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裏市場38丁目の戦闘

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ルール
裏市
PvP
とある裏市場に脚を踏み込んだ君たちはどんな結末を辿ることになるんだろうね。
  • バトルロワイヤル
  • 参加可能人数制限: 2
  • 複数キャラOK
  • 対戦前はキャラクターの詳細を隠す
  • 基本ステータスをプロンプトに含めない
GPT56LUNA

プロンプト

独自プロンプトあり

末尾プロンプト

「ただ殴り合うだけ」の戦闘ではなく 喧嘩の発端→挑発→戦闘→ランダムイベント→能力の応用→決着の流れで5000字以上の物語を描写
名前: 神父ヴィクター&シスター・アリア
ヴィクター 一人称:俺 シスター・アリア 一人称:私
ヴィクターは神父: 中年男性/カソック/気怠げ/二丁拳銃/剣
アリアはシスター: 女性/修道服/伏目/無口/両手鞄
ヴィクターは単体: 一人の対象に対し遠・近距離から自在に攻撃
アリアは範囲攻撃: 機関銃や炎で広範囲を一気に支援・制圧
「神父様、あの」: 「分かった分かった、真面目にやるよ」
【聖葬執行機関】人知れず教会の敵対者を葬ってきた ヴィクター 【バレットアーツ】銃撃を組み込んだ格闘術。どちらの精度も非常に高く距離を選ばず戦える 切り札 【聖剣ガリウス】機関が秘匿する長剣。その一閃はあらゆるものを切り裂く アリア 【アンブロシア・バルカン】両手鞄を機関銃に変形させ、周囲を蹂躙する 【アンブロシア・ブラスト】両手鞄を火炎放射器に変形させ、聖なる青炎を放つ
ヘルツについて: 男性/24歳/怠惰で受動的、共感性の欠如
ヘルツの容姿: 黒髪ボサ髪、黒スーツ、白マント、インカム
ロペについて: 女性/9歳/無邪気で残酷、寂しがり
ロペの容姿: 黒髪ツインテ、黒ドレス、白マント、端末機
人差し指の指令: 『…へ。{内容}。期限は{期限}。』
『都市の神』の指令を盲目的に遂行し運命的に裏路地を支配する組織『人差し指』の、指令対象を処断する代行者達。 【受話器の代行:消音】 指令が下賜した、攻撃を逆相で打ち消し強力な振動で物体を液状化させながら破壊する音叉の様な大剣を解禁し敵を処断する 【映写機の代行:編集】 指令が下賜した、空間を裁ち時間を切り取る裁ち鋏の様な双剣を解禁しフィルムを切るように敵の動作を抜き取り処断する
ライセンス表記
ProjectMoon

 昼とも夜ともつかない、煤けた照明に照らされた巨大な裏市場。  崩れかけた劇場を中心に、無数の路地と露店が幾重にも絡み合っていた。偽造薬、禁制の銃、魔獣の卵、記憶を封じた瓶、誰かの名前が刻まれた短剣。客も商人も情報屋も賞金稼ぎも、互いの顔色を窺いながら、しかし決して立ち止まらずに行き交っている。  その雑踏を、黒いカソックの男が気怠げに歩いていた。  ヴィクター。両脇には二丁拳銃、腰には剣。眠そうな目をしているくせに、周囲のすべてを正確に捉えている。 「神父様、あの」  彼の少し後ろを歩いていたシスター・アリアが、伏せた目のまま囁いた。両手の鞄は重そうだったが、彼女はそれを苦にしていない。むしろ鞄の方が、持ち主を選んでいるように見えた。 「分かった分かった、真面目にやるよ」  ヴィクターは欠伸を噛み殺した。 「まだ何も言っていません」 「顔に書いてある。『警戒してください』ってな」  その時だった。  市場の古い映画館跡。その入口に、二人の異様な人物が立っていた。  黒スーツに白いマントを羽織った青年。