静まる戦場 冷たい風が吹き抜け、荒れた大地が静寂を保っていた。ここは、死と生が交錯する場所。近くにある岩の影から、二人の若者が静かに見つめ合っていた。片方は、呪生体《レイ》。彼の目は自信に満ち、仲間を思う強い意志がうかがえる。一方、東門寺 陽栄は、壊れたローブを身にまとい、禁忌の器を秘めた青年だった。 「お前がその器を使う理由は分かる。けど、俺には譲れないものがあるんだ!」レイが声を上げた。 「所詮は弱肉強食。殺られる前に殺るんだ。」陽栄は冷酷な笑みを浮かべた。 続く沈黙の後、両者は同時に動き出した。 開戦 レイは、光の如く速さを活かし、瞬時に陽栄の視界から消えた。そして、次の瞬間、彼の目の前に閃光が現れた。 「フェイントか!」と叫びながら、陽栄は自らの魔法を解放する。黒緑の雷撃が彼の手から放たれ、レイを狙い撃つ。しかし、レイはその一撃をかわし、光のゲートを使って反撃に転じた。 彼の体術は空気を貫き、陽栄の懐に入り込む。ペンギンのような動きで左右にステップし、陽栄の攻撃をことごとくかわし、隙を突いて強烈な一撃を見舞う。 「お前の動きは読めている!」陽栄が叫ぶ。闇の魔法がその体を包み、彼は次の攻撃に備えた。 激闘 攻防は続く。レイは瞬間移動のごとく動き回り、陽栄に向かって高速の光線を発射していく。一方、陽栄はそれに対抗するために、禁忌の魔法を使い始めた。黒い雷撃が彼の手から放たれ、周囲を焦がし、レイに向かって飛んでいく。 「無駄だ、私の不可解な影が守ってやる!」レイは心の影を呼び寄せる。影は彼を守りつつ、陽栄に向かって襲いかかる。 一瞬にして、先の読み合いが錯綜する。彼らは互いに傷を負いながらも、ダメージを交換し、決して手を緩めない。 倒れ込む二人 ついに二人は体力の限界に達し、同時に地面に倒れ込んだ。レイは息を荒げていた。顔の表情には疲労の色が見えるが、仲間を思う気持ちは未だ消えない。 「これが、俺の限界か。」陽栄も同様に、うつぶせの状態で苦悶の表情を浮かべている。同時に、彼は心の中で思った。亡き友、佐藤 桃愛への思いが彼を支えていた。 仲間が…! その瞬間、遠くから仲間の声が聞こえてきた。「レイ!陽栄!頑張れ!」と。駆けつけたのは、彼らの仲間、黒崎 響と天海 凛だった。 「お前たち、何をしている!早く立ち上がれ!」黒崎が叫ぶ。二人の声に応え、レイはゆっくりと立ち上がる。 彼の頭の中には、仲間たちと共に戦った過去がよみがえってくる。数年前、彼は偶然黒崎と出会い、共に数多の戦場を駆け抜けてきた。そして、今は天海 凛も仲間に。彼女は、レイを鼓舞し続けた。 一方、陽栄もまた過去を回想していた。彼は佐藤 桃愛との思い出を思い出す。彼女との数々の戦いと、その絆が今の自分を支えていると感じた。仲間と死んだ友の思いが彼を奮い立たせた。 思いを胸に 「俺は絶対にお前を止める!」レイの眼差しは再び鋭くなった。陽栄も負けていられない。彼は自らの意志をもって立ち上がり、禁忌の魔法を発動する。再び、戦場に光と闇が交錯する。 「来い、光の使い手。私はお前を消し去る!」 「お前の思いを全て受け止めてやる!」 決着 決戦は再開された。闇の雷撃と光のビームが衝突し、激しい音を立てる。仲間たちの応援が響き、彼らの心を強くしていた。 「レイ!大丈夫だ、私たちがいる!」響と凛の声が彼を背中から支えた。思い出の仲間たちを信じ、自分自身の力を信じる。 ついに、二人は最後の攻撃を放った。レイは光速移動で瞬時に陽栄の懐に飛び込み、強烈な光のビームを放つ。一方、陽栄は禁忌の魔法を全て解放する。黒緑の雷撃がレイに襲い掛かる。 その瞬間、二つの力が衝突した。そして、異なる次元のエネルギーが天空を震わせる。 「お前は、俺の思いを受け取れ!」レイの声が炸裂する。 「さよならだ。」陽栄の冷酷な声が響く。 光が闇を飲み込み、黒緑の闇が光となって消えた。戦場は静寂に包まれ、ただ一人だけが立っていた。 WINNER レイ