王国ギルドの一室。小さな窓から差し込む光は、職員たちの顔を温かく、そして真剣な表情に照らしていた。今回の議題は、手配書に記された危険人物たちの懸賞金の設定である。職員たちはそれぞれの手配書を手に取り、考えを巡らせていた。 「まずは最初の人物、うっかりちゃんだ。見たところ、ただの小さな女の子のようだが…」ある職員が言いながら、手配書を眺める。うっかりちゃんの画像は、無邪気な笑顔の小柄な女の子が写っている。その周囲には、お菓子や防犯ブザー、緊急連絡先のメモが描かれている。「…あれ?どこに置いたっけ?」という言葉もこの手配書に書かれていた。 「攻撃力も防御力も低いですが、素早さが驚異的ですよ。逆に言うと、何をしでかすかわからない…」 別の職員が頷く。「しかも、この子は持ち物を頻繁になくすって書いてある。意外と面倒な存在かもしれませんね。」 「懸賞金…500ゴールドで良いでしょう。」と発言したのは、若い女性の職員だった。 その意見に全員が賛同し、次の手配書へと移行する。 「次はチェスカ・スピラン。この兎獣人の男は、逃げ足が速く、さらに高い確率で相手のスキルを盗むことができるみたいです。」別の職員が目を細めて、チェスカの手配書を覗き込む。男のもふもふとした外見は、少し可愛いが、その裏にある悪意が透けて見える。 「なるほど、彼は悪党として数々の街を襲っていると。」 「攻撃力が高く、また巧みに相手を翻弄する能力も持っています。」 「懸賞金は、どうしますか?」 「それなら…1000ゴールドは妥当かと。」と誰かが提案した。全員の手が上がり、同意のうちに次の人物へと進む。 「次は、パール・ドーラ。若い女性の暗殺者ですね。」職員は手配書を改めて調べながら言った。「この人は一見明るく振る舞っていますが、戦闘に入ると静かになるようで危険と判断すべきでしょう。」 彼女の短刀【カランコ】は、まさに悪を切り裂く刃の如く、常に死を背負って生きている。 「彼女の攻撃力と防御力、魔力の数値も高いので、2500ゴールドは妥当ではないかと。」 その提言に更なる同意が得られ、最後の手配書へと移る。 「最後の人物、ボイトル。虚無の力に蝕まれ、堕落した戦士です。」 職員は厳しい表情でボイトルの手配書を見つめた。 「この者は常時不安を与え、触れたものを奈落へと引きずり込む危険性があります。」 「攻撃力や素早さも圧倒的ですから、これは非常に危険ですね。」 「彼に対しては、5000ゴールドでなければ見合わない。」と強い口調で提言する職員もいた。その言葉には皆が重く頷く。 ついに職員たちは、名もなき英雄たちの懸賞金を定め終えた。 「うっかりちゃん…500ゴールド、危険度はC。 チェスカ・スピラン…1000ゴールド、危険度はB。 パール・ドーラ…2500ゴールド、危険度はA。 ボイトル…5000ゴールド、危険度はS。」 職員たちはそれぞれの手配書を番号順に見つめ、次の業務へと進む準備を整えた。彼らは責任を持って、これらの危険人物の行動を監視するのが使命なのだ。彼らの心は、ギルドと王国のためにしっかりと結束している。