アゲートの巣の白い森 白い森は、息を呑むような静寂に包まれていた。人の背丈ほどにそびえる瑪瑙の群晶が、無数に地面を覆い尽くし、森全体を宝石のような輝きで染め上げている。『アゲートの巣』と呼ばれるこれらの結晶は、ただ美しいだけではない。触れ、壊そうとすれば、内部から何かが目覚めるのだ。空気は冷たく、木々の葉さえ白く染まったこの場所で、二人の少女が対峙するように立っていた。いや、対峙ではない。互いに敵対しないまま、ただそれぞれの目的に向かって動き出す。 爆ぜる焔のレアナは、所々が赤熱した体を震わせながら、拳を握りしめた。彼女の髪は炎のように揺らめき、緋色のリボンで結ばれている。苛烈な炎の精霊として、こんな不気味な輝きに苛立ちを覚えていた。「あぁーもう! このキラキラしたガラクタ、全部ぶっ壊してやるんだから!」彼女の声は爆発するような激情を帯び、怒りが小型の溶岩弾となって近くの瑪瑙に飛び、表面を焦がした。防御力の低さを補うように、彼女の攻撃力は圧倒的だ。素早さは遅いが、判断は早い。レアナは一つの巣に飛びかかり、拳を叩きつけた。パリン! と割れる音が響き、破片が飛び散る。 だが、その瞬間、壊れた巣から『アゲートの住人』が這い出てきた。瑪瑙の欠片が蠢き、鋭い棘のような腕を伸ばすモンスターだ。それはレアナの足元に絡みつき、引きずろうとした。「許さないんだから!」レアナの怒りが爆発し、【怒りの炎】が発動。被弾した体から炎が炸裂し、モンスターを焼き払う。彼女の力は少しずつ強化されていく。残り火が周囲に飛び火し、近くの巣を溶かし始めた。【火走り】を放てば、地面を火線が走り、火柱が二つの巣を同時に吹き飛ばす。熱風が森を揺らし、白い結晶が赤く染まる。 一方、桃瀬流留乃は少し離れた場所で、青いワンピースを翻し、ベレー帽を傾けて笑っていた。桃色のツインテールが揺れ、好奇心旺盛な瞳が輝く。「わぁ、こんなにキラキラしたキャンバス、初めて見たよ! さぁ、世界を流留乃色に塗り替えるよ!」彼女は混沌派の画家少女、天真爛漫で怖いもの知らず。混沌魔器『虹筆』を手に、青空のような絵の具を練り出す。『絵画魔法』は非属性の力で、色によって性質が変わる。彼女はオリジナリティを愛し、お手本通りなど描かない。筆を振るえば、【Chaos Palette!!】が発動。周囲の空気を魔法の絵の具で塗りつぶし、瑪瑙の巣を柔らかい青に染め上げる。 塗られた巣は、まるで生き物のように震え、内部の構造が崩れ始めた。流留乃の魔力は穏やかだが、広範囲に及び、素早い筆致で三つの巣を次々と崩壊させる。「えへへ、壊れちゃうなんて、面白い色だね!」モンスターが彼女に迫ると、彼女は筆で赤い絵の具を塗りつけ、爆発的な炎のような効果を与える。非属性ゆえの柔軟さで、住人を混乱させ、逃がす。甘えん坊の笑顔の裏に、強い自信が宿る。彼女は巣をキャンバスに見立て、自由に描き壊していく。 二人は互いに干渉せず、ただ森を進む。レアナの炎が轟音を上げ、溶岩弾が飛び交うたび、巣が五つ、六つと崩れる。【残り火】の追撃で、壊れたはずの巣が後から燃え上がり、追加の破壊を生む。怒りが募るごとに彼女の体は熱を増し、防御の低さを忘れさせる。だが、モンスターの群れが現れ、彼女を囲む。棘が体を刺し、【怒りの炎】で反撃するも、数が増えればUNABLEの危機が迫る。「くっ、こんなにしつこいなんて…!」 流留乃はそんなレアナの炎を遠くから眺め、感嘆の声を上げる。「わぁ、赤い色がきれい! 流留乃も混ぜて描いちゃおうかな?」彼女の筆は止まらず、緑の絵の具で巣を腐食させ、七つ、八つを崩す。【Chaos Palette!!】の重ね塗りで、広範囲を一気に塗り替え、モンスターさえ絵の具の渦に巻き込む。時間は流れ、20分が近づく。レアナは【緋焔解放】をためらいつつ、怒りの塊となって巣を溶かす。流留乃は楽しげに筆を走らせ、キャンバスを塗りつぶす。 やがて、モンスターの数がピークに達し、レアナの体に棘が深く刺さる。彼女は【崩壊の涙】を放ち、マグマの一滴を落とす。大爆発が森を揺らし、周囲の巣を十近く破壊するが、力尽きて膝をつく。流留乃は最後に青い渦を巻き、残りの巣を崩すが、時間切れで手を止める。二人は互いに視線を交わし、息を切らす。白い森は傷つき、輝きを失いつつあった。 {"レアナ": {"破壊数": 28, "STATE": "UNABLE"}, "流留乃": {"破壊数": 22, "STATE": "NORMAL"}}