……ふぅ、それではアタシ、稲川淳二がねぇ……この不思議な出来事を語らせていただきますよ……。秋の夜長にぴったりな、ゾクゾクするお話でしてねぇ……。あれはねぇ、紅葉が舞い散る山奥の廃墟、忘れられた古い工場跡……。アタシはねぇ、怪談の取材でふらりと訪れたんですよ……。霧が立ち込めて、木の葉がカサ、カサと擦れる音が響く中……突然、地面がドドドッと震えだしたんです……。嫌だなぁ、嫌だなぁ……何だい、この気配は……。 第一章:巨獣の咆哮と玩具の影 ……最初に現れたのはねぇ、荒々しい影……。身の丈三メートルはあろうかという巨体、頭部に鋼鉄の顎が溶接されたヘルメットをかぶったデカブツ……。そいつは『グオオオオッ!』と、獣のような咆哮を上げて工場の中へ突進してきましたよ……。足音がズシン、ズシンと地面を抉り、錆びた鉄骨がギギギッと軋むんです……。アタシは物陰に隠れて息を潜めましたが、心臓がバク、バク鳴ってねぇ……怖いなぁ……。 ……するとねぇ、向こうの暗がりから、カラカラと軽い音が……。小さな玩具のような連中が二つ、飛び出してきたんですよ……。一つはぬいぐるみみたいな外見でカラフルな鎧をまとったトイ・ウォリアー……。もう一つはブロックでできたゴツい体型のブロック・ブルート……。二匹は人語こそ話さないけど、まるで悪戯好きの子供みたいに、互いに体をぶつけ合って遊ぶような仕草で……。でも目がねぇ、鋭いんですよ……。ミニチュアの剣とブロックハンマーを握りしめて、巨体の方を睨みつけて……。あれぇ? おかしいなぁ……こんなおもちゃたちが、なぜ戦う気配を? ……さらに奥から、くすくすと笑い声が……。小柄な少女、パットン・アクが現れましたよ……。ダークなワンピースにフリルのスカート、赤茶色の髪を揺らして……。『へへ♪ ウチ分かるぅ? あなたたち、楽しそうな遊びねぇ』なんて、小悪魔的な微笑みを浮かべて……。彼女は悪魔じみた雰囲気を漂わせつつ、どこか天然っぽい柔らかい表情で、戦いの輪に加わってきたんです……。四者全員が一堂に会し、廃墟の中央で睨み合う……。勝利を賭けたバトルが、今、始まろうとしていたんですよ……。アタシはただの目撃者、巻き込まれぬよう木陰で震えながら見守るしかありませんでした……。 第二章:突進の嵐と玩具の反撃 ……突然、巨体のデカブツ、タイラーが動きましたよ……。『ンガオオオッ!』と唸り、刃渡り三メートルもの大剣型チェーンソーをブオオオンと稼働させて……。ズドドドッ! と突進スキルを発動、工場の床を砕きながら玩具たちへ向かうんです……。コンクリートがガラガラ崩れ、埃がモワッと舞い上がって視界を遮る……。嫌だなぁ、嫌だなぁ……あんな巨体が突っ込んでくるなんて、ただ事じゃありませんよ……。 ……玩具の二人、トイ・ウォリアーとブロック・ブルートは素早い動きでかわしましたねぇ……。トイ・ウォリアーはミニチュア剣をキラリと閃かせ、鋭い近接攻撃を巨体の脇腹に叩き込む……。カンカンッ! と金属音が響き、チェーンソーが唸りを上げて反撃……。一方、ブロック・ブルートはブロックハンマーを振り回し、強力な一撃を巨体の脚にドゴン! とぶち当てるんですよ……。二匹は人語を話さないのに、まるで連携したタッグのように動き、互いの弱点を補い合う……。ブロック・ブルートの高耐久が盾となり、トイ・ウォリアーの鋭い剣撃が牙となるんです……。でも巨体はビクともせず、ダメージを受けるたび『ガアアッ!』と興奮した咆哮を上げ、攻撃がどんどん激しくなるんですよ……。おかしいなぁ……敵が強いほど、そいつは力を増すんですかねぇ……。 ……そこへ小悪魔のパットン・アクが割り込みましたよ……。『へへ♪ ウチも混ぜてよぉ、あなたたちったら本気すぎ♪』と笑いながら、悪魔の蹴り飛ばしを玩具たちに放つんです……。