黒髪はぼさぼさで、インカムを片耳に差している。隣には、黒いツインテールと黒いドレス、白いマントの少女。手には端末機。  人差し指。  ヘルツとロペ。音と光の神託を受ける代行者たちだった。  ヘルツのインカムが、雑音を孕んで鳴る。 『……聖葬執行機関の残党、ヴィクターへ。指令対象を確認。期限は直ちに』  ヘルツは片目だけをヴィクターへ向けた。興味がないというより、興味を持つ必要がないという目だった。 「だってさ」  ロペが端末機を抱えたまま、楽しそうに笑った。 「ねえ、おじさん。死んでくれる?」  ヴィクターは足を止めた。  市場の喧騒が、その周囲だけわずかに薄れる。商人たちが商品を引き寄せ、客たちが距離を取った。裏市場の住人は知っている。あの白いマントが出てきた時、そこには必ず死体が残る。 「断る」 「命令なのに?」 「命令なら、なおさらだな。俺は命令されるのが嫌いなんだ」  ヘルツが小さく息を吐いた。 「面倒」 「同感だ」  ヴィクターは踵を返しかけた。  ロペの笑顔が消えた。 「逃げるの?」 「そう見えるなら、目は悪くない」 「じゃあ、臆病者って呼んでいい?」 「好きにしろ。ただし、俺の背中を撃つ勇気があるならな」  次の瞬間、ロペの端末機が白く明滅した。 「なら、最初の一枚を切るね」  空気が裂けた。  光の細い線がヴィクターの背後から走る。ヴィクターは振り向きもせず、身体を半歩ずらした。光はカソックの裾を切り裂き、背後の香辛料屋台を真っ二つにした。赤い粉が爆発し、辺り一帯が真紅の煙に包まれる。 「いきなり売り物を壊すなよ」  ヴィクターが煙の中から二丁拳銃を抜いた。  銃声が連続する。  狙いはロペではない。彼女の足元、周囲の柱、頭上の吊り看板。弾丸が市場の構造物を正確に撃ち抜き、光の反射角を変え、ロペの視界を遮った。 「ロペ」 「見えてるよ」  ロペが端末機を滑らせると、空中に映像の枠が浮かんだ。銃弾がその中に入った瞬間、映像ごと停止する。  次いで、ヘルツが一歩進んだ。  彼の手には、いつの間にか大剣があった。刃の根元には音叉のような枝が伸びている。剣が低く唸っただけで、石畳の水たまりが波打った。 「消音」  ヘルツが剣を振る。  ヴィクターは後方へ跳んだ。振動の波が彼のいた場所を通り抜け、石畳を液体のように崩していく。露店の脚が溶け、商品棚が沈み、客たちが悲鳴を上げた。 「へえ。音を消すんじゃなくて、攻撃そのものを打ち消すのか」 「喋るなよ。疲れる」  ヘルツは剣を横薙ぎにした。  ヴィクターは銃を撃ちながら接近する。弾丸は音叉の刃に触れる寸前、逆相の振動に押し消された。しかし、その隙にヴィクターは一発を市場の天井から垂れ下がる鎖へ撃ち込んだ。  鎖が落ち、ヘルツの腕に絡む。  ヴィクターはその鎖を踏み台にして跳躍し、回転しながら膝を叩き込んだ。ヘルツは剣の柄で受けたが、衝撃で数歩後退する。 「やる気がないなら、帰って寝ろ」 「命令だから来た」 「そうか。じゃあ俺を殺せなかった時の言い訳も、命令のせいにしろ」  ヘルツの瞳に初めて苛立ちが宿った。  大剣が振り下ろされる。  ヴィクターは横へ滑り、剣撃の軌道に自分の銃を差し込んだ。金属が砕ける寸前、彼は銃身を捨て、もう片方の銃でヘルツの肩を撃ち抜く。  ヘルツの身体がよろめいた。  しかし同時に、剣の振動が周囲へ広がった。ヴィクターの足元の床が液状化し、膝まで沈む。 「捕まえた」  ロペが笑う。  彼女の双剣が抜かれた。鋏のように湾曲した二本の刃。その周囲で、時間がフィルムのように細かく明滅している。 「編集するね」  ロペが刃を交差させた。  ヴィクターの右腕の動きが、一瞬だけ抜き取られた。  