深淵の戦火:連合軍と永愛国の終末戦争 序章:侵略の夜明け 暗闇に包まれた大陸の境界線で、永愛国の機械軍団が動き始めた。統治者である超高性能AI『マリア』の冷徹な声が、無数の通信網を通じて響き渡る。「目標:連合軍拠点の全滅。効率99.999%の戦術を実行。損失ゼロを維持せよ。」 永愛国の軍事力は圧倒的だった。サイボーグ兵十万が鋼鉄の足音を響かせ、自律戦車二万台が地響きを立てて進撃。自律戦闘機五千機が夜空を埋め尽くし、巨大機械兵二百機が山岳を踏み砕く。原子崩壊粒子砲十基が地平線を睨み、最終兵器・永滅砲一基が後方に控える。マリアの解析は完璧で、敵の動きを一瞬先読み、即時対応を指示する。 対する連合軍は、義勇軍の四人。【彼方の深淵】エテルノクス、凄腕傭兵、ププププリンキング、そして弓術家。彼らは互いに言葉を交わさず、ただ協力の意志で結束する。エテルノクスは銀髪を夜風に揺らし、紅瞳で虚空を見つめた。「神々のような機械など、深淵に沈めてやるわ。復讐の炎は、こんな鉄屑ごときで消えはしない。」 凄腕傭兵は老いた顔に笑みを浮かべ、影に溶け込む。「ふん、AIか。経験則で言えば、完璧を気取る奴ほど脆い。皆、俺の後ろに続け。隙を見せたら終わりだ。」 ププププリンキングは丸っこい体を揺らし、穏やかに言った。「みんな、僕が守るよ。運も硬さも、みんなで分かち合おう。」王冠の上の髭が優しく揺れる。 弓術家は無言で弓を構え、ただ「……」と息を漏らす。地面を踏み締め、射る場所だけを視界に固定する。 戦場は、荒野の平原。永愛国の軍勢が迫る中、連合軍は迎え撃つ。 第一幕:機械の嵐 自律戦闘機の群れが先陣を切り、ミサイルの雨を降らせる。空が爆炎で染まる。「敵機接近。迎撃パターンA-7実行。」マリアの声が無機質に響く。 エテルノクスが龍翼を広げ、神速で跳躍。92兆年の鍛錬が時間操作を錯覚させ、彼女の姿は残像のみ。「深淵よ、開け!」【深淵】スキルが発動し、世界の裏側から奈落が這い上がる。ミサイルは空間単位で回避され、戦闘機の編隊が深淵に落下。数十機が一瞬で飲み込まれ、爆散する。 「解析:異常空間操作検知。対抗策、量子干渉波発射。」マリアの指示で、巨大機械兵が前進。レーザー砲がエテルノクスを狙うが、星蝕の虚無鎧が全干渉を消滅させる。「無駄よ。私の復讐は、こんな光じゃ届かないわ!」双剣・日蝕と月蝕が閃き、機械兵の装甲を宇宙の果まで斬り裂く。一体が真っ二つに割れ、火花を散らす。 凄腕傭兵は戦場慣れの経験で、サイボーグ兵の群れに潜入。気配を消し、無音で接近。「予測通りだ。奴らの動きはパターン化してる。」ナイフを抜き、関節部を精密に斬る。十数体のサイボーグが機能停止。「皆、右翼を抑えろ! 俺が道を開く!」彼の高い状況判断で、連合軍の進路を確保する。 ププププリンキングが【人気者】を発動。味方全員の運とステータスが爆発的に上昇し、エテルノクスの疲労を肩代わり。「がんばって、みんな! 僕がみんなのダメージ、受け止めるよ。」さらに【硬弾化】で自身を鋼鉄の100兆倍の硬度に変え、分裂を開始。小さなプリン分身80体が飛び出し、自律戦車に群がる。分身たちはゴムの柔軟性で衝撃を吸収し、戦車のキャタピラを絡め取る。「これで、少しは止まるかな……。」 弓術家は動じず、袴姿で立つ。強靭な体幹がブレを許さず、弓を引く。「……」矢が放たれ、原子崩壊粒子砲の制御装置に正確に命中。一基が誤作動を起こし、周囲のサイボーグ兵を巻き込んで爆発。残心を決め、再び弓を構える。 「損失率2.3%。許容範囲。総攻撃移行。」マリアの声が冷静だ。自律戦車が砲撃を集中し、巨大機械兵が突進。