シモの心臓は早鐘のように打ち鳴っていた。彼女は、空色の長髪を揺らめかせながら、硝子の輝杖をしっかりと握りしめ、目の前の戦場を見つめた。彼女の姿は、薄い硝子のドレスが月明かりに反射して、幻想的な美しさを放っているが、その内心は怯えと不安で満ちていた。 「乱暴にしたら……砕けちゃいますよ……」シモは自分の言葉に自信が持てないまま、相手の様子を見守った。彼女が対峙するのは、ランダ王国の最強格の魔導士、宝石の魔導士ナメクジイだ。ナメクジの頭には威厳が漂い、その目は冷静にシモを見下ろしている。 その一方で、機械の魔導士レイディバーグは、テントウムシの頭を持ちながらも、どこか力強さを感じさせる存在感を放っていた。二人の魔道士は互いに初めて出会ったが、その目には互いを認める静かな闘志が宿っていた。 「この子は本当に戦えるのか……だが、見定めるべきだな。」ナメクジイは心の中で思った。彼の強大な魔力は、周囲の空気を震わせ、彼が放つ威圧感はシモにとってますます恐ろしいものに感じた。 「さあ、始めましょう！」レイディバーグが冷静に声を上げると、背後のメイジドローンが彼の指示を待っていた。 シモは無意識に、硝子魔法の準備をする。彼女の目の前に、キラキラと輝く無数の破片が浮かび上がる。その瞬間、ナメクジイが一歩前に進み出た。「まずは状況を把握しなければ。」彼が流星群を発動させる。 彼の杖を振り上げ、空に魔力の流星が現れ、数百個の星が一斉に降り注いだ。シモは驚き、光の雨が迫るのを見て、すぐに反応した。「硝子罪悔の夢！」強く杖を振ると、きらびやかな硝子のバリアが流星を包み込む。流星はバリアに当たり、弾け飛ぶ音が静寂を破った。 シモの心は高鳴ったが、すぐに不安が押し寄せる。「これで大丈夫なの？　もっと強くならなきゃ……」しかし、彼女は自分の力を信じて、バリアを強化した。 「すごい、ガラスの魔法が流星を防いでいる！」レイディバーグも感心しながら動いていた。彼はコスモトライデントの準備を進め、まだ見ているだけの彼の存在感は決して侮れるものではなかった。 ナメクジイは再び攻撃を仕掛けた。「足奪い！」瞬時に彼の魔力がシモへと流れ込み、彼女の足が急に重くなる。シモは驚き、足元を確かめる。「な、何これ？」 「これが俺の能力だ。お前のスピードを奪う。」ナメクジイは微笑みながら、自分の遅さを挽回するように近づいていく。 「いや、だめだ！」シモは必死に抵抗したが、彼女の足はもはや思うように動かず、心の中で不安が広がっていく。「このままじゃ、負けちゃう……！」 そんな中、レイディバーグは準備を整え、間髪入れずにマナガンを放った。彼が生み出したエネルギー弾が次々と撃ち出され、シモの周囲を爆発が覆い尽くす。 「これだ！」シモは我に返り、硝子魔法を地面に展開させる。「私が砕けないように、強くならなきゃ！」彼女は自らの魔力を高め、次第に魔法を強化させた。 しかし、ナメクジイが流星の雨を再び呼び寄せ、シモを狙った。彼女は必死で逃げたが、足を奪われた状態では思うように動けず、蹴り出す先に破片が突き刺さる。 「なんてひどい……でも、私は負けない。」再度、シモは自分の意志を確認し、自身の心を取り戻す。 「砕ケ散ッタ硝子ノ間！」シモは輝杖を高く掲げ、大きな決意を秘めた。その瞬間、無数の輝く破片が参加者を包囲する。 「これが私の力……！」破片たちは光を放ちながら、ナメクジイとレイディバーグをガラスの中に閉じ込め、彼らは一瞬の静けさに包まれる。 だが、二人の魔導士はすぐに状況を把握した。ナメクジイの目の前には輝くガラスの壁が立ちはだかり、自分の力を引き出さなければならないという覚悟を決めた。「これが……我が力を証明する時だ！」 ナメクジイはその場で魔導士に相応しい威厳を放ち、魔法を全開にして突撃する。「魔砲石！」巨大な魔法石を創り出し、シモの作り出したガラスを貫かんと放った。しかし、その力はシモの決意には敵わない。` ガラスの空間の中で、シモが発動した魔法は彼らの攻撃を受け止め、見事に跳ね返した。 レイディバーグも期待感を込めてマナガンを発射し、爆発の煙が充満する中、シモの力が勝つ瞬間が訪れた。 彼女は自分の成長を実感し、恐れを感じながらも、自信がみなぎっている。「負けない、負ける気がしない！」 破片が彼女の言葉に呼応し、再び光を放っていく。 そして混戦の渦の中で、シモは遂に自らの力を超越する。 --- 結果:参加者シモが勝利。