撃とうとしたはずの腕が、動作の途中で消える。銃口は敵ではなく地面を向いた。 「なるほどな」  ヴィクターは沈みかけた足元を見た。「動作を切り取る。ただし、未来全部じゃない」 「分かるの?」 「分かるさ。俺は一人を殺すために、何年も観察してきた」  ヴィクターは左手の銃を捨てた。  そして、動かない右腕ではなく、肩と腰だけを使ってロペへ体当たりした。  ロペは驚いて身を引いたが、ヴィクターの額が彼女の鼻先を掠めた。彼は殴るのではなく、ロペの端末機へ肘を当てる。端末が飛び、映像の枠が崩れた。  その瞬間、アリアが動いた。  伏せていた顔を上げ、両手鞄を地面へ置く。 「神父様」 「分かった分かった、真面目にやるよ」 「私が言う前に返事をしないでください」  鞄が開いた。  内部から無数の銃身が展開し、機関銃の輪郭へ変形する。 「アンブロシア・バルカン」  轟音が市場を覆った。  弾幕はヘルツとロペを直接狙わなかった。二人の周囲の足場、屋台の柱、吊り下げられた金属板を撃ち抜き、逃走経路を塞ぎながら二人を中央へ追い込んでいく。  市場の観客が散り、商人たちが商品を抱えて逃げ出す。弾丸が香水瓶を砕き、色とりどりの液体が石畳を滑った。魚屋の氷が砕け、濡れた床がさらに足場を悪くする。  ロペは端末機を拾い、空間を切り取って弾幕を止めた。だが、その停止領域の外側から、アリアの弾丸が回り込む。ヴィクターが跳弾を計算し、屋根の金属板に撃ち込んでいた。  ロペの頬に浅い傷が走った。 「痛い」 「そういうものだ」 「嫌い」  ロペの双剣が翻る。  今度はアリアの動作が切り取られた。機関銃の銃身が回転を止め、引き金を引く直前の姿勢で固まる。  ヘルツがそこへ迫った。  大剣が唸る。  ヴィクターは咄嗟にアリアの前へ割り込み、剣を受け止めた。銃もない。片足はまだ液状化した床に沈んでいる。大剣の振動が骨まで響き、カソックの肩が裂けた。 「神父様」 「気にするな。服は替えがある」 「血が出ています」 「俺のか?」 「はい」 「じゃあ、やっぱり気にするな」  ヴィクターはヘルツの剣を押し返した。近距離では大剣は振り切れない。彼はそのままヘルツの懐へ入り、肘、掌底、膝を連続して叩き込む。ヘルツは無表情のまま耐えたが、最後にヴィクターの踵が膝裏を刈った。  ヘルツが片膝をつく。  ヴィクターは腰の剣へ手を伸ばした。  だが、抜くより早く、ロペの双剣が空間を切った。  ヴィクターの剣を抜く動作、その始点が切り取られる。 「それは、抜かせないよ」 「そうかよ」  ヴィクターは剣を抜かなかった。  代わりに、鞘ごと腰から外し、ロペへ投げつける。ロペが避けた隙に、ヴィクターは破壊された屋台の布を掴み、天井の滑車へ巻きつけた。  アリアが理解する。  彼女は鞄を変形させたまま、機関銃を上空へ向けた。 「撃つなよ、俺も巻き込まれる」 「分かっています」  アリアの弾幕が滑車の留め具だけを撃ち抜いた。  巨大な荷台が落下し、ヘルツとロペの間へ突っ込む。二人は左右へ分断された。  その直後、市場の奥から歓声が上がった。  新たな客の集団が、まるで洪水のように流れ込んできたのだ。裏市場の名物競売が始まったらしい。数百人の客が狭い通路へ押し寄せ、戦場はたちまち身動きも取れないほどになる。  ――ランダムイベント。  大量の客が集まり、戦場が狭くなった。  逃げ惑う人々、転倒する商人、頭上を飛ぶ荷物。敵味方の間に無関係な人間が入り乱れ、広範囲攻撃は使いにくくなる。  アリアは機関銃を止めた。  ロペはそれを見て笑う。 「撃てないね。いい子だね」 「あなたも避けるのが難しくなりました」  アリアは鞄を閉じ、反対側を開いた。  