昼とも夜ともつかない、巨大な裏市場。 天井近くを走る配管から蒸気が噴き出し、赤や紫の裸電球が濡れた石畳を照らしていた。違法な魔導具、記憶を封じた瓶、偽造身分証、異国の毒草、名も知らぬ生物の卵。情報屋と賞金稼ぎ、怪しい商人と訳ありの客がひしめき合い、怒号と笑い声と値段交渉が絶え間なく飛び交っている。 その一角を、南羽エリはきょろきょろしながら歩いていた。 先端だけ青い銀髪。黒いセーラー服のような衣装にショートパンツ。市場の人々が誰も彼も怪しげな顔をしている中で、彼女だけは場違いなほど明るかった。 「わあ……すごいね! ここなら、失くした人を探す情報も売ってるのかな?」 彼女が尋ねた露店の主人は、目を合わせずに言った。 「情報なら何でもある。生きた人間の居場所から、死者の墓穴までな。ただし、代金は高いぜ」 「死者の墓穴! じゃあ、死んだ人も呼び戻せるんだね!」 「……そういう意味じゃねえよ」 主人が頭を抱えた、その時だった。 隣の通路から、黒い革ジャンとマントを身につけた男が歩いてきた。黒いヘルメットにサングラス。周囲の雑音も人影もすべて見通しているような、異様に正確な足取りだった。 バトルファイター001。 彼は露店の前で足を止め、エリを見た。 「お前……その魔力。ここで何をしている?」 「こんにちわ! 私はエリ、よろしくね!」 エリは両手を振って笑った。 だが001の視線は冷えたままだった。彼は市場に流れる情報を追っていた。高電圧を操る魔法少女が、闇市場で危険な魔導具を買い漁っている――そんな誤った噂を、さきほど情報屋から聞かされていたのだ。 「とぼけるな。お前がこの市場の電力網を盗もうとしていることは認識している」 「盗む? 私は見てただけだよ。電球がきれいだなって」 「貴様のような危険人物を放置するわけにはいかない」 001の拳が、露店の木箱を砕いた。 周囲の客が一斉に距離を取る。商人たちは商品を抱えて逃げ始め、野次馬だけが安全そうな棚の陰から顔を出した。 エリは驚いたように目を丸くした。 「えっ、危険人物って私? 違うよ! 私は誰とも喧嘩したくないの」 「なら、抵抗せず倒れろ」 「倒れろって言われたら、寝ればいいの?」 「……その余裕、気に入らんな」 「余裕じゃないよ。本当に仲良くしたいだけ!」 エリが一歩近づく。001は拳を構えた。 「最後に言う。ここから立ち去れ」 「じゃあ、あなたも一緒に来る? 市場の外でお話ししようよ」 「断る」 「そっか。じゃあ、ここでお話しだね!」 エリが屈託なく笑った瞬間、001の姿が消えた。 テレポートアタック。 彼はエリの真後ろに現れ、背中めがけて拳を振り抜いた。 だが、拳が触れる寸前、エリの周囲で青白い火花が弾けた。電磁場が瞬時に展開され、拳の軌道がわずかに逸れる。001の拳は彼女の肩をかすめ、背後の金属製の看板をへこませた。 「わっ、急に後ろから殴るのは危ないよ!」 「認識している。お前がそう反応することもな」 001は看板を蹴って距離を取った。 エリは肩を押さえながら、困ったように眉を下げる。 「じゃあ、ちゃんと正面から話そうよ」 「話し合いは終わった」 001の足元に炎が走る。 「火炎昇!」 炎をまとった彼の体が高く跳ね上がった。天井から吊るされた薬草の束を焼き、赤い火の粉をまき散らしながら、エリへ急降下する。 エリはとっさに両手を掲げた。 「電葬の魔法――磁界展開!」 周囲の金属が一斉に震えた。