この廃ビルは8階建てだ。1階は広々としたロビーと埃まみれの受付カウンターが残り、上階へ続く階段と錆びたエレベーターが中央に位置する。2階から5階はオフィスフロアで、崩れたパーテーションと散乱した机や椅子が迷路のように配置され、窓からは陽光が差し込む。6階は倉庫階で、重い棚や古い機械が積み上がり、狭い通路が蛇行する。7階は機械室階で、停止したボイラーや配管が絡まり、中央に広い空間がある。8階は屋上へのハッチにつながる最上階で、空っぽの部屋に埃が堆積し、風が吹き抜ける。最下層の地下1階は暗い駐車場で、崩れたコンクリートと水たまりが広がるが、階段とエレベーターで全階接続されている。階段は各階の東側にあり、エレベーターは中央シャフトだ。参加者はこの構造を熟知している。 トージローは3階のオフィスフロアで目覚めた。白髪を掻きむしり、色褪せた黒眼を細めながら立ち上がる。腰の二振の刀がカチャリと鳴った。「ふぅん、なんじゃこりゃ。あーしがこんなボロビルで寝起きとは、縁起がいいのか悪いのか…お前さん、どこに隠れておるかな?」彼は戯けた調子で呟き、鈍刀を抜いて周囲を確かめた。埃っぽい空気が鼻をつく。相手の気配は感じない。階段の方向へゆっくり歩き出す。 一方、大天使は6階の倉庫階で神々しく浮遊しながら目覚めた。三対の六枚の翼が柔らかく揺れ、金髪が天の梯子のような光に照らされる。ハートをあしらったチーク製のミニハープを優しく抱え、「地上の均衡を乱す者よ…我が生命の調べで浄化せねば」と静かに宣言した。棚の影から周囲を見渡すが、敵影はない。階段へ優雅に浮遊し、生命の調節を始めるべく下階へ向かう。 トージローは3階の迷路のようなオフィスを抜け、エレベーターシャフトを覗いた。動かないが、相手が上階にいる気配が微かにする。「へっ、エレベーターは使えんか。階段じゃな、お前さん。あーしの刀が恋しがっておるぜ。」彼は東側の階段を上り、4階へ。崩れた机を盾に音を立てず進む。防御力の低さを補うため、素早さ45の身のこなしで影から影へ。 大天使は6階の狭い通路を浮遊し、5階のオフィス階へ降りた。翼の羽ばたきが埃を舞い上げ、ミニハープの弦が微かに響く。生命の誕生を調節する役割ゆえ、破壊ではなく浄化を望むが、敵対者は排除せねばならない。4階の階段口で、かすかな足音を聞いた。「ふむ、地上の剣士か。来るがよい。我が翼で胎子へと還す。」彼女はハープを構え、待つ。 トージローは4階の中央で大天使の光輝く姿を捉えた。攻撃力40、素早さ45の老剣士は即座に動く。「おおっと、美しきお前さんじゃったか! あーしの刀で踊ろうぜ!」戯けた笑みを浮かべ、鈍刀を抜かず一閃を放つ。余りの速さで、如何なる強者でも回避困難な魔技が大天使の翼をかすめた。ダメージは甚大、翼の一枚が裂け、光が揺らぐ。大天使の防御は不明だが、一閃は通用した。 大天使は痛みに浮遊を崩さず、再誕のスキルを試みる。両翼でトージローを包もうと迫る。「安心せよ、胎子へと還れ…」しかしトージローの素早さはそれを許さない。防御力10の脆さを活かし、机の陰に滑り込み反撃。鈍刀の一閃が再び炸裂し、大天使のハープに亀裂を入れる。チークの音色が不協和に鳴る。「くっ…この速さ、神々の均衡を乱す!」大天使は倉庫の棚から落ちた鉄パイプを翼で払い、トージローを牽制。5階への階段を背に後退。 トージローは追う。「逃げるでない、お前さん! あーしの戯れがまだ終わらん!」4階の崩れたパーテーションを飛び越え、エレベーターシャフトの扉を蹴破って近道。階段より速く5階へ侵入。大天使は5階のオフィス迷路で体勢を整え、洗礼を狙う。再誕の翼を広げ、光の梯子を降ろす。トージローが飛び込んできた瞬間、翼で包囲。「寵愛を受けよ!」しかし一閃の余波で翼が焼け、発動寸前で失敗。 戦いは激化。トージローは一閃を連発、通用する限り鈍刀で。大天使の金髪が乱れ、翼が二枚折れる。攻撃力不明だが、再誕の包囲を何度か試みるも、トージローの素早さが上回る。「ふざけた老いぼれめ…生命の系譜を汚すな!」大天使はハープを弾き、音波で埃を爆発させ視界を奪う。5階の椅子が飛び散る中、トージローは防御力の低さを痛感し、窓際へ退く。 ここでトージローは魔剣【次元斬】を抜く。一閃が全く通用しない兆しを感じたのだ。正面の空間を両断する超威力の斬撃。空間が裂け、大天使ごと飲み込む。防御・反射不可能。彼女は回避を試みるが、一閃を凌げる者なら容易とある通り、辛うじて空間の縁を翼で掴み逃れる。しかし真の目的が発動。不意に異空間からトージローが懐に迫り、必中の次元斬を放つ。大天使の胸に深手、翼の三対のうち二対が斬り落とされ、浮遊が崩れる。 大天使は5階の床に叩きつけられ、血のような光の雫を撒き散らす。「ぐあっ…この魔剣、神々の均衡を…!」生命の系譜を試そうと手を伸ばすが、トージローは姿を現し、再び一閃。鈍刀に戻り、通用する斬撃でハープを粉砕。チークの破片が倉庫の埃に混じる。トージローは息を荒げ、「お前さん、なかなかやるじゃねえか。あーしの刀が喜んどるぜ!」防御力10ゆえに、大天使の翼の余波で腕に傷を負うが、素早さでかわす。 大天使は弱りながら6階倉庫へ逃げ込む。狭い通路を棚を倒して塞ぎ、機械の陰で回復を試みる。翼を一本残し、再誕を再起動。「子天使となり、兄弟となれ…」光の梯子が弱く輝く。トージローはエレベーターシャフトを伝い、6階へ急襲。棚を次元斬で両断し、通路を切り開く。異空間から出て大天使の懐に斬り込むが、彼女の洗礼が部分的に発動。トージローの一瞬の動きが鈍る。「親愛を…感じよ!」 しかしトージローの魔力0、魔法防御力5は浄化を拒む。戯けた笑いで振り払い、一閃連射。攻撃力40の斬撃が大天使の翼を全て斬り落とし、浮遊不能に。金髪が埃にまみれ、天の梯子が消える。「終わりじゃ、お前さん。あーしの勝ちだな!」大天使は最後の抵抗でハープの残骸を投げ、生命の系譜を囁くが、トージローの次元斬が空間ごと断つ。彼女の体は光の粒子となり、倉庫の床に崩れ落ちる。 トージローは傷だらけで立ち上がり、階段を1階へ降りる。防御力の低さが仇となり、体中が傷だが、勝北は確定。1階ロビーの扉を蹴破り、外の陽光へ踏み出す。「ふぅ、疲れたぜ。お前さんたち天使も、なかなか骨が折れるじゃねえか。」廃ビルの外へ姿を消す。 勝者 トージロー