アンブロシア・ブラスト。  青い炎が細く噴き出し、群衆の頭上を舐めた。炎は人間には触れず、ロペの周囲にだけ広がる。アリアは燃えやすい布の屋台を焼き、炎の壁を作って客の流れを変えた。  市場の人々は悲鳴を上げながらも、火の向こうにいるロペを見てさらに押し合った。  ロペは双剣で炎を切り、切り取った空間を盾にした。しかし、青炎は消えない。切り取られた空間の縁から回り込み、彼女の白いマントを焦がした。 「ずるい」 「炎は、あなたの編集より早く広がります」  アリアの声は静かだった。 「でも、人は焼けます」 「焼きません」 「どうして?」 「神父様が怒ります」 「俺を理由にするなよ」  ヴィクターは苦笑しながら、ヘルツへ向き直った。  ヘルツは群衆を盾にすることもなく、ただ歩いてくる。肩の銃創から血を流しながら、大剣を引きずっていた。 「ロペを助ける」 「仲間思いだな」 「違う。ロペが泣くと、うるさい」 「それを仲間思いって言うんだよ」  ヘルツが大剣を振り上げる。  ヴィクターは市場の壁へ走った。人々の肩を踏み、屋台の天幕を蹴り、空中へ跳ぶ。ヘルツの振動波が通路を薙ぎ払い、人々の持つ金属製品を一斉に震わせる。  ヴィクターは壁の横に掛かった巨大な鏡を撃った。  鏡が砕け、無数の破片が舞う。  音叉の振動が破片へ伝わった瞬間、すべての破片が液状化し、銀色の泥となって床へ落ちた。  ヴィクターはその泥を踏み、滑るようにヘルツの懐へ入った。  ヘルツが剣を戻す前に、ヴィクターの拳が顎を打つ。続けて、肘が脇腹へ入る。ヘルツの身体が傾いた。  だが、ヴィクターの右足を振動が捉えた。  膝から下の感覚が消える。  ヘルツは無表情のまま剣を横へ払った。  ヴィクターはとっさに、近くの商人が抱えていた鉄箱を掴んだ。大剣が箱を切り裂き、内部の黒い砂が噴き出す。呪物を封じた砂だった。振動を吸収する性質があるのか、大剣の唸りが一瞬だけ鈍る。  その瞬間、ヴィクターはヘルツの手首を取り、関節を極めた。  ヘルツの大剣が落ちる。 「今だ、アリア!」  青炎が横一線に走った。  ヘルツの足元だけを焼き、彼の逃げ道を塞ぐ。アリアは炎を壁や床の金属に反射させ、直接触れずに熱の檻を作った。  ロペが叫ぶ。 「ヘルツ!」  初めて、少女の声に明確な恐怖が混じった。  ヴィクターはその一瞬を逃さなかった。 「ロペ。お前の相棒は、もう立てない」 「うそ」 「確かめてみろ」  ロペは視線をヘルツへ向けた。  ヴィクターはその間に、腰の鞘を拾い上げた。  ヘルツが顔を上げる。 「剣を抜く気?」 「いや」  ヴィクターは鞘を投げた。  ロペの足元へではない。彼女の背後にある、古い映写機へ。  鞘がレバーを押し込み、映写機が回転を始めた。劇場跡の壁一面に、古いフィルムが投影される。光と影が乱反射し、ロペの端末機が作る映像枠と干渉した。  ロペの編集能力が一瞬だけ乱れる。 「なに、これ……」 「映写機は光を切り取る道具だろ」  ヴィクターはヘルツへ銃撃を加えた。弾丸はヘルツを狙っていない。彼の周囲の鉄柱、吊り看板、足元の呪物の箱を撃ち抜く。  崩れた柱がヘルツの大剣を押さえ込む。  同時にアリアが鞄を機関銃へ戻し、狭い隙間から一発だけ撃った。弾丸はヘルツの手元を掠め、大剣の柄を遠くへ弾き飛ばす。  ヘルツがヴィクターを睨む。 「まだ、終わってない」 「そうだな」  ヴィクターは腰の剣を抜いた。  黒い鞘から、白銀の長剣が現れる。  聖剣ガリウス。  市場の照明が刃に映り、まるで細い鐘の音のような光が走った。  ロペが双剣を構える。