壊れた看板、鉄製の鍋、鎖、露店の釘が宙に浮き、彼女の前で巨大な盾のように集まる。 001の炎の蹴りが金属塊に突っ込み、爆音が市場を揺らした。 鍋がへこみ、鎖が切れ、鉄片が四方へ飛ぶ。商人が悲鳴を上げ、観客たちが棚の陰へ身を隠した。 001は着地すると同時に、潰れた金属板を踏み抜いた。 「防いだか。しかし、攻撃を受ければ受けるほど、俺は強くなる」 「えっ、痛い目に遭うほど強くなるの? 大変だね」 「怨念の力だ。お前が攻撃するほど、俺の拳は重くなる」 「じゃあ攻撃しない!」 エリは本気でそう言うと、両手を下ろした。 001が一瞬、動きを止めた。 「……何?」 「私は逃げるね!」 エリは踵を返し、狭い路地へ走り出した。 市場の通路は、積み上げられた木箱と屋台で複雑に入り組んでいる。エリはそこを縫うように駆けた。001は迷いなく追跡する。彼の認識能力は、群衆の中に隠れた彼女の位置を正確に捉えていた。 「逃走は無意味だ!」 「無意味じゃないよ! 逃げるのは、仲良くなるための時間を作ることだから!」 「理屈になっていない!」 001が跳躍し、屋台の屋根を踏み台にする。彼の拳が横から迫った。 エリは振り向かず、指を鳴らした。 周囲の電球が一斉に消えた。 次の瞬間、電球の内部に残っていた電荷が一本の青い線となって走り、001のサングラスに反射する。閃光に視界を奪われたわずかな隙に、エリは鉄製の看板を磁力で引き寄せ、壁のように立てた。 001の拳が看板を貫く。 エリはその腕に触れ、電磁力で金属部品を引き寄せた。ベルトのバックル、革ジャンの留め具、ヘルメットの縁。すべてが彼の動きを縛る方向へ引き合い、001の体勢が崩れた。 「今なら話を聞いてくれる?」 「断る!」 001は力任せに拘束を引きちぎった。だが、その瞬間にはエリの掌から電撃が放たれていた。 「電葬――枝雷!」 青白い電流が地面を這い、金属製の屋台の脚を伝い、001の足元へ集中する。彼の体が大きく跳ね、革ジャンから煙が上がった。 攻撃を受けたことで、001の怨念が膨れ上がる。 拳が震え、周囲の空気まで重くなった。 「なるほど……その程度か」 「ごめんね! でも止まってくれなかったから!」 「ならば、次は俺の番だ」 001が消えた。 エリの認識から、一瞬だけ存在が抜け落ちる。だが、彼女は視線ではなく、電磁場の乱れを感じ取った。 「右……じゃなくて、上!」 天井近くに001が現れた。彼は市場の梁を蹴り、急角度で落下する。 エリは両腕を交差させ、体の周囲に反発磁場を張った。 拳が磁場に衝突し、凄まじい衝撃波が広がった。屋台の商品が飛び、瓶が割れ、紫色の液体が石畳を染める。観客から歓声と悲鳴が同時に上がった。 エリは数メートル吹き飛ばされ、果物売りの台に背中から突っ込んだ。 「いたた……果物が頭に乗ったよ」 「まだ立つか」 「うん。私は処刑台の魔法少女だから、死んだり消えたりしないの」 「それは脅しか?」 「ううん、説明だよ」 「ならば、壊れるまで叩く」 001が構え直した、その時だった。 市場の入口から、怒号が響いた。 「どけどけ! 新しい客だぞ!」 「珍しい品が入ったんだ、見せろ!」 ランダムな騒ぎではなかった。市場の外で、巨大な違法競売が終了したらしい。買い手と見物人が一斉に流れ込み、狭い通路へ大量の客が押し寄せてきたのだ。 戦場が一気に狭くなる。 人々が二人の周囲を囲み、逃げ場を失った商人が商品棚を背にして固まる。001は拳を振るうための空間を奪われ、エリも大規模な電撃を放てば周囲を巻き込む状況になった。 