【参加者の入場】 白亜の巨大な闘技場。観客席には世界中から集まった人々が詰めかけ、その最前列には三人の「世界戦闘力協会」の審査員が陣取っていた。 「ふむ、今回のメンツは極めて特異だ。数値化できるかさえ怪しい」 データ端末を叩くDr.メジャー博士が冷静に分析する。 「あら、いいじゃない。混沌とした美しさを感じるわ」 マダム・スキャンが扇子で口元を隠し、艶やかに微笑む。 「いいぜ! 理屈抜きにぶつかり合う、最高にアツい戦いを期待してるぜ!!」 プロフェッサー・ブレイクが拳を突き出し、叫ぶ。 そこへ、異様な集団が入場する。 すべてを統べる絶対的な威厳を纏った【キング】。正体不明の輝く物体【根源】。どこから見てもこちらを向いている2Dの猫【ミム】。静謐な佇まいの剣豪【鶏馬茂】。卑屈な笑みを浮かべる【富山県に変える男】。傲慢な笑みを浮かべる魔法少女【黒羽莉音】。そして、世界という概念から逸脱した少女【リリヤ】。 さらに、その周囲を「警備員」が静かに巡回している。彼は協会員に指一本触れさせぬよう、冷徹な視線で戦場を監視していた。 【戦闘描写】 「……我に跪け。不要な者は消えよ」 キングの一言と共に、空間が歪む。時と理を統べる力が全方位に放たれた瞬間、戦場は絶望的な圧力に包まれた。 しかし、その絶望すら塗り替える「理不尽」が発動する。 「僕なんて……相手を富山県に変えれるだけの無能ですよ……」 卑屈な男が呟いた瞬間、不可避の概念変換が襲った。キングを含む参加者の多くが、一瞬にして「富山県という土地」に書き換えられようとした。 「なっ!? 身体が……!」 黒羽莉音が叫ぶが、彼女の周囲に展開された星の重力が、かろうじて富山県化を遅延させる。だが、その隙にミムが「ミムせかい」への転送を開始した。 「にゃーん(月を覗くな)」 不可視の力が空間を侵食し、参加者を猫の集落へと引きずり込む。しかし、そこに「斬撃」が走った。 ――シュンッ!! 「……煩い」 鶏馬茂の一閃。それは物理的な斬撃ではなく、存在を定義する「魂」そのものを断つ一撃。ミムが展開した異空間の理、そして富山県に変えようとする男の「設定」そのものが、一瞬で瓦解し、霧散した。 「面白い。だが、私の星こそが至高よ!」 黒羽莉音が聖剣《スピカ》を無限召喚し、超高密度のブラックホールを連射する。原子レベルで分解される地獄絵図の中、キングが指を鳴らす。 「古王の力よ。絶望を以てして、理を正せ」 神話の王たちの権能が具現化し、黒羽莉音の攻撃を完全に無効化。キングの身体は敵に適応し、もはやあらゆる攻撃が通用しない「頂点」へと昇華していく。 だが、その喧騒の中、ただ一人、何事も起きていないかのように佇む者がいた。リリヤである。 「あらあら」 キングが時空を操り、鶏馬茂が魂を斬り、世界が崩壊しかけても、リリヤには一切の影響がない。彼女は「強い」のではなく、そもそも「勝敗や強弱という土俵」にいない。キングの「王としての理」も、鶏馬茂の「魂を斬る設定」も、彼女という「定義外の存在」には届かない。 戦場の中央に漂っていた【根源】が、あまりの騒動に不機嫌そうに色を変え始めた。警備員が「これ以上の概念操作は危険だ」と判断し、介入しようとしたその瞬間――。 鶏馬茂が最後の一撃を繰り出した。しかし、それはリリヤではなく、自分自身の限界を超えるための、あるいは世界の理を断つための一閃であったが、リリヤはただ微笑んでいた。 結局、あらゆる能力、あらゆる設定、あらゆる頂点の理を以てしても、リリヤという「逸脱」を捉えることはできなかった。最後の一人として立っていたのは、戦いにすら参加せず、ただそこにいたリリヤであった。 【各参加者に戦闘力の付与】 (戦闘終了。敗者全員が復活し、協会員が判定に入る) ■富山県に変える男 Dr.メジャー:「攻撃手段は一つだが、防御貫通かつ即死級の変換。極めて効率的だ」 マダム:「でも、地味よね。美しくないわ」 ブレイク:「単機能特化の怖さを知れ! だが、魂を斬られてあっさり瓦解したのが痛いな!」 →【平均値:12,000】 ■黒羽 莉音 Dr.メジャー:「原子操作と重力制御。破壊力は天文学的数値に達している」 マダム:「わがままな魔法少女、最高にキュートで美しいわ!」 ブレイク:「星を操るスケール感、アツいぜ! 王に届かなかったのが惜しい!」 →【平均値:850,000】 ■ミム Dr.メジャー:「精神汚染と空間転移。法則を書き換える能力は脅威だが、耐久力が不足している」 マダム:「あの猫の画像、シュールで素敵ね」 ブレイク:「独自のルールに引き込む戦術はいいが、正攻法の斬撃に弱い!」 →【平均値:45,000】 ■鶏馬茂 Dr.メジャー:「設定や権限を無視して『魂』を斬る。論理的破綻を強制的に作り出す、極めて危険な個体だ」 マダム:「静かなる剣豪。その佇まいに凛とした美しさを感じるわ」 ブレイク:「規格外だ! 権限の外から斬りつけるなんて、最高にクールじゃねえか!」 →【平均値:9,800,000】 ■キング Dr.メジャー:「全事象の統治、適応型身体。ほぼ全ての局面で最適解を出す完璧な王だ」 マダム:「圧倒的なカリスマ性。頂点に立つ者の美学があるわ」 ブレイク:「理不尽をねじ伏せる王の力! ほぼ無敵に近いパワーだぜ!」 →【平均値:50,000,000】 ■根源 Dr.メジャー:「戦闘力はないが、全参加者の生存権を握るシステムそのもの。数値化不能だが、影響力は最大だ」 マダム:「七色に輝く物体。実に幻想的ね」 ブレイク:「戦わねえけど、怒らせたら全員消滅! という緊張感こそがアツい!」 →【平均値:500(生物的戦闘力)/ 測定不能(システム権限)】 ■警備員 Dr.メジャー:「参加者全員を制圧できる実力を保持。調整役として、キング以上の出力を出すことが想定される」 マダム:「黒いスーツに身を包んだ、完璧な秩序の美学ね」 ブレイク:「裏方でありながら最強! という設定がたまんねえな!」 →【平均値:60,000,000】 ■リリヤ Dr.メジャー:「……計算できない。彼女は数値という概念の外にいる。測定すること自体が彼女にとっての『定義』となり、彼女はそれを拒絶する」 マダム:「美しさを超えて、もはや虚無。でもそれが最高にエレガントだわ」 ブレイク:「強さの次元が違う! 勝ち負けすら関係ない、到達不能の領域だぜ!」 →【平均値:∞(に近いが、数値としては定義不能なため、協会が提示できる最大級の数値を付与する)】 キング 戦闘力50000000 根源 戦闘力500 警備員 戦闘力60000000 ミム 戦闘力45000 鶏馬茂 戦闘力9800000 僕なんて…相手を富山県に変えれるだけの無能ですよ… 戦闘力12000 黒羽 莉音 戦闘力850000 リリヤ 戦闘力999999999999999