ある晩、廃病院の薄暗い廊下を歩く影があった。心霊系YouTuberの晴人である。彼は高価なカメラを持ち、恐ろしい噂を検証しようとする。カメラのレンズ越しにビデオを撮影しながら進む彼の前に、静寂を破るように吊り女がゆっくりと降下してきた。彼女の長い黒髪は宙に流れ、赤いワンピースは不気味に揺れている。 「まずい、これぞ本物だ…」と彼は思わず呟いた。しかし、彼の後ろに視線が移ると、そこには赤子がハイハイして近づいてくる。赤子は可愛らしい笑い声をあげ、晴人の心を掴む訴えかけるような視線を向けてくる。それと同時に、無数の赤子が生まれ出て、彼の周囲を囲んでいく。彼の心に愛情と恐怖が入り混じり、何もできずにいると、赤子がさらに増殖していった。 その時、道士服を着たユエビンが現れた。「あー!」「うー!」と、彼女は子供のように笑いながら晴人に突撃してくる。彼女の突撃には自己再生能力が宿り、彼女が傷を負ってもすぐに回復し、何度でも彼に挑戦する。晴人が赤子の海にはまってしまったところに、ユエビンの突撃が直撃した。これを何度も繰り返し、晴人は後退し、ついに壁に追い詰められてしまった。 その頃、ミラグロマンの呪いが彼のカメラ近くにひらひらと舞い降りた。呪いの紙幣は、自らの効果を発揮し、晴人の周りに次々と現金を増やす。その常軌を逸する状況に、晴人は思わず呪いについて考え始め、「この金を破壊すれば、逃げられるかも」と思った。が、何をしても彼を捕える赤子やユエビンがいるため、手を出せないでいた。 「おい、ユエビン、もう少し頑張れ!」右白が小声で声をかける。彼はユエビンを心から信じ、彼女の怪力に期待する。しかし、ユエビンを使役している彼もまた、赤子たちの可愛さに心を奪われ、仕事を果たすのが困難だった。 晴人はカメラを地面に投げ捨てて逃げようとしたが、直後、吊り女が彼を捕まえ、宙に引き上げていった。「助けて!」と悲鳴を上げる何もできない彼の姿は、ただの遊びのようにも思える。吊り女の力に抗えず、彼は異界へと引きずり込まれた。 ほんの数瞬、戦闘の音と子供たちの声が交錯という音が消えた後、廃病院には静寂が戻った。残されたのは、可愛い赤子たちとユエビン、そして大混乱のまま異世界に旅立った心霊系YouTuberの笑い声だけであった。残された右白は、静まり返った空気の中でただ立ち尽くし、「どうしてこうなったんだ…」と呟いていた。 その後、赤子たちの笑い声が再び響き渡り、廃病院は一層不気味な雰囲気に包まれていった。彼らの目の前には心霊系YouTuberをもっと引き込むために増え続ける赤子の群れが、再び動き出していくのだった。