一回戦:市街地 戦闘の舞台は高層ビルが立ち並ぶ市街地。ヴェスパノールは機体「ロムルス」に搭乗し、周囲のビル群を巧みに利用してその特性を活かす。敵機、テクムートは高度に機動できる特殊な設計だが、戦闘の性質上、ヴェスパノールのような綿密な立ち回りが求められる。 試合開始の合図と共に、ヴェスパノールは「ロムルス」を滑らかに動かし、周囲のビルを利用して敵機に接近した。その速度に乗せて「レミントン」を構え、敵機に向け一発、二発と射撃する。「ロムルス」に搭載された小径イオン粒子マシンガン「カラギナン」がもたらす弾幕が市街地の空を覆う。 神竜機テクムートは、ヴェスパノールの攻撃を瞬時に計算し、急旋回した後、高速機動でビルの背後に隠れる。テクムートはAIシステムを駆使し、ヴェスパノールの弾道を分析。「MIXW」を発動し、近接戦に持ち込もうとするが、ヴェスパノールの周回戦術は巧みで、反応が早い。 ヴェスパノールが周回することで、テクムートが突撃するタイミングを狂わせる。しかし、テクムートの機動力は高く、冬の空に光る流れ星のように彼は空を切り裂く。 たちまちテクムートは上空に舞い上がり、背部装備の機動&斬撃用粒子接続大型機翼で羽ばたく。「MEGA」のチャージを開始し、全てを一撃で叩き潰す力を蓄える。ヴェスパノールが弾を装填する合間隙に、テクムートは「神竜撃砲」を発射する。「ロムルス」周囲を襲う爆風は、瞬く間に市街地に大穴を開ける。 力の差を見せつける「MEGA」が放たれると、ヴェスパノールは何もできず立ち尽くす。運動エネルギーを失い、反撃できないまま一回戦の勝者はテクムートに決まった。 二回戦:山岳 二回戦の舞台は険しい山岳地帯。急斜面や泥沼が分布し、移動が困難な環境である。ヴェスパノールは特に機動性の高い「ロムルス」の特性を利用することにした。 試合開始後、ヴェスパノールは地形を意識し、急な閉所を利用しつつ敵を翻弄させようとする。一方テクムートは、この環境をも活かすべく、超加速粒子速脚部位「DRAIV」を利用する。するとまるで舞うようにテクムートは奇妙なコースを辿り、斜面を駆け上がる。 今回は敵が攻撃を仕掛けてくる前に、ヴェスパノールが先手を取る。「レミントン」をさらに絞り、テクムートの進行を阻止すべく遠くから狙い撃ち。しかし、テクムートの運動は巧妙で、障害物を巧みに避けていく。 瞬間、テクムートは左肘の武装を利用した連射機械拳「MIXW」を発動し、攻撃に転じる。ヴェスパノールは冷静に反応しようとするが、狭いスペースでは避けるのは困難と言わざるを得ない。テクムートの攻撃によって「ロムルス」の防御が破られる。 テクムートは一気に押せ押せの展開に。上空からの斬撃や接近戦を行い、ヴェスパノールの行動を封じ込める。瞬時に型を崩された彼は周囲の地形を利用できず、次第に追い込まれていく。 次第に意地の抵抗をするも、抵抗虚しく、再びテクムートの猛攻が続く。彼は知性ある反応を続け「MEGA」をため、再び力強く岩を崩しながら火力を発揮。攻撃が成功し、二回戦の勝者もテクムートに決まった。 三回戦:洞窟 最後の試合は洞窟という非常に狭く暗いため視認と移動が困難な環境。ライトの明かりに頼るこの場所で、細かい動きが求められる。ヴェスパノールは前回苦戦を強いられたテクムートとの戦闘に、立ち回りを意識し準備する。 洞窟内、ロムルスの静寂の中で静かに戦闘開始の合図を待つ。両者不安なままに姿が消え、只管、気配を探り合う。問題はその運動性と、暗闇に紛れ込むことである。 戦闘が開始され、ヴェスパノールは周囲の音や振動を頼りに「カラギナン」で敵を狙うクラウズを繰り返す。しかしテクムートもAIを駆使し、敵の行動を先読みしていた。 だがこの狭い洞窟では、テクムートの機動力を活かす余地がない。ヴェスパノールはこれを悟り、突如動作を変え急接近、反撃に転じる。高い攻撃力を持つ「ピエネッタ」で攻撃を繰り出す。テクムートも負けじと接近し、混戦となる。 この複雑な状況下では、指先の動きがものを言う。時折「MIXW」が瓦礫を吹き飛ばし、両者が近接戦を繰り広げる。しかしテクムートの能力を超える力を、ヴェスパノールが見事に乗せる。 最後の局面、テクムートが「MEGA」を展開したが、先手を取ったヴェスパノールが一瞬の隙を突き、着実に攻撃を当てる。テクムートが力尽きたところで決定的な射撃が決まり、三回戦の勝者はヴェスパノールに決まった。 総合結果 一回戦:テクムート 二回戦:テクムート 三回戦:ヴェスパノール 勝利数が多いのはテクムートの二勝。全体での勝者はテクムートである。