【静まる戦場】 新月の光が薄れ、夜が静かに降りてきた。混沌とした大地には、死闘が繰り広げられる気配が漂っていた。二人の男が対峙している。片方は特異な存在、黒衣を纏い、冷然とした目をした【新月に潜む大怪盗】バグラーノ・シーヴ。もう一方は、巨大な装甲を身にまとった戦士、バルバトス。両者の間に生まれる緊張感は、まるで張り詰めた弦のように、どちらかが弾かれれば一瞬にして音を立てる土壌を提供していた。 【開戦】 「始めよう、余興の時間だ。」バグラーノは、落ち着いた声音で不敵な笑みを浮かべるとともに、片眼鏡を微調整。視界が暗くなると同時に、彼は空気のように軽やかに動き出した。杖を振るう度に、まるで舞踏をしているかのように、彼の周囲は闇に包まれ、バルバトスの動きを妨げる。 バルバトスは、その体躯からくる力強さで立ち向かう。大型メイスを携えた彼は、背筋を伸ばし、重厚な足音を響かせながら、バグラーノに向かって進む。「お前の余興には付き合わない。」 「ふ、冷静な判断だが、残念ながらそれでは勝てない。」バグラーノは声を高らかにして一歩踏み出し、瞬間、姿を消した。 【激闘】 その瞬間、バグラーノは暗闇の中から現れた。前方に突き出された白い杖が、バルバトスの弱点を正確に狙って放たれる。バルバトスはそれを感知し、躱そうとするが、予想以上のスピードに驚き、シューンと耳鳴りのような音を立てる。かろうじてダメージを回避するも、その振動が彼のバランスを崩す。 「臨刻乱星!」バグラーノの声が響くと、周囲に暗黒のスピンが生まれ、多方向から杖が繰り出される。バルバトスは全神経を集中させながら、メイスを曳き、各攻撃を弾き返そうとするが、次々と迫る攻撃に防ぎきれない。 「逃げ場はない!」バグラーノは冷笑し、言葉を続ける。彼の動きは優雅さと緊張感を帯び、まるでロープを渡る大道芸人のよう。その圧倒的なスキルにバルバトスは追い詰められ、心中の冷静さを保つのが難しくなった。 【倒れ込む二人】 その戦いの中、少しずつ二人の体力は削られていく。バグラーノもまた、数度の連撃でダメージを受け、動きが鈍る。「くく…、意外とやる。」彼は苦しげに笑い、一瞬息を扉に当てた。バルバトスも息が上がり、重たい装甲に押しつぶされるように、膝をつく。 「これが…最後…だ。」バルバトスは、疲労からくる苛立ちを抑え込むように警戒心を畳み込んだ。バグラーノは目を閉じ、一点を見つめる。お互い、これ以上は無理と体が訴えかけているようだった。 【仲間が…!】 その時、遠くから呼び声が響き渡る。「バグラーノ、バルバトス!行け、負けるな!」それはバグラーノの娘、エリとバルバトスの昔からの友人、カラムだった。彼らの声に勇気づけられ、二人の闘志が再び燃え上がる。 「エリ…カラム…、お前たちがいてくれたからこそ戦える。」バグラーノは、彼女の存在を思い出し、戦いの中に戻る力を得た。同時に、バルバトスもカラムの存在がその心を支える。共に戦った仲間、共に苦楽を分かち合った瞬間を思い出す。 彼らの思いは、二人の心にそれぞれ火を灯し、再び立ち上がる力を与えた。 【思いを胸に】 「行くぞ、バルバトス。お前の力、見せてくれ。」カラムが叫ぶ。 「娘のために、戦うのだ。」バグラーノもエリを思い出し、全力を尽くす決意をした。心の奥で交わした誓いが力強く響き渡る。 バルバトスはその巨大なメイスを構え、力強く地面を踏みしめる。「リミッター解除。」その瞳には冷静ながらも闘志が宿った。彼は凄まじい速さで動き、相手を一瞬で捉え、巨大メイスで強烈な一撃を放った。 【決着】 バグラーノはその動きを瞬時に察知し、暗闇の中から潜むように逃れようとしたが、その攻撃には及ばなかった。「くっ、見えない!」バルバトスはメイスを振り下ろし、まるで暗闇の中の光のように正確に命中する。 「これで終わりだ!」バルバトスが叫んだ瞬間、猛撃がバグラーノの逃げ場を塞ぎ、強烈な衝撃が彼を地面へ叩きつけた。バグラーノは倒れこみ、意識が遠のく。 「エリ、娘の元へ…帰る…」その声は力を失い、彼の目が閉じる。 「WINNER バルバトス」