「わあ、いっぱい来たね!」 「喜んでいる場合か!」 「だって、お客さんが増えたよ。みんな怪我しないようにしなきゃ」 「俺の邪魔をするなら、全員まとめて吹き飛ばす」 「それはだめ!」 001が踏み込む。だが前方には客が密集している。彼は一瞬で標的を認識し、誰も巻き込まない角度を選んだ。拳はエリの顔面ではなく、彼女の横の柱へ向かう。 エリは柱に手を伸ばした。 「磁界反転!」 柱の内部に埋め込まれた鉄骨が、001の拳を強烈に引き寄せた。狙いが逸れ、拳が柱へ吸い付く。001は腕を引き抜こうとするが、エリは市場じゅうの金属を利用して磁力を重ねた。 屋台の鉄輪、金属箱、鎖、硬貨、ナイフ。無数の金属片が001の腕と柱の周囲へ集まり、まるで巨大な磁石の檻になっていく。 「止まって! 今なら誰も殴らなくて済むよ!」 「拘束したつもりか」 「うん、そうだよ!」 「認識が甘い」 001は自らの腕を柱へ叩きつけた。怨念の力で増幅された膂力が磁石の檻を粉砕する。金属片が跳ね飛び、観客の足元へ散らばった。 「俺の強さは、受けた痛みの数だけ増す!」 「じゃあ、やっぱり攻撃しないほうがいいね」 「だが、お前はすでに俺を強くした!」 001がエリの前へ迫る。テレポートアタックで背後へ回ろうとするが、エリは自分の周囲に細い電磁線を張っていた。空間の一点に生じた磁気の歪みを、彼女は感覚で捉えられる。 「そこ!」 エリが振り向くと同時に、手のひらから雷撃が走った。 001は腕で受け止めた。電撃が革ジャンを焦がし、さらに怨念が膨張する。 彼は笑った。 「これで終わりだ」 001がエリの腰を掴み、凄まじい勢いで投げ上げた。 「フライングアタック!」 エリの体が天井へ向かって飛ぶ。彼女の髪が風圧で揺れ、青い先端が火花を散らした。市場の客たちが悲鳴を上げ、商人たちは商品を放り出して逃げ惑う。 001は空高く跳び、エリを追った。 彼女を巻き込んで地面へ急降下し、石畳ごと叩き潰す奥義。 エリは宙で体勢を変えようとした。しかし、001の腕が彼女を捉える。 「つかまえた!」 「うん、つかまったね!」 「何を笑っている?」 「空からだと、市場が全部見えるよ!」 エリの目が、天井から垂れ下がる巨大な導線に止まった。 市場全体へ電力を供給する、太い銅線。いくつもの変圧器を経由し、各区画の照明や魔導具に繋がっている。 「電葬の魔法は、電気を放つだけじゃないんだよ」 エリが両手を広げた。 「電流の道を、作ることもできる!」 彼女の魔力が導線へ流れ込む。だが、単純に電撃を増幅したのではない。電磁力によって市場の配線全体を一時的に変形させ、導線を巨大なコイルへ変えたのだ。 無数のコイルが生んだ磁場が、落下する二人の周囲に渦を巻く。 001の姿勢が崩れた。 「何だ、この力は!」 「落ちる方向を、ちょっとだけ変えるね!」 エリは自分たちの落下ベクトルを、磁場の反発で横へ逸らした。 二人は地面へ激突する代わりに、巨大な金属製の倉庫扉へ叩きつけられた。扉が大きくへこみ、衝撃で周囲の商品棚が崩れ落ちる。 それでも001はエリを放さなかった。 「小細工を……!」 彼は彼女を地面へ投げつけようとする。 エリは抵抗しなかった。代わりに、001の体に残る金属部品をすべて認識し、磁力を一点へ集中する。 ヘルメットの留め金、ベルトの金具、靴底の金属片。 それらが一斉に互いを引き合い、001の動きを内側から縛った。 