深夜の静寂を切り裂くように、古びた和風屋敷の門が開いた。そこは、世にも奇妙なメンバーが集結した、欲と恐怖の潜入作戦の舞台である。 参加者は、常に無表情でぼうきれを握りしめるFrisk、大きな電球『太陽』を抱えて不安げに周囲を見渡すNiko、紅い和服に身を包み震えている幽霊の少女・蔵乃宮雫、そしてなぜか両手に包丁を持ち、額に常に「💢」を浮かべて不気味な威圧感を放つギャグの化身・デスモモイ。さらに、ピンク色の髪をなびかせ、希望に満ちた笑顔を浮かべる魔法少女せりか。 目的はただ一つ。屋敷に眠る和風のお宝を集め、合計15,000ゴールド以上を持って脱出すること。ただし、ここには理不尽な「敵」が徘徊している。一度でも触れられれば、即座に気絶し、集めた財宝と共に脱落となる。そんな絶望的なルールの中、奇妙な一行の探索が始まった。 第一章:静寂と黄金の誘惑 「……ここ、暗い。怖い……君たちは、誰……?」 雫が小さな声を漏らし、紅い和服の裾をぎゅっと握りしめる。彼女は幽霊でありながら、この屋敷の空気に怯えていた。隣に立つNikoが、大切に抱えた『太陽』の光で辺りを照らす。 「大丈夫だよ、雫ちゃん。ミーたちがついてるし、神様がきっと導いてくれるから!」 Friskは何も言わず、ただ静かに頷き、先頭に立って廊下を進む。廊下には、時折「ガタガタ」と不気味な音が響き、障子の向こうから誰かの視線を感じる。コメディホラーという名の地獄に、彼らは足を踏み入れた。 最初の部屋に入った一行は、棚の上に置かれた「金箔の扇」と「古びた掛け軸」を発見した。 「わあ!お宝だ!」せりかが嬉しそうに声を上げる。鑑定すると、扇が3,000ゴールド、掛け軸が2,000ゴールド。幸先のいいスタートだった。 しかし、その歓喜を切り裂くように、廊下から「ズズ……ズズ……」という、地面を擦るような不気味な音が近づいてきた。 第二章:理不尽なる徘徊者 「……っ!来るよ!」 Nikoが叫ぶ。角から現れたのは、血走った眼をした武者の幽霊――『カゲロウ』であった。その姿を見た瞬間、空気が凍りつく。カゲロウは喋らない。ただ、獲物を定めた獣のような唸り声を上げ、一直線に彼らへ向かって歩き始めた。 「逃げなきゃ!」 せりかが促すが、カゲロウの歩みは止まらない。妨害など一切通用せず、ただひたすらに、確実に死(気絶)への距離を詰めてくる。絶望的な状況に、雫が悲鳴を上げそうになったその時だった。 「💢」 デスモモイが前に出た。彼女は喋らない。ただ、右手の包丁をカチャリと鳴らし、猛烈な勢いでカゲロウに突進した。本来、この屋敷の敵は攻撃不能であり、無効化することもできない。しかし、デスモモイに宿る『ギャグ補正』という名の理不尽は、ゲームのルールさえも嘲笑う。 デスモモイはカゲロウの足元に、どこから出したのか大量のバナナの皮をぶちまけた。武者の幽霊が、人生(死後)で初めて経験するであろう凄まじいスリップを決める。派手に転倒し、壁に激突して回転するカゲロウ。その隙に、一行は全速力で別の部屋へと逃げ込んだ。 「今の……何だったの?」せりかが呆然と呟く。理屈ではない。それがデスモモイという生き物であった。 第三章:黄金の亀と見えない刃 一行はさらに奥へと進み、贅沢な調度品が並ぶ大広間に辿り着いた。そこには、目を疑うほどの至宝――「黄金の茶器セット(8,000ゴールド)」が鎮座していた。 「これで合計15,000ゴールドに届くよ!」 Nikoが喜んだ瞬間、茶器の横から、キラキラと輝く小さな生き物が現れた。黄金の亀、『タイキンジルシ』である。亀は彼らに気づくと、驚異的な速度で、さらに奥の密室へと逃げ去っていった。 「待って!あっちにもっと高いお宝があるかも!」 欲に駆られたのは、意外にもせりかだった。