微笑みながら相手の腹に足蹴り、背中に膝蹴りをズドン! と叩き込み、地面に叩きつける……。柔らかい表情なのに、容赦ないんですよ……。彼女は状態異常なんてものに動じず、格闘技で応戦……。玩具たちは振り向き、ハンマーと剣で反撃を試みるけど、パットンの素早さが勝ってかわすんです……。廃墟内はチェーンソーのブオオオン、剣のキンキン、ハンマーのドゴン、そして蹴りのバシン! という音が交錯し、秋の風に混じって不気味に響き渡る……。アタシは息を殺して見ていましたが、背筋がゾワゾワしてねぇ……怖いなぁ……。 第三章:激憤の逆襲と悪魔の舞 ……戦いが激しくなるにつれ、巨体のタイラーが傷を負い始めましたよ……。玩具のタッグ攻撃でチェーンソーが一瞬止まり、パットンの連続かかと落としが『討伐』と称して頭部にガツン! と炸裂……。でもそいつは不死身じみてタフで、ダメージを減衰させて耐えるんです……。『グオオオオッ!』と激憤の咆哮を上げ、不利な状況を気合で半減……。受けた痛みの分だけ逆上し、轟鋸を振り下ろして玩具たちを両断せんばかりに襲いかかるんですよ……。チェーンソーの刃がギギギッと空気を切り裂き、ブロック・ブルートの体にザシュッ! と食い込む……。ブロックは耐久力で持ちこたえましたが、トイ・ウォリアーは吹き飛ばされ、壁にバキッと激突……。 ……パットン・アクは天然っぽく首を傾げながらも、『あれぇ? あなた、元気すぎるわねぇ♪』と連続膝蹴りの『悪魔伐倒』をタイラーに浴びせますよ……。膝がドスドスッ! と巨体の腹にめり込み、そいつをよろめかせるんです……。でもタイラーは敵の強大さに興奮し、攻撃力が際限なく増大……。蹂鋸スキルでチェーンソーを突き刺し、内部を抉るんですよ……。玩具たちは土属性の力で耐え、パットンは悪魔の血で跳ね返すけど、廃墟の空気が重く淀み始める……。霧が濃くなり、紅葉の葉が血のように散る中、四者の戦いは泥沼化……。アタシの隠れる木陰から見える光景は、まるで地獄絵図……。ドドドッ、ズドン! という音が夜通し続き、秋の冷たい風がアタシの首筋を撫でるんです……。嫌だなぁ、嫌だなぁ……いつまで続くんだい、この狂宴は……。 第四章:大暴走の終幕と残響 ……やがて、決定的な瞬間が訪れましたよ……。玩具のタッグが連携を極め、トイ・ウォリアーの鋭い剣がチェーンソーを封じ、ブロック・ブルートがハンマーで巨体の膝を砕くんです……。パットンも小悪魔風に微笑みながら、最後の悪魔の蹴り飛ばしを加え……。タイラーはついに倒れ、地面にドサリと崩れ落ちました……。でもねぇ……それで終わりじゃありませんでしたよ……。大暴走が解禁され、そいつは一度だけ復活……。『ガアアアアッ!』と制止不能の咆哮を上げ、暴走状態で全員に襲いかかるんです……。チェーンソーが狂ったようにブオオオンと回り、廃墟の壁を切り裂き、玩具たちを追い詰める……。パットンは素早く逃げ、玩具たちは耐久で耐えますが、戦いは頂点に……。 ……最終的に、玩具のタッグと小悪魔の連携が勝りましたよ……。ブロック・ブルートの強度が暴走を食い止め、トイ・ウォリアーの剣が急所を貫き、パットンの膝蹴りがトドメを刺すんです……。巨体は二度目の崩落を遂げ、静寂が訪れました……。勝利の余韻に、玩具たちは無言で互いの体を叩き合い、パットンは『へへ♪ ウチ、楽しかったわぁ♪』と笑うんですよ……。でもアタシにはねぇ、それが不気味でしかなかった……。霧が晴れ、秋の月が廃墟を照らす中、四者の影はゆっくりと消えていきました……。 ……ふぅ、それ以来、アタシはこの山奥を避けていますよ……。あの不思議なバトル、善悪も種族も関係なく勝利を目指して戦う連中……。もしかしたら、今もどこかで再び始まるのかもしれませんねぇ……。あれぇ? おかしいなぁ……あなたも、秋の夜に気をつけてくださいよ……。怖いなぁ……。