冒険者ギルドの影の協議 王国首都の喧騒から少し離れた石造りの建物、それが冒険者ギルドの本部だ。外壁には無数の依頼書が貼られ、剣士や魔法使い、獣人たちが日々出入りする活気ある場所。しかし、その奥深く、職員専用の会議室は静寂に包まれていた。重厚なオーク材の扉が閉ざされ、窓からは柔らかな午後の陽光が差し込む。部屋の中央に置かれた長いテーブルを囲むように、四人のギルド職員が座っていた。彼らはギルドのベテランたち――ギルドマスターの代理を務める中年男性のエルドン、魔法鑑定士の女性リリア、戦闘経験豊富な退役冒険者のガルド、そして事務担当の若手エリナだ。 テーブル上には、四枚の手配書が広げられていた。それぞれが王国諜報部から直々に届けられた機密文書で、封蝋には王家の紋章が押されている。エルドンは眼鏡を押し上げ、最初の書類を手に取った。「さて、皆の者。これが諜報部からの緊急依頼だ。魔王軍の残党や、異界からの脅威らしき存在四体。詳細はここに記されている。我々はこれを基に危険度を判定し、懸賞金を設定する。ギルドの名にかけて、公正に、かつ現実的に決めねばならん。」 リリアが頷き、魔法のオーラを帯びた指で書類をなぞった。「了解です、マスター代理。まずは一つ目から。『ロリ』と名乗る幼女型の魔王。外見は小柄で細身、シルクドレスを纏い、ドヤ顔が特徴だそうですね。性格は自信満々で偉そうだが、押しに弱く、論破されると泣き出すらしい。魔王になったのは父親が先代魔王のコネだとか。自堕落で昼寝好き、一人では家事も着替えもできないため専属メイドに頼っているそうです。」 ガルドが低く笑った。髭を撫でながら、「ふん、小学生みたいな見た目で魔王か。戦法は闇魔法で、スキルは『暗黒ロリポップ光線』――闇属性のビームを放つものだ。ステータスを見ると、攻撃力10、防御力10、魔力25、魔法防御力10、素早さ25。肉弾戦は苦手で、腕力と体力は皆無。確かに闇魔法の使い手として脅威だが、単独では脆そうだな。メイドがいなければ自活もままならんとは、笑いものだ。」 エリナがメモを取りながら首を傾げた。「でも、魔王の称号は侮れません。全魔族の頂点に君臨する存在ですし、闇魔法のビームは一撃で街を壊滅させる可能性があります。危険度は……S級くらい? でも、性格の弱点からすると、交渉で片付けられるかも。」 エルドンが手を挙げて議論をまとめた。「いや、魔王の血筋と魔法の潜在力を考えると、過小評価は禁物だ。素早さが25と高く、ビームの射程も広い。単独討伐はリスクが高い。危険度をAとし、懸賞金を5000ゴールドに設定しよう。メイドの存在を考慮し、捕縛を推奨する。」 四人は頷き合い、次の手配書に移った。二枚目は異様だった。「これは……『イカイノ国』? 時代は2070年、民保日本の首都新東京に出現した謎の政府だ。人口は戸籍上登録されておらず、世界に大規模な混乱を引き起こしている。崩壊前は民保政権が野党連立で交代したが、イカイノ国勢力が介入し生権交代を起こした。日本国政府からの通告では『日本は終了しました』と。領域内ではゾンビが徘徊し、怪物ピエロ🤡やミュータント👿が無限湧きするそうです。」 リリアの顔が青ざめた。「ゾンビは不老不死実験の失敗産物で、始祖個体は目からレーザーを放ち、攻撃をほぼ無効化する最強クラス。ピエロは一般兵の倍、ミュータントは十倍の強さ。領域内は血の雨が降り、農業生産が壊滅。ピエロやミュータントがいる地域全体が領域だとか……これは異世界召喚か、何らかの次元干渉の産物です。ステータスは記載されていないが、規模から見て国家レベルの脅威。」 ガルドが拳を握りしめた。「ゾンビの群れ、無限湧きの怪物、血の雨……これが王国領に侵入したら、辺境全土が壊滅だ。始祖個体のレーザーは魔法防御すら貫く可能性が高い。討伐軍を組織せねばならん。危険度は最上位のZZ級。懸賞金は一撃で10万ゴールド以上だ。