第1試合:市街地—ビル群と高強度遮蔽 発砲音より先に、コンクリート壁へ矢が突き立った。 Cateは崩れたオフィスビルの陰で弦を引き絞り、鋼矢を放つ。矢はまっすぐ飛ばず、隣のビル壁に沿うように軌道をうねらせ、通りの向こうに構えるエクレールの盾の縁を狙った。クロードは盾を傾けて受け流す。矢尻が装甲に火花を散らし、弾かれて舗装へ転がった。 「軌道を変えられる。遮蔽物越しも来るか」 クロードは不用意に追わない。小銃を短く連射し、Cateが潜む壁面と退路に弾を分散させる。Cateはブルーストを噴かして横へ跳び、弾道の隙間を抜ける。機体は軽く、ビルの間を縫う急旋回にも鋭く応じた。だが、銃弾は遮蔽物を砕きながら追いすがる。硬い壁が盾になる一方で、破片が飛び散り、Cateの動ける範囲を狭めていった。 Cateは反撃の機会を待つ。弦を引き、四本の矢を一斉に放つ。一本は低く道路を滑るように、二本はビルの角を回り込み、残る一本は高い放物線を描いた。クロードは盾を正面に立てたまま、煙幕を展開する。視界が白く閉ざされるが、彼は矢の飛来方向と壁への衝突音を組み合わせ、機体を半歩ずつ移動させた。矢は盾と装甲に弾かれ、一本だけが肩部外装を浅く削った。 煙が薄れる前に、クロードは肩のミサイルを撃つ。市街地で核弾頭を使えば遮蔽物ごと戦場を壊す危険がある。彼は建物を直撃させず、Cateの退路を塞ぐ位置へ弾頭を誘導する。爆発はビルの外壁を吹き飛ばし、通りに粉塵と瓦礫を浴びせた。Cateはスラスターで爆風から逃れたものの、着地先は崩れた道路の狭い区画だった。 それでもCateは矢を拾い、再利用する。折れていない矢をモールド機関へ戻し、次の一射を整える。思考速度を高めるグレアムの補助で、崩れた梁の間に射線を見つけた。矢は瓦礫を縫ってクロードの脚部関節へ迫る。クロードは盾を下げて防ぐが、その瞬間にCateが別角度から放った矢が盾の上を越え、頭部センサーをかすめた。 クロードは追撃を急がず、煙幕と銃撃で距離を詰める。Cateは後退しながら射るが、弾薬を節約し、装甲の厚い正面を避け続けた結果、命中は限定的だった。クロードは矢を盾で受け止め、小銃で弓の動作を妨げる。Cateの軽量機は瓦礫上で体勢を崩し、ブルーストの噴射が一瞬遅れた。 クロードはその一瞬に、残るミサイルを建物の外壁へ撃ち込む。爆圧が遮蔽物を内側から崩し、Cateの機体を道路へ押し出した。ターミナルアーマーが追従する防壁を張り、銃弾と破片を受け止める。強化された防御はCateを即座の撃破から救ったが、限られた時間の防壁を維持したまま、狭い路上で重装甲機の接近を拒みきれない。 Cateは最後の矢を放つ。クロードは盾で矢を受けながら踏み込み、剣を振り下ろした。防壁が衝撃を弱めたものの、連続する斬撃で機体の腕部が損傷し、弓を保持できなくなる。Cateはなおも矢を構えようとしたが、クロードの小銃が駆動部を撃ち抜いた。軽量機は膝をつき、戦闘能力を失った。 第1試合の勝者:チームB、クロード・ゴダール。 第2試合:山岳—急斜面と泥沼 雨上がりの山腹は、踏み出すたびに泥が崩れた。斜面の上方にCate、下方にクロード。両機は互いの姿を捉えたまま、岩棚と土砂の盛り上がりを挟んで動き出す。 Cateは高低差を利用し、斜め下へ矢を射た。放物線を描いた鋼矢が岩を越え、盾の側面を狙う。クロードは大盾を掲げて受けるが、矢は盾に当たる直前で軌道を変え、膝関節へ向かった。彼は機体を沈めて回避し、返す銃撃でCateの立つ岩棚を削る。土砂が崩れ、Cateはブルーストで横へ跳んだ。 速さではCateが勝る。しかし斜面は、急加速の勢いをそのまま危険に変える。泥に着地した軽量機は滑り、姿勢を立て直すために推進器を使わざるを得ない。クロードはそれを見極め、無理に追わず、小銃で足場を崩しながら進む。盾は山側に向けて岩片と矢を受け、煙幕は風に流されて完全な目隠しにはならないものの、距離を測りにくくするには十分だった。 Cateは泥に足を取られたクロードを見て、矢を四本同時に放つ。三本は正面と左右から盾を誘い、最後の一本が背後の斜面を回って装甲の継ぎ目を狙う。クロードは盾の角度を変え、正面の矢を受けながら機体を岩壁へ寄せた。背後から来た一本は岩に突き刺さり、残る二本は装甲を浅く削った。巧みな射撃は脅威だが、増加装甲と盾を同時に抜くほどの威力には至らない。 クロードは肩のミサイルを、Cateの背後にある斜面へ撃ち込む。爆発で地面が大きく崩れ、土砂が流れ落ちた。Cateは滑落を避けて急旋回するが、逃げる方向を限られ、矢を射るための安定した足場も失う。クロードはその間に距離を詰めた。小銃の連射が岩を砕き、盾が矢を受け、剣はいつでも届く位置に控える。