冷蔵庫のプリン争奪戦 冷蔵庫の扉が開くと、そこにはたった一つ、滑らかなカスタードプリンが鎮座していた。黄金色の表面が、仄かな光を反射している。ジギーザ・クロウ、ゴンズイ・サンズガワ、フランツ・ムッシュ、そして霊花の四人は、思わず息を飲んだ。機体から降りた彼らは、狭い休憩室で顔を突き合わせ、プリンを巡る議論を始めた。 「宇宙一の早撃ちを見せてやろうか? このプリンは俺のものだ。速さなら誰にも負けん。0.8秒でフォークを手に取って一口で平らげるぜ!」ジギーザがリボルバーを腰に差したまま、自信満々に胸を張った。彼の機体ハントサインの姿勢制御のように、素早い動きでプリンを狙う気満々だ。 「ふざけんな! 俺が! 俺こそが地獄の三丁目よ!! そんな甘いもん、俺のガンウィークの乱れ撃ちみたいに三丁持ちで一気に食らってやるぜ! 隠し腕でフォークを三本、胸から飛び出させてな!」ゴンズイが大声で反論し、拳を振り上げた。四脚の機体のように安定感のある彼は、プリンを独占する気で目を光らせている。 老練のフランツ・ムッシュは、インコのコウメちゃんを肩に乗せ、静かに煙草をふかした。「金持ちの考えることは理解できんな…。このプリンは、遠距離から狙いを定めてこそ味わい深い。俺のディアハンターのスナイパーで、一撃必中だ。コウメちゃん、狙えってマネしてみろよ。」コウメちゃんが「ピュン! 狙い撃ち!」と可愛らしく鳴くと、皆が少し和んだが、フランツは本気で推薦されていた。 「えと…あの…わ、私なんか…。領域を展開して、皆の欲を中和しちゃうのは…怖いです…。でも、プリンは優しい味がしそうで…私、怯えちゃうけど…相応しいのは、皆を支配できる人かも…。」霊花は和服の袖を握りしめ、震える声で言った。彼女の永冥星鏡の力で、プリンを自由自在に操れそうだが、性格上、自分を押し出すのは苦手だ。 ジギーザが即座に反論した。「支配? そんなもん、早撃ちでぶち抜くさ! ゴンズイ、お前みたいな乱暴者が食ったらプリンが台無しだぜ。」 ゴンズイが吼える。「何だと? 俺の三丁目射撃で、プリンを完璧に仕留めてやる! フランツのじいさんなんか、遠くから眺めてるだけで終わりだ!」 フランツが苦笑い。「若造ども、金持ちのコレクションみたいに、俺がじっくり味わうさ。霊花ちゃん、お前みたいな子が食べたら、領域で皆が満足するんじゃねえか? 認識を半減させて、誰も欲しくなくなっちまうよ。」コウメちゃんが「半減! 半減!」と囃し立てる。 霊花は首を振った。「り…りょう、領域展開なんて…言いたくないです…。えと、相応しいのは…速くて正確な人、かも…。ジギーザさん、皆を驚かせる早撃ちで、プリンを分け合えそう…。」 議論は白熱し、ジギーザの速さを推す声、ゴンズイの豪快さを笑う声、フランツの老練さをからかう声が飛び交った。だが、最終的に皆の視線がジギーザに集まった。早撃ちの伝説が、こんな甘い戦場でこそ輝くという理屈が、意外と皆を納得させたのだ。「まあ、0.7秒で食っちまえば、揉め事も終わりだな」とフランツが頷き、ゴンズイも渋々同意。霊花はほっと胸をなでおろした。 ジギーザはニヤリと笑い、フォークを手に取った。まるでファストドロウのように素早くプリンをすくい、一口で頬張る。滑らかなカスタードが口いっぱいに広がり、「ふむ、宇宙一の甘さだぜ。0.8秒で極上の味!」と満足げに感想を漏らした。 ゴンズイは悔しそうに拳を握り、「くそっ、地獄の三丁目が負けるとは…次は俺の番だぜ!」と唸った。フランツは肩をすくめ、「金持ちの趣味みたいだな。まあ、満足そうだ」とコウメちゃんに囁き、霊花は「よ、よかったです…私、怯えなくて済みました…」と安堵の笑みを浮かべた。