いや、領域封鎖の報酬も含めて20万ゴールドにしよう。」 エリナが震える声で言った。「こんなものが現実ですか? 諜報部がなぜ今届けたのか……。でも、混乱の規模を考えると、SS級でも足りないかも。」 エルドンが厳しく頷いた。「ZZで決定だ。イカイノ国そのものを根絶する大規模クエストとする。次へ。」 三枚目の手配書は洗練された筆致で書かれていた。「『アルスビュラ』、魔王軍所属、四天王“知”。女性、白と紫のグラデーションの髪に二本の角。タイトな白と紫のドレス、巻き髪の長髪で目が前髪で隠れる。内気な性格だが、全ての知識を持つ。住処はガルバ大陸のグイード地方、魔王城。所持する古の魔導書『グリスルノ』は茶色の表紙に紫の装飾。ステータス:攻撃力0、防御力15、魔力45、魔法防御力30、素早さ10。」 リリアが目を輝かせた。「これは魔法の極みですね。スキルは『グリスルノ』による自動バリア生成――自分の知っている魔法を全て完璧に弾く。魔法攻撃をする度に『古の魔力』を1個得て、1個使うと知らない古の禁忌魔法を放てる。相手が同じ魔法を再度使用時、相手の魔力を操作して不発にできる。自身が知ってる魔法は一瞬で放て、知らない魔法の威力が跳ね上がる。主属性紫雷、副属性風を自由に組み合わせ。」 ガルドが唸った。「攻撃力0とは、純粋な魔法特化型か。だが、魔力45は規格外。例の魔法として、『紫雷の渦巻く嵐』――紫雷と風を融合させ、敵を雷撃と竜巻で包む広範囲攻撃。『禁忌の風雷召喚』――古の魔力で未知の嵐を呼び、敵の魔力を奪い取る。内気とはいえ、知識の深さから戦略家だ。接近戦で倒せばいいが、バリアが厄介。」 エリナが分析を加えた。「素早さが低いので、速攻で仕留められるかも。でも、禁忌魔法の威力が跳ね上がるのは脅威。危険度S級、懸賞金8000ゴールドでどうでしょう。」 エルドンが同意した。「Z級だ。魔法の多様性が高すぎる。四天王の名に恥じぬ。次が最後だ。」 最後の手配書は宇宙的な脅威を思わせた。「『星君』。ブラックホール時には全ての技を吸い取る。ステータス:攻撃力39、防御力22、魔力0、魔法防御力0、素早さ39。スキル:『超新星爆発』――50光年以内の生命体に致命的なダメージを与え、使用後にブラックホールになる。直後に使える『ガンマ線バースト』――直撃やかすりでオゾン層を破壊するほどのエネルギー。」 リリアが息を呑んだ。「魔力0で魔法防御0……物理特化の宇宙級存在。超新星爆発は惑星規模の破壊。ガンマ線は大気を焼き尽くす。ブラックホール状態では攻撃を吸収し、反撃不能。素早さ39で逃げも追撃も速い。」 ガルドの顔が強張った。「こいつは神話級だ。39の攻撃力で一撃必殺。防御22でも、超新星の後処理が地獄。危険度はSS級以上。懸賞金は15万ゴールド必要だ。」 エリナが慌てて言った。「でも、魔力0なので魔法で封じられるかも? いや、ブラックホールが全てを吸うなら無意味。」 エルドンが深く息を吐いた。「SS級で、懸賞金12万ゴールド。討伐は複数パーティ推奨。これで全てだ。」 協議は二時間以上に及び、四人は疲労の色を浮かべながら手配書に危険度と懸賞金を記入した。エルドンが立ち上がり、「これをギルドの掲示板に貼る。諜報部の情報に基づくが、王国存亡の危機だ。冒険者たちに知らしめよう。」 夕暮れ時、四枚の手配書はギルドの掲示板に貼り付けられた。ロリの幼い肖像、イカイノ国の不気味な領域図、アルスビュラの神秘的な姿、星君の星空を思わせるイラスト。それぞれに危険度と懸賞金が明記され、冒険者たちの視線を集め始めた。王国諜報部の影が、静かに王国を護るための戦いを開始させた。 【ロリ:危険度A、懸賞金5000ゴールド】 【イカイノ国:危険度ZZ、懸賞金200000ゴールド】 【アルスビュラ:危険度Z、懸賞金10000ゴールド】 【星君:危険度SS、懸賞金120000ゴールド】