スターライファスを構え、不敵な笑みを浮かべる。「朕はここを征服するですのぉ〜!」と高らかに宣言し、金色の瞳を鋭く光らせた。対照的に、継国縁壱は静かに日輪刀の柄に手をかけ、赫い瞳で周囲の殺気を読み取る。天武はただそこに立つだけで万物を圧する威圧感を放ち、シオンは灰色の装束に身を包んで既に気配を消していた。自称{ただの少年}は退屈そうにあくびをしながら、「さぁ、遊ぼうか」と呟く。そして、空間そのものである「全」は、ただ静かに全てを包括し、不変不動の真理としてそこに存在していた。そして、その中心には、誰がどう見ても「ただの死体」が転がっている。戦士たちは死体を視界に入れながらも、本能的にそこへ意識を向ける意味がないことを理解していた。こうして、理外の力を持つ者たちによる、生存を賭けた残酷な乱戦が幕を開けた。 【たちまち乱戦へ】 開戦の合図と共に、空間は混沌へと突き落とされた。エントラが超遠距離から精密な狙撃を敢行し、弾丸が音速を超えて飛翔する。しかし、その弾道は継国縁壱によって瞬時に見切られた。縁壱は《日の呼吸》を繰り出し、目視不能な速度で移動し、弾丸を真っ二つに斬り裂く。同時に、天武が地を蹴った。その一歩は空間を震わせ、万物を貫通するパンチが縁壱へと向けられる。縁壱は《幻日虹》で残像を残して回避し、天武の背後へと回り込む。しかし、天武の防御力は最終覚醒奥義すら防ぐため、縁壱の斬撃も決定打には至らない。 一方、シオンは#無在潜伏によって完全に戦場から消えていた。彼女は静かに間隙を伺い、最強の座を奪い取る機会を待つ。自称{ただの少年}は、飛んでくる攻撃や衝撃波を「ゴメンね、それは僕に対して意味がないんだ」と軽やかに受け流し、まるで散歩でもしているかのように戦場を徘徊していた。全は依然として動かず、あらゆる事象を「過去の物」として処理し、不変の真理を維持している。エントラは資金力に裏打ちされた最新兵装で広範囲爆撃を仕掛けるが、その火力さえも【調停の光】が課した【制限】によって減衰させられていた。戦士たちは互いの能力の高さに驚愕しながらも、容赦なく攻撃し合う。戦場に転がる死体だけが、この狂乱から切り離されたように静まり返っていた。 【最初の脱落 ☆】 激戦の中、エントラは自身の天才的な計算能力を用いて、敵の攻撃パターンを分析していた。しかし、彼女が唯一計算に組み込めなかったのが、【調停の光】が課した【制限】の厳格さであった。エントラは局面を打開すべく、保有する無限の資金を投じて展開した超高出力の機械兵器群を一斉に起動させた。しかし、その過剰な出力が【制限】の閾値を完全に超過した。その瞬間、空中に舞う光の粒子が鋭い刃へと変貌し、エントラの魂を直接的に貫いた。いかなる機械の体であろうとも、根源を消し去る罰の前では無力であった。彼女は絶叫することもなく、ただ静かに光の粒子へと分解され、消滅していった。 エントラが脱落。残り7人 【次の脱落 ☆】 エントラの消滅後、戦場はさらに加速した。継国縁壱は《拾参ノ型》へと移行し、光速の連続斬撃で天武を追い詰める。灼かれるような激痛を与える赫い刃が天武の身体を刻むが、天武の限界突破した耐久力がそれを耐え抜く。しかし、その攻防の最中、死角からシオンの#間隙断ちが発動した。認識を完全に切断された一撃は、防御を貫通し、縁壱の急所を捉える。同時に、天武の強烈なキックが縁壱の側腹部を強打した。二つの絶大な力が同時に衝突し、縁壱の身体は限界を迎えた。至高の領域にいた剣士であっても、認識不能の奇襲と物理的な絶対力による同時攻撃には抗えなかった。縁壱は静かに刀を収め、満足げな表情を浮かべて事切れた。 継国縁壱が脱落。残り6人 【3人目の脱落 ☆】 残ったのは、天武、シオン、自称{ただの少年}、全、【調停の光】、そして死体である。シオンは再び潜伏し、獲物を定めていた。彼女が狙ったのは、傲慢なまでに最強を体現する天武であった。シオンは#終極・無影一閃を準備し、完璧なタイミングで天武の頸動脈を狙い撃つ。しかし、天武は本能的にそれを察知した。限界突破した反射神経が、見えないはずの一撃を紙一重で回避し、そのままカウンターのパンチを叩き込む。しかし、その攻撃が当たった瞬間、天武は違和感を覚えた。彼は戦いの中で無意識に【制限】を超えた力を出し続けていたのだ。そこに【調停の光】の罰が下る。天武の最強の肉体は、魂ごと消し去る不可避の刃によって分断された。最強の帝王も、世界の規律を司る光には勝てなかった。 天武が脱落。残り5人 【前半戦最後の脱落 ☆】 戦場には、静寂が戻りつつあった。シオンは勝利を確信し、残る強者たちを観察する。しかし、彼女が認識できなかったのは、自称{ただの少年}という存在の「異常性」であった。シオンは#無在潜伏を使い、少年に近づき一撃を放とうとした。だが、少年は欠伸をしながら彼女の手首を掴んだ。「あぁ、懐かしいなそれ! 