「あなたは、私の攻撃を受けるほど強くなるんだよね」 「そうだ!」 「じゃあ、殴らないで止める!」 エリは倉庫扉に手をついた。 扉の内部に仕込まれていた大量の鉄骨が、磁力によって一斉にせり出す。001の周囲を囲み、腕、脚、胴を傷つけないように固定する。さらに彼の靴底を床へ吸着し、ヘルメットを扉へ引き寄せた。 まるで市場全体が、彼を巨大な磁気拘束具に変えたようだった。 「くっ……!」 001が力を込める。怨念によって膨れ上がった筋力が、鉄骨を軋ませる。 「認識している……お前は、俺を殺す気がない」 「うん。だって仲良くなりたいから」 「俺を拘束して勝ったつもりか」 「まだ勝負中なの?」 「俺が動ける限りはな!」 001は最後の力を振り絞り、鉄骨を引きちぎろうとした。だが、彼の足元には大量の硬貨が散らばっている。エリはそれらを一枚ずつ磁力で回転させ、渦のように彼の周囲を巡らせていた。 硬貨の渦は攻撃ではない。001の体を直接傷つけることもない。 しかし、彼の動きを読み、次に力を込める方向へ先回りして金属の抵抗を集中させる。力を出せば出すほど、拘束が強くなる構造だった。 「力が強い人には、力を使わない方法がいいんだね」 「……お前は、本当に戦いを知らないのか」 「知らないよ。でも、あなたが教えてくれた!」 001の動きが止まった。 市場の喧騒の中で、二人の周囲だけが一瞬静かになる。 彼はサングラス越しにエリを見た。 「俺を……理解したつもりか」 「うん。殴られると強くなるけど、殴らなくても強いんだよね。だから、誰かを守るためにその力を使えばいいと思う」 「俺が守るだと?」 「だって、さっきお客さんを避けて攻撃したよ。全員を吹き飛ばすって言ったのに、ちゃんと避けた」 001は黙った。 認識能力によって、彼自身もその事実を理解していた。 彼は確かに、群衆を巻き込まないように戦っていた。 エリはさらに続けた。 「だから、悪い人じゃないよ。ちょっと怒りっぽいだけ」 「……」 「ね? 喧嘩はもう終わりにしよう!」 「まだだ」 001の声は低かった。 「俺は敗北を認めていない」 彼が再び力を込める。 鉄骨が大きく軋み、床の石畳にひびが入った。市場の客たちがまた逃げ始める。エリの拘束は限界に近づいていた。 彼女は困ったように頬を膨らませた。 「もう。じゃあ、最後に一回だけね」 「何をする気だ」 「電葬の魔法――静電封印」 エリの指先から、極細の電流が走った。 それは001の筋肉を焼くようなものではなく、神経の信号を一時的に乱すための制御された電撃だった。電磁場で彼の筋肉の動きを読み、力が入る直前だけを打ち消していく。 右腕に力を込めようとすれば、右腕の信号を遮断する。 左脚を踏み出そうとすれば、左脚の反応を止める。 001は動こうとするたび、自分の力が空回りする感覚に襲われた。 「くっ……動けん!」 「うん。動かないでね」 「これは……攻撃ではないだと?」 「うん。だから、あなたを強くする怨念も増えないよ」 エリはゆっくり手を下ろした。 磁気拘束が完全に固定され、001の体は倉庫扉に縫い留められたように止まった。 彼はしばらく抵抗を続けていたが、やがて大きく息を吐いた。 「……敗北、か」 「そうなの?」 「俺は動けず、お前は立っている。戦闘の結果としては、俺の敗北だ」 「じゃあ、処刑台の呪いが来るね」 エリの笑顔がわずかに曇った。 「えっ?」 001が初めて、ほんの少しだけ眉を動かした。 「敗者には何かあるのか」 「うん。