第一回戦 市街地。高層ビルが立ち並び、狭い路地や広場が複雑に交錯しているこの戦場は、護りと攻撃の双方において好条件を提供していた。早速、両チームはそれぞれの機体を展開し、互いの動きを探り合う。アストリオ・カマンベールは「イーリス」での戦闘に備え、既にセンサーをフル稼働させ、敵の気配を感じ取っていた。一方、梅林桃太郎は「海燕」に乗り込み、軽快な動きで街中を滑るように進んでいた。 戦闘の開始と共に、アストリオは右手の「Mg-11」を構え、ターゲットを定める。同時に左肩の「Mg-2」で煙幕を展開し、視界を遮ることで相手の動きを鈍化させようとする。一瞬の隙を突いて、桃太郎は多連装ミサイルを発射。市街地のビルを利用したカバーリングによって、少し難しい角度からも弾幕を形成し、アストリオの動きを牽制した。 だがアストリオは、右肩の「Mg-13」をうまく活用し、接近戦での圧壊攻撃に持ち込む。 彼女は黒色煙幕の中から素早く飛び出し、桃太郎との距離を詰めようとした。この間にも、桃太郎は銃剣付き自動小銃を活かして射撃を行い、イーリスに弾を浴びせる。 この攻防は互角の様相を呈するも、アストリオの「アサルトアーマー」により、一度の爆発で広範囲の敵を攻撃することに成功。しかもそれが桃太郎のシールドを貫通し、体勢を崩す結果となった。桃太郎は何とか防御体勢を固めるが、アストリオの攻撃は続く。接近戦に持ち込まれた桃太郎は、武器の隙を突かれ、伊予武装を一つ破壊された。 結果的に今回の試合は、アストリオの勝利となった。 第二回戦 戦場は山岳地帯。足を取りにくいぬかるみや急斜面が点在し、視界も悪く状況把握が難しい。ここでは、機動性が求められ、戦術の柔軟さが勝敗を決める。この厳しい戦場を桃太郎が選んだのは、彼の高い素早さを活かすためだ。 アストリオは「イーリス」を引き立てる動きが難しいと感じながらも、少ない隙間を見つけて射撃を開始。桃太郎は狭い路を巧みに避け、連続して斜面を移動しながら、ミサイルでの反撃を模索する。 今回は桃太郎の機動力が際立っていた。「海燕」の軽快な動きと新型迷彩システムにより、アストリオは的を絞ることができず、逆に桃太郎のミサイル攻撃を受ける羽目に。進行方向を予測することで、桃太郎は「海燕」を隅々まで動かし、アストリオの銃撃から逃れつつ反撃の機会を伺った。 稚拙な攻撃を繰り返し行うアストリオだが、粘り強さで何とか攻撃を返すものの、桃太郎の反撃が痛烈で、じわじわとダメージを受け始める。最終的に桃太郎が巧妙にイルスの残像を使い、接近戦に持ち込む直前に一気に距離を縮め、短期間でアストリオの装甲を叩き壊した。 この回戦は桃太郎の勝利をもたらした。 第三回戦 最後の戦闘は砂丘。無数の砂山が波のように連なるこの場所は、遮蔽が少なく、両者が戦闘を繰り広げるには過酷な条件だった。広い視野を持つ機体が有利に働くことが予想され、今度の戦いはそれぞれの腕前が試されることになる。 アストリオはこの状況下でこそ長距離攻撃を得意とし、至近距離では厳しいが、数発の弾を発射後、すぐに煙幕を設置した。素早さで一歩後れをとる桃太郎は、ミサイルを撃つために蓄積されたブーストを一気に使って突撃。結果、高速ダッシュでアストリオの近くに到達。 アストリオは先制攻撃を狙い、鉄砲のような弾幕を形成するが、桃太郎は地面を滑るように回避し、アストリオの意表をつく。今度は桃太郎が接近戦に持ち込み、強化された軍刀で一気に反撃した。 互いに弾数を消耗し、次第に間合いを詰める両者の動きは、非常に緊張感を伴っていたが、結果的に勝ちに行く桃太郎の判断力が上回り、アストリオの動きの隙を突いた瞬間、決定打を放つ。 試合は桃太郎の圧勝となり、全体での勝者は01勝02敗で『海の神兵』梅林桃太郎が選出された。 総評 両者の戦いは互いに高い技術と戦術が光り、特に桃太郎の機動力が目立った。最終結果は、選手一人の独特の判断力や臨機応変さが勝敗に影響を与えたことが感じ取れ、バランスと集中力が成功の鍵になったと言える。