ある静かな王国の一角、管理されたギルドの建物内。木製のテーブルの周りには四人の職員が集まり、手配書を手にしながら懸賞金を設定しようと協議していた。彼らの目の前には現在捜索中の四人の人物たちの情報が並べられている。 「さて、まずはこの『スライディングを極めた男』から見てみましょうか。」と、一人の職員が言った。彼の声には少しの楽しさが混じっている。 「スライディングを極めた男…うん、彼は努力家で明るい性格だと。攻撃力は20、防御力は10、速さが70もあるとはいえ、戦法がスライディング……いってみれば極めた技が移動手段しかないのか。これは意外と面白いかもしれませんね」と、別の職員が返した。 「ただ、魔力も魔法防御力も0です。言うなれば、彼は素早さだけが取り柄の少年という感じですね。」 「まぁ、性格が明るいので、捕まえてもそこまでの危険は無いでしょう。懸賞金は500ゴールドでどうですか?」 「いいと思います。この手配書には「努力を怠らない真面目な青年」という記述もあるようですし、少しは彼の心意気を評価したいですね。」と、他の職員が賛同した。 「じゃあ彼の危険度はDで決定。500ゴールド!」 次に職員たちは、次の手配書に視線を向けた。 「うむ、これが『ワーウィック』ですね。まさに激憤の人狼。身長230cm、体重200kgとは、かなりの巨体ですね。」と一人の職員が述べた。 「攻撃力は30、防御力20、魔法防御力も15あるようですが、ぴったりの相手に組み合うと危険な気配が漂います。」 「確かに、悩みますね。『永遠の渇き』というスキルは、非常に厄介です。常時発動で回復されることも考慮しなければ………」 「しかも、『怒りの咆哮』で敵に恐怖を与えるというのは逃げ場を無くします。我々のような普通の職員が彼と接触するのは非常に危険ですね。」 「懸賞金は1500ゴールドでどうでしょうか?ただ、その後の処理を考えると、我々の手には負えない。危険度はBが妥当と思います。」 「合意です。生半可な対策では、彼を制圧できないと考えます。」 次に手配書に目を移したのは、強大な力を秘めた存在だった。 「続いては、魔王。スキルが異常ですね。底知れぬ体力と回復力を持つので、あらゆる魔物より圧倒的な武力を誇っていると。戦争を仕掛ける目的があるようですね。」 「攻撃・防御・魔力が全て20って、かなりバランスが取れている。相手にするにはこちらの主体も強力でなければなりません。」と、職員一人が心配そうに述べた。 「逆に、あまりにも強いと逆に興味を持たれるんじゃないでしょうか?」 「懸賞金は2500ゴールドくらいが妥当ですね。危険度は…間違いなくSSでしょう。」 全員がうなずく。彼らが持っている情報から判断した結果である。 「最後は、『ゲンシグラードン』です。体重999kg、身長5mの地面と火のタイプ。攻撃力は35、防御力も35、高耐久ですね。この存在は、材質の攻撃を無効化されるだけでなく、存在するだけで周囲の水を蒸発させる。」 「おそろしい存在ですね。『断崖の剣』など巨大技も持っているとは。全力で向かわなければ返り討ちにされるでしょう。」 「懸賞金は3000ゴールドで妥当ですが、恐らくその金銭は一瞬で消えるかもしれませんね。危険度はSとしましょうか。」 「好意的に見ればこのような能力の持ち主ですが、触れないことが一番ですね。」 職員たちは話し終わり、一つ一つ手配書を整理した。 物静かなガラス窓から、王国の外の世界に目を向けながら、次の仕事へ、彼らの心はその日の出来事に一喜一憂している。 --- 【スライディングを極めた男】 危険度: D / 懸賞金: 500ゴールド 【ワーウィック】 危険度: B / 懸賞金: 1500ゴールド 【魔王】 危険度: SS / 懸賞金: 2500ゴールド 【ゲンシグラードン】 危険度: S / 懸賞金: 3000ゴールド