街の喧騒が遠ざかる中、薄暗い路地裏に立つ一人の魔術師。「隠」の魔術師は影のようにその姿を潜め、次なる獲物を物色していた。彼が使用する技の数々は一見すると優雅であるが、その背後には冷酷な殺意が潜んでいる。 だが、その時、二人の少女が敵の思惑を許さぬために姿を現した。まずは双剣使いのメイド少女、宮森愛香。彼女は桃色の髪を揺らしつつ、黒いメイド服の裾を翻し、壁に寄りかかるように立つ。不安定な視線と、決して揺るがない意志が融合した彼女の表情は、狂おしいほどに妹への愛に満ちていた。 「花音のために、私は絶対に帰らないと……」 愛香の心に燃え盛る炎は、妹の存在によって明確に形作られていた。 その傍らには、静かに微笑む少女、山尾葵がいた。金髪碧眼の彼女は、温和であるが、その目には確かなる戦士の光が宿る。 「私たち、共に行きましょう。」葵の言葉には確信があり、その強さが二人の意志を固めた。 「ぴったりのコンビだな。」愛香は、葵の柔らかな眼差しと共に、双剣『紅恋想蕾』を握りしめる。恋炎の斬撃を宿す剣、炎を思わせるその美しさはまさに妹への愛の象徴であった。葵は名刀『鋼断ち景則』を手に取り、空を見上げる。 「行くよ、愛香!」 二人は無言の合図で動き出した。隠れた「隠」の魔術師に接触するために、葵が先に前に出て、急に霧のように消えた。 「忍術:虚。」彼女の声が空気を撥ね返し、彼女は消えた。 すると、闇から現れた魔術師は、じっと二人を見つめている。彼の目には不敵な笑みが浮かんでいた。彼は取るに足らない相手だと思っていたのだろうが、その誤算が彼を焦らせる。 「まずは一刀両断で、教育してやろうか。」 魔術師は姿を消し、愛香の背後に回る。何者かの声と共に鋭く耳鳴りが響く。 「今のうちに!」愛香は急いで反応し、双剣を構えた。 「あったり!」彼女は見事に急な旋回をし、恋炎の斬撃を後ろへと放った。 「しまった!」魔術師は驚き、回避せざるを得なかった。そして彼の姿は再び影に溶け込み、次の一手を狙う。 葵はその動きを見逃さなかった。彼女は瞬時に前に出て、切り崩すように「天流抜刀術:破邪」を発動。 「喰らえ!」 葵の一閃により、魔術師は再び姿を現した。彼女が斬るべきものを間違え無いよう、特効の刀が彼を待ち受けた。 「この刀が真実を断ち切ってみせる!」 愛香はその隙に隠れるように突進し、迫りくる魔術師の周囲に恋炎の斬撃を放った。「燃え燃えです。」その一言と共に、光が爆ぜるように広がった。 魔術師は巧妙に跳躍し、直撃を回避したが、今度は葵が背後に回った。「天網恢々!」 彼女は超常の一振りを放ち、魔術師の動きを一瞬止めた。だが、その瞬間、魔術師は冷たく笑う。 「固有魔術『隠者』!」 闇の影が魔術師を覆い隠し、他の攻撃を無効化してしまう。この影の中で、彼は完全に無敵の存在となる。 「狙いを絞って、攻撃する手段はない!」と葵。 愛香は思わず肩をすくめる。だが、彼女は焦らない。姉としての愛の思いは消えない。彼女は魔術師の背後へと進む策を練る。 「固有魔術なんて、ただの手段。私の妹への愛は、それを覆す力がある!」 その一言を力に、彼女は自らの炎を募らせた。 葵は素早く周囲の影を観察する。「見えています、こちらの動きには注意を払っているはず。」彼女は瞬時に結束を取り戻す。 二人の少女は合致し再び戦うことを決意。愛香はスキルを駆使し、葵は自身の切れ味をもって立ち向かう。 「賞金稼ぎ!」アクションの舞台は宙を舞い、愛香は魔術師の拘束を試みた。彼女は金の鎖を投げ、それが魔術師を拘束しようとした。 「くぅっ、そんな!」 魔術師は焦るも、拘束されながらもやがて茶化すように笑う。 「見せてもらった!」 白い煙と共に、彼は再び影に溶け、逃げていった。 「これが魔術師ってやつか……!」葵は驚きの言葉を口にする。 「でも、大丈夫!」愛香は冷たく微笑み、再度立ち直る。「私には必ず妹、花音のためにこれだけの力があるんだから!」 再び戦いが始まる。 「防御は無意味、さあ、受け取れ!」と愛香は思い切り紅い炎を解き放ち、宙を舞う恋炎の斬撃を飛ばし、闇の魔術師に向かって跳ね上がる。 「冥土恋華!」葵も後に続く。 魔術師は、二人の攻撃をまともに受け止めることはできなかった。だが、流石魔術師。影を駆使し、その間際に急進する。 「やらせるか!」愛香は攻撃の手を止めない。 すると、魔術師は短剣を手に取った。「魔具・黒刃!」 黙々と、短剣が投げられ、二人に直撃。愛香はその瞬間、炎に包まれた。 「止まれ、この恋炎!」葵が叫び、魔術師はついに表に現れる。 「お還り下さい、ご主人様。」愛香は窮地に焼かれると同時に、妹への愛が最大火力へ達し、周囲全域を恋炎の斬撃で激しく焼き払った。 「しまった、これは……!」魔術師が真っ青な顔をし、背後からのコンボがすべて命中した。 「見事な一炎、お見事。”隠”の魔術師!」 闇の魔術師は、かつて使っていた全力を浮かべるも、命を落としてしまった。 「これで仕舞いにしますっ!」葵は全てを断ち切った。 二人が向き合う中、空に照らされた月が二人は互いに励まし合うように静かに輝いていた。 互いに何か愛する者のために何ができるのか、それを忘れずに残し、逃げられない運命には逆らえなかった。 勝利は愛香と葵にあった。