天の力に処刑されて、それから無理やり蘇生されるの。すごく痛いよ」 彼女がそう言った直後、市場の天井が白く染まった。 雲もない地下市場の天井を突き破るように、天から一本の光が落ちてくる。 「えっ、待って! 今回は私、勝っただけで――」 雷光がエリを包んだ。 「いやあああああああっ!」 悲鳴が市場中に響き渡る。 超高電圧が彼女の体を貫き、銀髪が逆立つ。青い髪先が白い火花に飲まれ、衣服の隙間から光が漏れた。彼女の体はその場に立ったまま、芯から焼き切られるような苦痛に震える。 「や、やだ……っ、もう、慣れたくないよ……っ!」 観客たちは息を呑み、商人さえも口を閉ざした。 001は拘束されたまま、その光景を見ていた。 やがて雷が消える。 エリの体が崩れ落ちる。しかし、床へ倒れる寸前、その胸元に淡い青い光が生まれた。焼け焦げた衣服も、傷ついた皮膚も、呪いの力によって無理やり元へ戻されていく。 蘇生。 エリは石畳の上で小さく身を震わせ、しばらくして目を開けた。 「……いたい……」 001は沈黙していた。 「おい」 「なあに……?」 「なぜ、そんな目に遭ってまで笑える」 エリはよろめきながら立ち上がった。 「笑ってないよ。すごく痛いから、泣きそう」 実際、彼女の目には涙が浮かんでいた。それでも彼女は001を見て、弱々しく笑う。 「でも、あなたが無事ならよかった」 「俺はお前を倒そうとした」 「うん。でも今は倒れてないよ」 「お前は馬鹿なのか」 「よく言われる!」 001は長い沈黙の後、拘束されたまま首を横へ向けた。 「……解除しろ」 「もう喧嘩しない?」 「しない」 「本当に?」 「認識している。俺の敗北だ」 「じゃあ、はい!」 エリが指を鳴らすと、磁気拘束がほどけた。鉄骨と硬貨が床へ落ち、001はゆっくり立ち上がる。 市場には、壊れた屋台、焦げた配線、散乱した商品、へこんだ扉が残っていた。だが大規模な火災は起きておらず、客たちも恐る恐る戻り始めている。 エリは市場の商人たちへ頭を下げた。 「みんな、ごめんなさい! 壊れたものは私が直すね!」 「直せるのかよ!」 「電気と磁石なら得意だよ!」 彼女が両手を広げると、散らばった金属片が浮かび上がり、壊れた屋台や棚へ戻っていく。折れた看板が元の位置へ吸い寄せられ、外れた配線が自動的に束ねられていく。 完全な修復ではないが、少なくとも通路は再び歩けるようになった。 001はその様子を見ていた。 「南羽エリ」 「うん!」 「次に会った時は、誤解を解く」 「今じゃだめなの?」 「……今は、俺が負けを受け入れることで精一杯だ」 「そっか。じゃあ、次はお友達になろうね!」 「友達……」 「うん。よろしくね、バトルファイター001!」 エリが手を差し出す。 001はしばらくその手を見つめた後、ゆっくり握り返した。 「……よろしく」 市場のどこかで、誰かが小さく拍手をした。 それをきっかけに、観客たちからまばらな歓声が起こる。壊れた商品を拾う商人、騒ぎを面白がる客、次の賭けを相談する賞金稼ぎ。裏市場はすぐに元の喧騒を取り戻していった。 エリは痛みの残る胸元を押さえながら、001の隣を歩き出す。 「ねえ、001。市場の外でお話ししようよ」 「……また戦闘の続きではないだろうな」 「違うよ。仲良くなるためのお話!」 「その言葉を、今度は字面通りに受け取っていいのか?」 「もちろん!」 001は小さく息を吐いた。 そして二人は、壊れた屋台と焦げた配線を背に、裏市場の人波へ消えていった。