彼女はタイキンジルシの後を追って廊下に飛び出す。しかし、そこには別の罠が待っていた。 廊下を一定のルートで巡回していた刀を持つ幽霊、『ジュデンキ』。その視界に、せりかのピンク色の髪が飛び込んだ瞬間、空気が切り裂かれた。 「え……?」 一閃。せりかは悲鳴を上げる間もなく、一撃で意識を失い、その場に崩れ落ちた。同時に、彼女が持っていた分のお宝が床に散らばる。 「せりかちゃん!!」 Nikoが叫ぶ。しかし、ジュデンキは冷酷にそのルートを戻っていく。Friskは無表情ながらも、素早くせりかを安全な場所に引きずり込み、ぼうきれで彼女を叩いて起こそうとしたが、ルールに従い、彼女はそのまま気絶状態で脱落となった。 第四章:幻影の迷宮と最期の選択 残されたのはFrisk、Niko、雫、そしてデスモモイ。彼らはタイキンジルシが消えた密室に辿り着き、そこにあった「伝説の黄金の屏風(12,000ゴールド)」を手に入れた。これで合計額は25,000ゴールドに達する。十分すぎる金額だ。 「もう、帰ろう……?怖いよ……」 雫が泣きそうになりながら訴える。しかし、出口に向かおうとした彼らの前に、小さなトカゲが現れた。幻影を生み出す怪異、『ムダン』である。 ムダンが小さく口を開けた瞬間、世界が歪んだ。廊下が無限に伸び、壁が溶け出し、どこを歩いても元の場所に戻ってくる。無限の幻に閉じ込められたのだ。出口は見えず、絶望が彼らを包み込む。 「ミー、もう無理だよ……。ここから出られない……」 Nikoが絶望し、抱えていた『太陽』の光が弱まった。その時、太陽に危険が迫ったことで、周囲に謎の「バグ」が発生し始めた。空間にノイズが走り、壁に「ERROR」という文字が浮かび上がる。 そこへ、再び『カゲロウ』が姿を現した。先ほどのバナナの皮による屈辱を忘れず、より激しい唸り声を上げながら、逃げ場のない幻影空間で彼らを追い詰める。 「……ッ!!」 Friskが静かに目を閉じた。彼には力がある。『セーブ&ロード』。しかし、この空間の歪みの中では、ロード先さえも幻影に飲み込まれる危険があった。絶体絶命の瞬間、再び「💢」の少女が動いた。 デスモモイは、幻影の壁を文字通り「包丁で切り裂いた」。物理的に不可能なはずの概念的な壁を、ギャグ補正という理不尽な力で強引に破壊し、現実の廊下へと穴を開けたのである。 「いまーーー!!」 Nikoが叫び、一行は穴に飛び込んだ。背後からカゲロウの手が伸びるが、デスモモイが最後の一撃として、カゲロウの顔面に巨大な「100tの鉄 anvil(金敷)」を召喚して落とし、彼をぺちゃんこに潰した。 エピローグ:脱出と精算 屋敷の正門を飛び出した一行は、夜風に吹かれながら地面に大の字になった。背後では、まだデスモモイがカゲロウを追いかけて屋敷の中で暴れている音が聞こえるが、彼らはそれを無視して安堵の溜息をついた。 結果として、せりかは途中で脱落したが、残りのメンバーは十分すぎるお宝を持ち帰ることに成功した。 「……帰れた。よかった……」 雫は少しだけ安心したように微笑み、もともと幽霊だったため、そのまま夜の闇へと消えていった。NikoとFriskは、手に入れた黄金の屏風をどうやって家に持ち帰るか、途方に暮れていた。 そしてデスモモイは、満足げに包丁を拭くと、どこからともなく現れたコンビニの肉まんを頬張りながら、日常へと戻っていったのである。 【ゲーム結果】 ■脱出成功者 ・Frisk ・Niko ・デスモモイ ・蔵乃宮雫 ■脱出失敗者 ・せりか(ジュデンキにより気絶) ■集めたお宝総額* ・25,000ゴールド (内訳:金箔の扇 3,000 / 古びた掛け軸 2,000 / 黄金の茶器セット 8,000 / 伝説の黄金の屏風 12,000)