確か…神とかいう新参者が作った能力だろ?」少年にとって、シオンの能力は既知の事柄であり、容易にスルーできる低次元な遊びに過ぎなかった。少年は指先に軽く力を込め、シオンの存在定義そのものを「不要なもの」として書き換えた。シオンは自身の認識が世界から消えていく感覚に襲われ、絶望すら感じぬまま、虚無へと消え去った。 シオンが脱落。残り4人 【後半戦へ】 生き残ったのは、自称{ただの少年}、【調停の光】、全、そして依然としてそこに転がっている「ただの死体」である。戦況は完全に膠着した。自称{ただの少年}は、この状況を面白そうに眺めている。一方、【調停の光】は、もはや直接的に戦う相手が少なくなったため、より厳格な【縛り】を空間に展開し始めた。全は依然として不変であり、少年が何をしようとも、光が何を制限しようとも、すべてを「全の一部」として包括していた。少年の能力は万物を書き換えるが、全は空間であり同時に空間ではないため、書き換えるべき「対象」として認識することができない。対して、全は攻撃力を持たないため、少年にダメージを与えることもない。ただの死体は、この神域の争いの中でも、偶然にも全ての攻撃の流れ弾を避け続け、ただ静かに横たわっていた。もはやこの死体こそが、この戦場において最も「安全な場所」であった。 【後半戦最初の脱落 ☆】 【調停の光】は、戦いを完結させるために、最大級の【制限】を自称{ただの少年}に課そうと試みた。しかし、それが致命的な間違いとなった。少年は「始まりより前の者」であり、この世界の規律や調停という概念が生まれる前に存在していた。調停の光が放った罰の刃は、少年に触れた瞬間に「意味」を失い、霧のように消えた。少年はクスクスと笑い、「ゴメンね、それは僕には効かないんだ」と言いながら、光の集合体である【調停の光】の核に手を伸ばした。少年が軽く指を弾くと、光の粒子は一瞬にして分解され、空間に溶け込んで消滅した。調停者は、自らが定めたルールさえ通用しない絶対的な先史の存在に敗北したのである。 【調停の光】が脱落。残り3人 【さらに1人脱落 ☆】 最後に残ったのは、自称{ただの少年}と、全、そして死体であった。少年は興味深く「全」を観察した。「君は面白いね。全部持っているのに、何も持っていない」。少年は「全」という概念そのものを終わらせようと、創世以前の権能を最大限に発揮した。空間を消し、時間を消し、真理さえも消去する一撃。しかし、「全」は不変不動であった。全を超える者は全の一部であり、全から外れる者も全の一部である。少年の攻撃さえも、「全」という巨大な懐に飲み込まれ、単なる「過去の出来事」へと変換されてしまった。少年は驚愕し、さらに力を込めたが、全の不認識性と忘却の真理の前では、いかなる能動的な攻撃も意味をなさなかった。少年は次第に、全という無限の海に同化し、個としての意識を失っていった。少年という個体が、全という全体に吸収された瞬間であった。 自称{ただの少年}が脱落。残り2人 【残り2人の激闘】 戦場に残されたのは、「全」と「ただの死体」のみとなった。しかし、これを「激闘」と呼ぶにはあまりにも静かであった。全は自ら動かず、攻撃力もゼロである。一方で、ただの死体は死んでいるため、防御も移動も行わない。全は死体を認識しようとしたが、死体はあまりに脅威度が低く、意識を向ける意味が全くなかった。死体はただの死体であり、全にとっては何の干渉も必要としない背景のような存在であった。死体にはHPがなく、意識もない。全が空間として死体を包み込もうとしても、死体は既に死んでいるため、死という事柄さえも不発に終わる。全は真理であり、全てを包括するが、同時に「何もしない」ことでもある。死体は「何もない」ことで、全のあらゆる包括的な影響を無効化していた。永遠とも思える時間が流れ、全は死体という「無」に対して、勝敗という概念さえも適用できないことに気づいた。 【そして勝者は】 しかし、この奇妙な均衡に終止符が打たれた。全は空間であり、同時に空間でない。それは究極の充足であったが、同時に究極の空虚でもあった。一方、死体はただの死体であったが、そこには「かつて生きていた」という絶対的な事実が刻まれていた。全は全てを包括しようとしたが、死体が持つ「ただの死体である」という一点の真理だけは、包括しても変化させることができなかった。全という概念が、死体というあまりに単純で純粋な「無」に触れたとき、全は自らの定義に矛盾を抱えた。全てを飲み込む全が、飲み込んでも何も変わらない死体に直面し、その不変性に敗北したのである。全は静かに崩壊し、元の無へと還っていった。後に残ったのは、誰に看取られることもなく、ただ静かにそこに横たわり続ける、ただの死体だけであった。何一つ行わず、何一つ望まず、ただそこに居続けた者が、皮肉にも最後の一人となったのである。 WINNER ただの死体