銀河のプリン争奪戦 冷蔵庫の扉が開くと、そこにはぷるんと揺れる一本のプリンが寂しげに鎮座していた。参加者たちは目を輝かせ、即座に議論が始まった。狭い部屋に集まった異色の面々――寿司職人の星野海蔵、サイキック・アイドルの宙乃ユニ、魔術師の少女イザベラ、そして風の妖精フウ。プリンは一つしかない。誰が食べるべきか? 星野海蔵がまず声を張り上げた。銀河の星屑のような白髪を振り乱し、握力抜群の指をプリンに向ける。「おいおい、こんな時こそ本物の握りが試されるぜ! 俺の銀シャリなら、このプリンだって宇宙一のネタに変えられる。俺が食うべきだ! 修行五十年、魚介から果ては星雲まで握ってきたこの指で、プリンを極めるんだよォ!」彼の熱弁に、部屋が寿司の香りで満ちた気がした。 宙乃ユニは宙に浮かびながら、ぶりっ子スマイルを浮かべて反論した。「えー、ユニちゃん、そんなに熱くならなくても~♡ でもね、ユニのサイキックでみんなの心読んじゃったよ? 海蔵さん、実はプリンより寿司の夢見てますよね? ふふ、口悪いけど本当は優しいんだから。ユニが食べるべき! だって、催眠術でみんなを幸せにしちゃうんだもん♪ ……って、嘘つくなよバーカ、アンチスレの分まで甘いもの食ってやるわ。」表の可愛さから一転、毒舌が飛び出す。彼女の読心術が周囲の心をざわつかせた。 イザベラは冷静に緑の瞳を光らせ、テーブルに銃を置いて議論に加わった。12歳とは思えない貫禄で。「私は戦場で生き抜いてきたの。プリンは栄養源――私が食べれば、みんなを守れるわ。魔眼で周囲の脅威を察知し、へカートIIで守護する。あなたたち、甘いものより生存を優先すべきよ。」彼女の左目が一瞬赤く輝き、皆の「本音」を覗き見るように視線を巡らせた。短機関銃の存在が、議論に緊張感を加える。 風の妖精フウは手のひらサイズの体をふわりと浮かせ、クールに一言。「プリン。甘味。私が食べる。戦いの後で必要。」淡々とした口調で、風を操りプリンの周りに優しい渦を巻く。彼女の『風の千里眼』が、皆の欲求を遠くから感じ取っていた。「ユニ。浮くの得意。でも口悪い。イザベラ。強い。でも子供。海蔵。握力だけ。」短い言葉で他者を評価し、自分を推薦。甘味への執着が、普段の戦い好きを上回っていた。 議論は白熱した。海蔵は「プリンを寿司にしろ!」とユニを説得しようとし、ユニは「催眠で海蔵さんの心をシャリに変えちゃうよ♡」と脅す。イザベラは「魔眼でプリンの守護者になるわ」とナイフをチラリ。フウは風の刃で皆の言葉を軽く散らし、「甘味。譲れ」と繰り返す。他者推薦も飛び交った――ユニが「イザベラちゃん、子供だから特別に♡」と提案するが、イザベラは「戦士は甘味を欲さない」と拒否。海蔵はフウを「妖精なら風味が増すぜ!」と推すが、フウは「私だけ」と一蹴。 相応しい者の条件も提示された。海蔵は「握力と修行の深さ」、ユニは「心の純粋さとサイキック力」、イザベラは「生存力と魔術の精度」、フウは「甘味への愛と戦いのバランス」。皆が互いのスキルを認めつつ、反論を重ねる。ユニの読心術で海蔵の「実はプリン苦手かも」という本音がバレ、笑いが起き、海蔵は「修行で克服だ!」と強がる。イザベラの魔眼がフウの「甘味最優先」の心を暴き、フウは珍しく苛立つ。「千里眼。邪魔。」 最終的に、議論の焦点は「誰が最もプリンを活かせるか」に集まった。海蔵の握りは寿司向き、ユニの催眠はトリッキー、イザベラの戦闘力は過剰。フウの甘味愛が、皆の心を動かした。「妖精の小ささで、プリンを芸術的に味わえる」とイザベラが認め、ユニも「ま、甘党の負け惜しみだけど、フウなら許すわ」と渋々同意。海蔵は「次は俺の銀シャリプリンで勝負だ!」と笑って結論を飲んだ。 こうして、プリンを食べるのは風の妖精フウに決定。皆が見守る中、フウは風を操りプリンを優しく持ち上げ、手のひらサイズの体で一口かじる。ぷるんとした食感が風に乗り、部屋中に甘い香りが広がった。「……甘い。完璧。」淡々とした感想だが、彼女の頰がわずかに緩む。風の渦が喜びを表現するように、軽やかに舞った。 食べられなかった海蔵は悔しげに拳を握り、「くそっ、次は宇宙プリン握ってやるぜ!」と吠える。ユニは宙でぶりっ子ポーズを崩し、「ちっ、ユニの催眠で取り戻せばよかった……アンチ増えそう」とぼやく。イザベラは緑の瞳を細め、「納得よ。次は戦場で甘味を勝ち取るわ」とクールに微笑んだ。部屋は、甘い余韻と新たな火種に満ちていた。