廃ビルは、外観は朽ち果てたグレーのコンクリートで覆われ、周囲の雑草と一緒に時の流れを見守るかのように静まり返っていた。全体で10階建て、内部は多くの階で様々な用途が追求された跡が見える。1階にはかつてのロビーが広がり、散乱したガラスと壊れた家具で埋め尽くされている。2階は事務所の跡が残り、古い文書とオフィス家具があふれ、3階は休憩室か食堂のような雰囲気。4階は屋上のアクセスを持つ非常階段があるフロア、5階から上は各種ストレージや倉庫が占めていたが、特に8階からは廃墟じみた彫刻や壁画が見受けられ、独特の雰囲気を醸し出している。9階には天窓があり、何とか残っている光が差し込み、10階は完全に崩れてしまった屋根の下で忘れ去られた空間となっていた。 ニマは5階に目を覚ました。冷たいコンクリートの床と、曇った窓の向こうから差し込む薄弱な光が、彼女の表情を映し出す。周囲を見渡すと、何もないただの部屋。彼女は小柄な体を起こし、すぐに手を動かす。小型ナイフを一振り、彼女は静かにその場を離れた。 一方で、連撃魔バンチは8階の一室で目を覚ました。陽気な表情を浮かべて、寝ぼけまなこで周囲を見回す。「ここはどこだ!おっと、面白そうなところだぞ!」と声を上げて、不器用に体を起こした。天井の隙間から差し込む光が、彼のモッフモフの髪を照らす。 ニマがフロアを歩くと、早速彼女の能力が発揮される。手のひらから一瞬で小さな動物たちが生み出された。彼女はそれらを周囲に散らしながら、細心の注意で移動する。動物たちは彼女の指示通りに動き出し、周りの情報を探る役割を担っていた。 その頃、バンチは動き回ることで興奮が高まり、廃ビルの奥へと足を踏み入れていた。「オレの連撃、味わってみろ!」と声をあげながら、周囲の物に触れ、潜む敵を見つけようと必死に耳を澄ませている。彼の日々の冒険を思い出させる場所に、彼は気分が弾む。 ニマは生み出した犬の群れに目をやりながら、彼女の心の内で何かが渦巻いていた。「私…生き物には不思議と情が湧かないのよね」と呟き、彼女の冷徹な目が光を放った。同時に、彼女は窓の方へ向かい、外を見ながら敵の存在を探した。 バンチは、ふとした拍子で8階の廊下を走っていると、どこからか聞こえる犬の吠え声に気がついた。「うおっ、なんだあれ?」思わず採寸し、気を引き締める。彼はゆっくりと動き、声の方向へ向かう。 —— 階段の陰で、ニマの犬たちが何かを探している。その瞬間、視界の片隅にバンチの姿を捉えた。彼女は動物たちを指示し、敵に向かわせた。「行け、私の駒たち!」 バンチは突然、犬たちの群れに取り囲まれた。あまりの数に圧倒されるが、彼は「カモン!オレの連撃で勝負だ!」と叫び、すぐに反撃の姿勢を取った。 ニマは、犬たちが攻撃を行う様子を見守りながら、冷静さを保つ。バンチは闘魂を発揮し、体力が減るほどにパワーがアップする。「オッケー、リードブロー!」と叫びながら、彼は威勢よく犬たちの一匹に正拳を放った。 犬は一撃で力を失い、バンチに向かって襲い掛かる他の犬たちが、瞬時にその足元に散った。しかし、ニマは次の手を打つことに決めた。 「このままではいけない、もっと強力なものを…」次の瞬間、彼女は手をかざし、巨大な獅子を召喚した。獅子は彼女の意志を受けて、バンチに向かって突進したが、バンチはそれを素早くかわし、怒涛技を放つ。「オレの力をみんなに見せてやる!」獅子の側面へと急速に近づき、瞬時に拳を振った。その衝撃は獅子の体に衝撃をもたらした。 戦闘は長引く。ニマは術を駆け巡らせ、一方では生み出した動物たちが彼女の指示に従う中、バンチは反撃の機会を狙って一撃また一撃を放っていた。天井が崩れそうな中、ニマは冷静さを失わずに彼女の生物の数を増やすが、それでもバンチの迫力がその流れを止めることはできなかった。 「行こう、ワンツー!」彼は次の瞬間、2度目の拳を放ち、再び獅子の足元に揺れる影を生み出した。バンチの拳は獅子に、若干ずれて命中。ニマは、その隙を見逃さず、もう一体の新しい戦士を生み出した。次は虎。彼女は魔法のようにその獣を呼び寄せた。 「来い、虎!」ニマの合図で虎が現れることで、戦場は一気に熱くなる。しかし、バンチはその状況に喜びを感じ、「もっとおいで、いっぱい来るがいい!」と声を上げる。彼の心は完全に闘気に包まれていた。連撃と圧力に押されるニマは、冷徹な表情を堅持しながら、必死で彼女の命令を生成し続ける。 やがて、時間の経過と共に、ニマの生み出した生物たちが限界に達し、若干の影響を受け始める。その時、バンチは「怒涛四連」を思い切り発動する。彼の身体を通じて衝撃が走り、連続で襲い掛かる。 「うっ、やめろ!」とニマは声をあげるが、すでに手遅れだった。その瞬間、バンチの力強い拳が彼女の虎を捉え、敵を圧倒する。 さらなる攻撃で、バンチの毒が大量の動物たちに飛び火し、あらゆる生物が息絶えていく。ニマはその光景を見ながら、冷たい視線を失わない。「私は、決して諦めない。」彼女は、すぐさま手を振るい、ボツリヌス菌の生成を指示した。 バンチは、 「何!?」とどこか執拗に思いながら、意識を集中させる。「連撃の力はそんなものには屈しない!」にこやかに反応するが、ニマの変化に気づくことはなかった。それからの数分で、彼女の生物はすべて壊滅し、ニマは自らの力を呼び起こしていく。 全てが折り重なり、バンチは混乱してしまう。「うおっ!」と叫んで反撃しようとしたが、ニマは新たな植物を生み出す。織り成す様に絡みつく植物たちが、彼を包み込んで行く。「これであなたは動けなくなる。」 何よりも報く絡める植物の力に、ついにバンチも身動きが取れなくなる。「そんな、オレがなぜこんなに…」バンチは動揺しながら倒れ込んでいく。 「私の勝ちよ。」ニマは冷ややかな言葉を放ち、その目に一切の躊躇いはなかった。彼女の周囲は戦いの跡を残し、様々な生物の死骸が、広がるだけだった。特に、彼女がかつて愛した命は、消え去った。 最終的にニマは選択の瞬間を迎え、彼女は最後の生物を生み出す。しかし、それは明かにかつての彼女には無かったものだった。床に横たわるバンチ、彼女が求めたごとく、その身体に終止符を示された。 その瞬間、勝者がビルの出口へと向かう。ニマは感情を抑えきれない思い出を抱きながら、一つ一つのステップを踏みしめる。崩れたビルを越え、闇に包まれる中で、彼女は穏やかな表情を浮かべていた。「冷徹さと技術は、私を勝利に導いてくれたわ。」 ニマは外の光を浴びてビルを抜け出し、一瞬振り返り複雑な感情を抱いた。しかし、すぐに冷徹さを取り戻し、彼女は新たな旅へと進む。ビルの影は、彼女の後ろに消え去っていく。