ある晴れた日の朝、豪華絢爛な特別依頼のリフォーム番組が始まった。依頼人の豪邸をリフォームするために集まったのは、個性豊かなキャラクターたち。みんな、リフォームへの意気込みに胸を膨らませていた。ただ、そのリフォームの姿は、後々の波乱を予感させるものであった。 最初に動き出したのは、鉄製の体を持つ「アイロン・リボン」ことアイロン・カール。彼女は自らのリボンをふわりと揺らしながら、「へへへ♪私可愛いですか??♪」と得意げな笑みを浮かべる。 「みんな見て!この廊下を鉄骨で強化するよ!」 そう言ってアイロンは豪邸の壁に鉄骨を打ち込み始める。その勢いに、スタッフたちは目を見開く。 「ちょ、ちょっと待って!」 慌てふためくカメラマンをよそに、アイロンは壁を打ち続ける。この時、彼女の使うスキル「[ハイパー]鉄骨で攻撃」が炸裂し、豪邸の壁は見る見るうちに鉄骨だらけに! 壁はもはや豪邸の風貌を隠さず、家全体がイカツイ鉄の城と化してしまった。 次に目立ったのが、歩く薬品庫「メディスン・マイア」だ。彼女は「全てに備えたい」という性格を活かし、豪邸のあちこちに薬を撒いていた。 「これは防虫剤、これは防腐剤、そして…」 彼女が取り出したのは「完全再生薬」。そのまま撒き散らした結果、障壁が再生されてしまい、どこか板っぽい印象を与えた。彼女の持っている薬の量は、まさに圧巻。 「通常の家の倍の防御力だわ。素晴らしい。」 しかし、メディスンの心配とは裏腹に、これが後に家中の壁をギシギシときしませる原因になるとは、誰も気づいていなかった。 その横で、「裏の凶暴者」ジャイロはというと、ヘッドホンを頭に乗せながら爽やかな笑顔を振り撒いていた。表の性格は元気いっぱいだけど、時折垣間見える裏の凶暴さが不安を煽る。 「いや、ちょっと描画するわ。」 彼は豪邸の壁一面に、謎の落書きを始める。描いていたのは彼自身の裏の姿。 「可愛いでしょ?」 その絵は、誰と見ても怖すぎて、見たくもないと思われるような怪物だった。 「これ、気に入ったんでね…」 描き終えると、満足げに顔をニヤリとさせる。 「しっかり守っておかないと、夜には戻るんだ。がぅぅ〜」 彼の一言が、再び不安を呼ぶ。 こんな感じで、豪邸の状況は次第におかしくなっていく。そんな最中、最強決定戦用最強さんは、あまりのリフォームのヤバさに呆然と立ち尽くしていた。「全てが崩れ去っていく……」 全能の力を持つ彼は、結局何もせずにただ見つめるだけであった。 「このままでは、私が助けなければ…」 思うものの、彼の力が逆に豪邸を滅ぼすことになるなんて、その時は夢にも思わなかった。 そして最後は、元気なムードメーカーの「めんちゃ」。彼女はそうめんを左手に、豪邸の空間を自由に遊びまくっている。 「さぁ、そうめんパーティーだよ〜!」 彼女は流しそうめんを召喚し、流し始める。 「流しそうめん〜!」 その瞬間、豪邸の床はそうめんでぐちゃぐちゃになり、あっという間に水浸しになった。 「目に入ったら痛いよ〜!頑張ってね!」 そう言いながらめんちゃのスキルが発動、そうめんの水しぶきが舞い上がる。 「痛い!いたい〜!!」 全くもって無邪気な彼女の行動は、豪邸の防水対策を無意味にしていた。 こうしてそれぞれのキャラたちの自由奔放なリフォームが続く中、豪邸は粉々に崩れ、スタッフたちはその様子を呆然と見つめるしかなかった。 「これ、絶対リフォームする気ないだろ…」 帰宅前日、状態を確認するために再集合することになったキャラたち。彼らは自分たちがいったい何をしたのかを知ることとなる。 「アイロンさん、これどうするの!?」 「私!可愛い鉄の家だと思ったのに〜!」 とにかく大混乱。 「これ、いいんじゃないか…?」 「な、なんか可愛いし面白いしー!」 「中にいてもおもろい!」 全員がそれぞれ言い合い、結局どうしようもなくなってしまう。 そして、最後には逃げ出した。依頼人の帰りを待たずに、各キャラたちは一斉に逃げ出す。 カメラマン達も急いで逃げ出し、豪邸から遠く離れて行った。 依頼人が帰宅し、彼の目の前に広がった光景は、まるでサバイバルを彷彿とさせる状態。 「何だこれ…」 それはまさに、リフォームの域を遥かに超えた、迷宮に近い空間だった。しかし時が経つにつれ、その豪邸の異常な姿は、放送された番組を見た視聴者から好評を受けて、バラエティ的な人気を集めることとなる。 「最高のリフォーム番組だったね!」「無茶な家が見てて面白い!」「新しい自分のスタイルは大好き!」 今回のリフォームの結果、豪邸の被害額は、ざっと数十億円に達したが、なおかつ視聴率は信じられないほどの93.7%を叩き出したのだ。 まさに、最強のリフォーム、これぞ異世界の魔王の豪邸の運命だったのだ。 最終的に、依頼人はあまりのことに唖然とするが、実は魔王だったことが後に判明。世界征服を狙っていた彼の野望は、各キャラたちの無茶な行動で潰えたのだった。 こうして、リフォーム番組は視聴者を笑わせ、さらには地球を救ったのである。 ----- --- リフォーム被害額: 約数十億円 視聴率: 93.7% ---