攻撃と防御を切り替えず、すべてを一つの前進にまとめた動きだった。 Cateはターミナルアーマーを起動する。防壁が泥や銃弾、飛び散る岩片を押し返し、斜面を横切る突進を可能にした。彼女はクロードの盾の外側へ回り、弓を引く。至近距離の矢が肩装甲の継ぎ目に刺さり、続く一本が銃身を弾いた。クロードの小銃は狙いを外し、機体がわずかに後退する。 その好機にCateはさらに矢を番える。しかし防壁の維持と不安定な足場は、軽量機の動きを重くしていた。クロードは損傷した小銃を捨てるのではなく、銃剣を前へ向けて盾とともに踏み込む。Cateはブルーストで後退しようとしたが、泥沼が片脚を捕らえた。ターミナルアーマーが剣の初撃を防ぐ。それでもクロードは一撃で止まらず、盾で押し込み、二撃目を脚部へ叩き込んだ。 防壁が消える。Cateは弓を振り上げて距離を作ろうとするが、クロードは剣を返して弓の腕を切り離し、続く銃剣の突きで機体の胴部を貫いた。Cateの機体は斜面に崩れ、泥の中で動きを止める。クロードも装甲に複数の矢傷を負っていたが、戦闘を継続できる状態を保った。 第2試合の勝者:チームB、クロード・ゴダール。 第3試合:衛星—低重力 灰色の衛星地表に、二機の影が長く伸びる。低重力では、踏み込みも跳躍も地上とは違う。Cateはその性質を活かし、短い噴射を重ねて岩塊の間を滑る。クロードは機体の重さを不利と決めつけず、盾を構えたまま推進を制御し、姿勢を崩さずに追った。 Cateの最初の矢は、弱い重力に引かれて長い弧を描く。クロードの盾を避け、岩塊の陰から背面へ回り込む軌道だった。クロードは盾を背へ回し、矢を受ける。次の矢は低く進み、脚部の横を抜けた。矢は標的に向かう軌道を自在に変えられるが、空気抵抗の少ない環境では矢の姿勢を制御しにくい。Cateはそれを承知で、速度と角度を変えながら射撃を続けた。 小銃の弾は低重力でも直進し、発砲の反動は機体をわずかに押し戻す。クロードは反動を利用して姿勢を調整し、岩陰から正確に連射した。Cateは岩塊の裏へ隠れ、ブルーストで位置を変える。銃撃は岩を削り、破片が浮遊する。矢は静かに飛び、クロードのセンサーを狙うが、盾と装甲が射線を塞いだ。 Cateは四本同時射ちを試みる。矢は上下左右に分かれ、クロードの回避方向を絞る。彼は煙幕を噴射し、盾を前に出してゆっくりと横へ移動した。煙は薄く広がり、地上ほど密な遮蔽にはならない。だが、複数の矢が接近する一瞬だけ照準を乱した。一本が肩部装甲に食い込み、別の一本が盾の縁をかすめる。クロードは痛手を受ける前に、肩のミサイルを二発放った。 ミサイルの爆発が岩塊を砕き、低重力の地表に破片を散らす。衝撃でCateは回転しながら後退するが、スラスターを噴かして姿勢を整えた。遮蔽物が減り、射線が開ける。Cateは矢を拾い直し、進路を変えるための噴射を細かく刻んだ。クロードの小銃弾が追うものの、予測しづらい軌道を完全には捉えられない。 Cateはクロードの側面へ回り込み、装甲の薄い関節を狙う。矢が肩と肘の間に突き刺さり、腕の動きが鈍った。さらに二本目が脚部の接合部へ飛ぶ。クロードは盾で受けるが、受けた衝撃で機体が回転する。Cateはすぐさま距離を取ろうとする。低重力では一度加速した機体を止めるのにも推進剤が必要であり、彼女は回避のたびに推進剤を消費していた。 クロードは残るミサイルを一斉に撃たず、二発を時間差で放つ。一発目はCateが進もうとする岩陰を破壊し、二発目は回避後の進路を狙う。爆発の連鎖で破片が周囲へ広がり、Cateは防壁を張って直撃をしのいだ。ターミナルアーマーは機体に追従し、致命的な破片と弾丸を防ぐ。しかし、動きを変えるための推進剤は戻らない。防壁が耐える間に、Cateは矢を放つ。矢はクロードの頭部を狙うが、彼は損傷した腕で盾を差し込み、かろうじて防いだ。 クロードは盾を前にして、低速ながら確実に接近する。Cateは後退するが、噴射が細くなり、弧を描く機動の幅が狭まった。彼女は矢の代わりに折れた鋼材を投げ、クロードの視線を逸らす。続く矢が盾の縁を越え、胸部装甲に突き刺さる。だが決定打にはならない。 防壁が消えた瞬間、クロードは最後の加速をかけた。大盾で弓を押さえ、片手剣を振り抜く。Cateは逃れようとするが、推進剤不足で十分な旋回ができない。剣が腕部を損傷させ、二撃目が胴体の駆動系を断った。機体は岩肌へ衝突し、動力を失う。クロードの装甲にも矢が深く刺さっていたが、彼は最後まで戦闘能力を維持した。 第3試合の勝者:チームB、クロード・ゴダール。 総合結果 第1試合から第3試合まで、クロード・ゴダールが全勝。 総合勝者:チームB、【雷鳴】クロード・ゴダール。