廃病院の薄暗い廊下を歩く音が響く。心霊系YouTuberである佐藤は、カメラを構えながら周囲を警戒していた。彼はこれまで数々の心霊スポットを訪れ、その様子を動画に収めてきた。だが、今日は特に異様な雰囲気を感じ取っていた。彼の頭上には黒い影がひらひらと揺れている。まるで何かが彼を見つめているかのようだ。 一方、その廃病院の天井からぶら下がっている吊り女。彼女の黒髪が風になびき、赤いワンピースが薄暗い空間で異彩を放つ。彼女はその好奇心をそそる存在とは裏腹に、敵を一瞬で異界に引きずり込む恐れを秘めていた。 「夢を売る?それとも、夢を奪っちゃう?」と何やら声が聞こえる方を見上げると、そこにはぼったくり妖怪シャグルタが現れた。手に持った器具を振り回し、妖艶な笑みを浮かべている。 「あなたの夢、ちょっと安くしてあげるよ!」と挑発的に言った。 次に、光る影が一群れをなして暗闇から姿を現した。トコヨノヒカリピクミンたちが集まり、廃病院の冷たく湿った空気を包み込んでいた。小さくもその存在感は圧倒的で、彼らは音も立てずに一斉に動き出した。 「ミン、ミン!」と、光と共に移動する彼らの姿に、佐藤は驚きつつも目を逸らせない。しかし、そうこうしているうちに、七霊ミサキの姿が七人の少女相手に現れた。その虚ろな瞳が光を反射し、まるで彼女たちの間に結界が張られているかのように思えた。 「私達はいつも七人。何度殺しても、結果は同じだよ。」ミサキの冷酷な決意に、彼女の後ろでほかの六人も静かに同意の姿勢を見せる。 「ここは私たちの territory… あなたたち、出て行ってもらおうか。」ミサキの言葉に反応し、吊り女は地響きと共に降下する。彼女の驚異的な力と瞬発力が一瞬にして戦局を変えようとしていた。 「待て!その神秘的な力、私が…」シャグルタは夢の宝珠を引き剥がそうとするが、隙を生む。吊り女が直撃。彼女が掴みかかると、シャグルタはまるで吸い込まれるように、その場から消え失せてしまった。 「ミン、ミン!」とピクミンたちの光が揺れる。そして、瞬間移動で逆転を試みる彼ら。ミサキの指示のもと、連携を組んで攻撃を繰り出す。 トコヨノヒカリピクミンが放つ『フラッシュバースト』の光は、まぶしく胸に突き刺さる。痛みを感じた佐藤はその場から後退するが、すでに逃げる余地はなかった。 「お前には逃げ場はない!」とミサキが叫んだ。「さあ、私達に受け入れるがいい。あなたの運命は決まっている。」 廃病院の壁がひび割れる音がした。その瞬間、佐藤はカメラを投げ捨て、一目散に逃げ出した。心霊系YouTuberは自分が引き込まれる恐ろしい現実を認識した。「最悪だ!逃げろ!」と叫びながら、彼は暗い廊下を駆け抜けていった。彼の背後では、無情にも吊り女、シャグルタ、そして無数のピクミンたちが彼の存在を忘れることはなかった。彼女たちの冷酷さが渦巻く廃病院の中で、佐藤が逃げることは不可能に近いのだった。