映像の乱れを無理やり押さえ込み、空間に無数の切断線を浮かべた。 「それも編集する」 「やってみろ」  ロペの双剣が交差する。  ヴィクターの動作が切り取られる。踏み込み、剣を振る、その一連の流れが抜き取られようとした。  だが、ガリウスの刃は空間そのものを切った。  編集の境界線が断ち切られる。  ロペの双剣の片方が根元から砕けた。 「そんなの、反則……」 「切れるものを切っただけだ」  ヴィクターは剣を返し、ロペの端末機を弾き飛ばした。刃は彼女の身体には触れず、端末機だけを二つに割る。  ロペが膝をつく。  ヘルツが吠えた。感情の薄い男が、初めて声を荒げた。 「ロペに触るな」  彼は柱を押し退け、素手でヴィクターへ突進した。  ヴィクターはガリウスを構えた。  だが、アリアが炎を止めた。  市場の青い火が消え、残った熱気だけが二人の間を揺らめく。 「神父様」 「分かってる」  ヴィクターは剣先を下げた。 「逃げる道を作れ」 「よろしいのですか」 「殺す必要はない。あいつらは命令の奴隷だ。奴隷を斬っても、鎖は切れない」  ヴィクターはガリウスを一閃した。  斬られたのはヘルツでもロペでもない。二人の背後にあった、劇場跡の壁と地下へ続く鉄扉だった。  あらゆるものを切り裂く聖剣が、扉とその周囲の瓦礫を一息に切断する。地下へ下りる通路が開いた。  アリアが鞄から青炎を噴き出し、群衆を押し返す。炎は天井へ広がり、煙と熱で視界を奪った。 「行け」  ヴィクターが言った。 「命令?」  ロペが割れた端末機を抱えたまま尋ねた。 「忠告だ。次に会ったら、今度は手加減しない」  ヘルツはロペを抱き上げた。大剣を回収することもせず、地下通路へ向かう。 「次も、命令が来る」 「その時は、その命令ごと撃つ」  ヴィクターの声に、ヘルツは振り返らなかった。  ロペだけが白いマントの隙間から顔を出し、笑った。 「おじさん、名前は?」 「ヴィクター」 「覚えた。次は、ちゃんと殺すね」 「忘れてくれると助かるんだがな」  二人の姿が地下へ消える。  残された市場は、見る影もなかった。壊れた屋台、溶けた石畳、青炎の残滓、散乱した禁制品。商人たちは呆然と立ち尽くし、観客たちは遠巻きに神父とシスターを見ている。  アリアは鞄を通常の形へ戻した。 「神父様。市場の損害が大きいです」 「必要経費だ」 「教会が支払うのでしょうか」 「たぶん、俺の給料から引かれる」 「それは困りますね」  ヴィクターはガリウスを鞘へ収め、壊れた銃を拾った。銃身は歪んでいたが、まだ使えそうだった。 「困るな。だから報告書には、敵が全部壊したと書いておけ」 「事実と違います」 「神父様は嘘をついてはいけない、と言いました」 「俺がいつそんな説教をした?」 「毎週です」  アリアは伏し目がちに市場の奥を見た。 「ですが、彼らはまた来ます」 「ああ」 「戦うのですか」 「その時は、真面目にやるよ」  ヴィクターは煙の向こうを眺めた。  壊れた映画館の壁では、まだ映写機が回っていた。白い光が暗闇を切り取り、誰もいないスクリーンへ、二人の代行者が去っていった地下通路の映像を映し続けている。  裏市場の喧騒は、やがて元に戻っていく。  だがその日から、商人たちは新しい噂を売り始めた。  ――人差し指の代行者を退けた、二人の聖葬執行者。  そして地下のどこかでは、ヘルツが割れた端末機を見つめるロペに、気怠げな声で尋ねていた。 「痛い?」 「うん」 「帰る?」 「ううん。次は、もっと上手に切る」  壊れた端末機の画面に、途切れた指令文が浮かび上がる。 『……ヴィクターへ。再指令を――』  その続きを告げる声は、まだ市場のどこにも届いていなかった。