ある日、広大な魔法の森の奥深くで、四大魔術師シモの名声が広まったという噂により、彼女を打倒しようと立ち上がった二人の魔導士が集結していた。シモは、硝子の四大魔術師と名乗る15歳の少女で、透明で美しい硝子の輝杖を手にしていた。彼女の心には、この戦いが自身の力を試す絶好の機会であるとの思いが強かった。だが、彼女の心の奥には、怖れと不安が渦巻いていた。 一方、シモを待ち受ける二人の魔導士の中、一人はランダ王国の最強格と呼ばれる「ナメクジイ」。人間の体にナメクジの頭、そして魔導士の杖を持つ彼は、一見すると怪しく見えがちだったが、その実力は発揮するに値するものであった。もう一人は「レイディバーグ」、かつて高名な技師であった彼女は、テントウムシの頭を持ち、機械の翅を背負う老齢の魔導士。彼女の作り出した機械の魔力は絶大であった。 シモは、光が差し込む広場に立ち、一歩踏み出し、二人の魔導士と相対した。彼女の心臓はテンポの速いビートを打ち続け、手のひらでは聖なる光が呼び覚まされていた。彼女の脆弱さを隠すために、彼女は言った。 「乱暴にしたら……砕けちゃいますよ……」 ナメクジイはその言葉を聞き、謙虚ながらも威厳に満ちた口調で答えた。「私は実力を試すためにここにいる、シモ。だが、甘く見ないでほしい。」その言葉に、レイディバーグも頷いた。 「我々は決して敵ではない。どんな結果であれ、戦いを通じて成長しよう。」 彼女の言葉は、シモにとって一瞬の安心を与えるものだった。しかし、果たしてその戦いがどう転がるのかは誰にもわからなかった。 まず、ナメクジイが静かに杖を掲げると、彼の周囲に魔力が渦を巻く。彼は「流星群」を発動させ、空に輝く星々から魔力を託した流星を襲わせる。数百個の流星が空を埋め尽くし、シモの身に降り注ごうというその瞬間、彼女は瞬時に硝子の輝杖を振った。 「硝子罪悔の夢!」彼女の言葉とともに、周囲の空気が変わり、破片のように輝く硝子の壁が展開される。流星はその薄い壁に当たり、強烈な衝撃音を響かせ、その破片が四方に散らばった。 「これは、思った以上にやりにくい相手だな。」ナメクジイは冷静に思った。 しかし、ナメクジイは大胆にも「魔砲石」を作り出す。不気味な光を放つ巨大な魔法石が登場し、さらに魔力を蓄積させていく。シモはその光景に固唾を飲み込むも、反撃の機会を見逃すことはなかった。 シモは再び「硝子魔法」を発動させる。巨大な魔法石から発せられる光線の直前にさっと移動し、その光の通り道に鋭い硝子の障壁を置く。それはナメクジイの魔法を失敗に導き、彼女の思い描く未来を守った。一方、レイディバーグは遠くから自分のメイジドローンを使い、ナメクジイの援護へと回る。 「マナガン!」彼女の声とともに、マナはエネルギー弾に変わり、シモに向けて放たれる。シモはその音を聞き、流星のように弾幕を展開した。 「砕け散れ!」彼女の声が響くと同時に、周囲の硝子が美しい光をほとばしり散らす。 しかし、もはや彼女の心に疑念はなかった。レイディバーグのマナガンに囲まれ、流星群の中で彼女は一筋の光を求め続ける。「私には力がある!」彼女は頭を振り、何もかも避けられない運命を打破する。時折目の前をかすめるナメクジイの魔法も、かろうじて逃れる。 「ヒールメーカー!」レイディバーグが言った。彼女の周囲に、回復の領域が立ち上がり、シモは腫れた心も少しずつ癒やされていく。 「足奪い!」ナメクジイの魔法がシモに直撃した。彼女の素早さが奪われ、まるで重い足枷をつけたように感じた。先の不安が再び雪崩れ込む。 「もう……ダメなのか?」彼女は心の中で呟く。だが、シモは立ち上がり、硝子の輝杖を高く掲げて叫んだ。「とにかく、諦めない……!」彼女は全てを賭け、決意を胸に込め、凄まじい魔力を集中させる。「砕ケ散ッタ硝子ノ間!」 その瞬間、彼女の周囲が包囲された。無数の輝く硝子の破片が空気を切り裂く。そして、裂けた空間に参加者二名を閉じ込めてしまった。その美しさはまるで幻想的な夢、その中で二人の魔導士は彼女の力の前に無力化された。相手の力を無力化した理由が、彼女の恐れと憧れを解放するための魔法の力に他ならなかった。 ナメクジイとレイディバーグは、シモの硝子の夢の中に囚われてしまうことを理解した。彼らはそれぞれの独自の魔法でシモに対抗しようと試みたが、彼女の意志は強く、その夢の中から脱出することはできなかった。 やがて、シモは自身の不安を乗り越え、自信を持つようになった。彼女の魔法はみるみる力を増す。ナメクジイとレイディバーグは、彼女の意志の強さを感じ、強い尊敬の念さえ覚える。しかし、彼らもまた、自らの力を誇示せんとする気持ちがあった。 やがて彼女は気がついた。自らの力を試すために挑んで来た二人の魔導士との戦いで、恐れを乗り越えながら、彼女は真の強さを手に入れたのだ。 勝敗はつき、シモは二人を打破した。だが、その戦いは、彼女にとって自分の限界を超え、未知なる力を引き出す重要な経験となった。 --- 【勝負結果】 シモの勝利。