星の静寂を背景に、白月千秋は神鏡「鏑舞」を手にして立っていた。冷たい光の中で、彼女の水色の短髪が揺れる。周囲は鏡のように反射し合い、まるで彼女の心が映し出されるかのようだった。 「私の力を見せてあげる。鏡界閃乱・輪廻!」 白月は叫び、月光が彼女を包み込む。空間が歪み、無数の刃の幻影が彼女の周りに渦巻き始めた。だが、足元には二匹の巨大な甲虫、クロカタゾウムシとアイアンクラッドビートルが立ち塞がる。彼らの防御力は無限よりも高く、白月の攻撃は無意味だった。 「あなたたちに勝つことはできない…」 彼女は一瞬、剣呑な表情を浮かべる。しかし、彼女の目は未来を映し出す鏡の力で輝いていた。「しかし、反射は可能よ。」 「鏡烈青雲・乱反射!」 攻撃を受けることはなかったが、白月はその瞬間を見逃さなかった。彼女の周囲で膨れ上がる無数の幻影たちが蟲たちへ向かって集まる。不意を突いた! その反射された刃がクロカタゾウムシに向かう。 「無駄だ、我々にはダメージを与えることはできない!」 だが、白月は微笑んだ。「私はあなたたちの能力をそのまま利用させてもらうわ。」 彼女は「鏡葬幻想・始獄」を唱え、影分身を生み出す。無限の防御力を持つ彼らは通常通り反射するが、千秋はその反射を利用し、内側から撹乱を図る。「波紋のように反響する鏡の力よ!」 刃の幻影がクロカタゾウムシの光を弾き、次々と彼女によって反射された攻撃が彼女に飛び込んでくる。この連鎖が続く限り、彼女の力は弱まることはない。白月は「泡飛沫」で未来を間違いなく予知し、全力をもってその攻撃を回避・反射し続ける。ただの防御だけではなく、彼女の戦いはまるで踊るようだ。 「残りの力を出し尽くしなさい!」白月は叫ぶ。甲虫たちの反撃は尽きず、ただの防御ではない計算された力だった。だが、彼女は圧力を利用する。無限の力をもつ存在たちでも、どこかに隙間が生じるはず。 彼女は一瞬の静寂を感じ、全てを貫く刃の幻影を集まらせる。その瞬間、彼女は力強く呼びかけた。「鏡の中の全てよ、私に力を貸しなさい!」 刃が一斉に突き刺さる。無限の中からの攻撃が最終的に反射し、彼女の力はあふれ出る。二匹の甲虫はその力に押し潰され、ついに光る破壊の瞬間を迎えた。「さようなら、無限を誇る者たち!」 そして、星の静寂は再び戻ってきた。 白月千秋は鏡から戻ると、一人微笑んで立っていた。彼女の力が勝者となった理由は、隙間を見つけ出し、自らの能力を駆け引きとして利用したからだった。彼女は無駄に攻撃するのではなく、反射に反射を重ね、逆転の勝利を手に入れたのだ。