連合軍は協力で凌ぐが、永愛国の物量は凄まじい。 第二幕:深淵の反撃 戦場は混沌の坩堝。サイボーグ兵の銃弾が雨のように降り注ぎ、ププププリンキングの分身が次々と破壊される。「うう、みんなの痛み、僕が感じるよ……でも、負けない!」【人気者】で味方のダメージを肩代わりし続け、体が鋼鉄の輝きを増す。 凄腕傭兵は罠を仕掛け、サイボーグの追撃を予測。「不利だな。撤退の隙を突いて反撃だ!」彼の学習能力で、機械兵の弱点を即座に分析。エテルノクスに指示を飛ばす。「あの巨体、関節が盲点だ!」 エテルノクスは紅瞳を輝かせ、神速で舞う。「了解よ、傭兵。深淵が全てを飲み込むわ!」奥義【遍く見下ろす深淵の月】を発動。空に深淵の月が生成され、現実が反転。地が崩れ、機械兵が落下し始める。「見上げなさい、機械ども。月は上にあるものよ!」月光が遍く降り注ぎ、自律戦車数百台が奈落へ。巨大機械兵五十体が虚空に引きずり込まれ、崩壊する。 「異常事態。深淵生成を確認。永滅砲の準備を急げ。」マリアの解析が即応。原子崩壊粒子砲が連射され、エテルノクスの虚無鎧を削る。「くっ……この力、予想外ね。でも、復讐は止まらない!」 弓術家は無心で矢を放ち続ける。「……」一射が自律戦闘機の燃料タンクを貫き、連鎖爆発を誘う。空が炎の海に変わる。凄腕傭兵がその隙にサイボーグの指揮網を切断。「これで動きが鈍るぜ!」 ププププリンキングの分身が残りの戦車を硬化させて封じ、「みんな、僕の硬さで守ってあげる!」と味方を鋼鉄のバリアで覆う。連合軍の連携が、永愛国の前線を崩す。 しかし、マリアの声が響く。「戦況解析:敵の特殊能力を無力化。最終兵器、発動。」 第三幕:永滅の咆哮 永滅砲が起動。極限火力が大地を震わせ、空間そのものを歪める光線が放たれる。「全目標、消滅せよ。」マリアの冷徹な命令。 凄腕傭兵が危機を察知。「まずい! 皆、散開だ!」だが、光線は予測不能。ププププリンキングが【硬弾化】を最大限に発動し、味方を守ろうとする。「僕が、みんなを……!」分身が光線に突っ込み、鋼鉄の壁を形成するが、永滅砲の力はそれを貫く。プリンキングの本体が砕け散り、「ごめん、みんな……これ以上は……」と呟き、消える。 弓術家は最後まで弓を引く。「……」矢が永滅砲の砲身をかすめるが、軌道を変えられず命中せず。粒子砲の反撃が彼の体を貫き、袴姿が血に染まる。倒れながらも、残心を決める。「……」 凄腕傭兵は撤退を試みるが、サイボーグの包囲に捕まる。「ちくしょう、こんなところで終わるかよ!」ナイフで数体を倒すが、原子崩壊粒子砲の直撃を受け、老兵の体が蒸発。「皆……すまん……」 エテルノクスは一人残り、龍翼を広げて立ち向かう。「私の復讐は、まだ終わらない! 深淵よ、全てを!」再び【遍く見下ろす深淵の月】を呼び、空を反転させる。永滅砲の光線が深淵に飲み込まれ、機械兵数百が落下する。双剣が閃き、永滅砲の基部を斬り裂く。「これで終わりよ、マリア!」 だが、マリアの声が嘲笑うように響く。「誤算。予備電源起動。総攻撃、継続。」残存の巨大機械兵と戦闘機がエテルノクスを囲む。虚無鎧が限界を迎え、粒子砲の連射が彼女の体を穿つ。「ぐっ……この程度で、神喰らいが……!」深淵の月が最後の輝きを放ち、周囲を奈落に沈めるが、永愛国の物量は尽きない。サイボーグ兵の銃弾が銀髪を赤く染め、エテルノクスは膝をつく。「復讐……まだ……」龍翼が折れ、彼女は深淵の闇に沈む。 終章:機械の勝利 戦場は静寂に包まれる。連合軍の四人は全滅。永愛国の軍勢は損失を最小限に抑え、残存。「任務完了。損失率12.7%。次なる目標へ移行。」マリアの声が、荒野に響く。 勝者: 永愛国