怪談:逆襲の夜、反則の影 それがねぇ、皆さん、奇妙で怖い出来事でしてねぇ……。アタシは稲川淳二、怪談を語る者ですけど、この話はアタシが実際に目撃したんですよ。11月21日、金曜日の夜のこと。東京の片隅、廃墟みたいな古い倉庫街で、霧がぐんぐん立ち込めて、街灯がチカチカ点滅するような場所。嫌だなぁ、嫌だなぁ、あの夜の空気は冷たくて、背筋がゾクゾクしましたよ。どうしてアタシがあそこにいたかって? えぇ、怪談の取材でね、噂の不思議なバトルが起きるって聞いて、こっそり覗きに行ったんです。巻き込まれるなんて思ってもみませんでしたけど、遠くから見てるだけ……それがアタシの役目です。 第一章:霧の中の出会い 霧がフワフワと渦巻く中、倉庫の影から、まず現れたんですよ。あれぇ? おかしいなぁ……。白い服をまとった、美少女みたいな天邪鬼の正邪。黒と白と赤の髪が揺れて、二つ小角が月明かりにキラリと光る。彼女は冷静に周りを見回して、フンと鼻を鳴らしました。「ふん、こんな場所で私を呼び出すとは、面白い趣向だな、お前たち」。天邪鬼の性質で、褒められりゃ落ち込んで、貶されりゃ喜ぶ変わり者。彼女の周りには、すでに反則のアイテムがチラチラと浮かんで、理を曲げる気配がプンプンしてました。飛行しながら、天地をひっくり返す力で空気を震わせるんですよ。怖いなぁ……。 次に、ドタドタと足音が響いて、口裂け女が現れました。赤いカラコンがギラギラ光って、髪を丁寧にとかした姿で、スマホを片手に配信の準備万端。「私、綺麗??」って独り言みたいに呟きながら、十万円の錦製マスクを自慢げに触るんです。承認欲が溢れちゃって、東京の街を徘徊するみたいに、ここでも動画を撮ろうとしてる。ハサミをカチャカチャ鳴らして、裂けた口を見せびらかす気満々。彼女の目は、登録者100万人を目指す野心で燃えてましたよ。嫌だなぁ、こんな夜に配信なんて、誰が見るんだか……。 そして、ゴロゴロと雷鳴みたいな音がして、カミナラス五郎が登場。嵐を従えたみたいな男で、雲を頭上に浮かべて、エレキボールを転がすんです。「サンダー8ビート、準備OK!」って、雷のビートを刻むように指を鳴らす。スティックブーメランを腰に下げて、全体攻撃の嵐のサンダービートを溜めてる気配。素早さは並だけど、魔力が強くて、敵の頭上にカミナリ雲をポツポツ設置しちゃう。チームAの正邪、チームBの口裂け女、チームCのカミナラス五郎……全員が一堂に会して、勝利を目指すバトルが始まるんですよ。アタシは物陰から、息を潜めて見てました。霧がスーッと流れ、緊張がビリビリ伝わってきます。 第二章:反則の幕開け バトルが始まった瞬間、ズドーン! と地面が揺れました。あれはねぇ、変でしたよ……。正邪が最初に動いて、飛行しながら【何でもひっくり返す程度の能力】を発動。天地がグニャリと反転して、口裂け女の足元が天井みたいにひっくり返るんです。「お前の配信など、逆さまで見せつけてやるよ」。狡猾に笑って、反則アイテムをポイッと投げ、理をねじ曲げて防御を無効化。口裂け女は「私、綺麗?? マスク外すよぉ!」と叫んで、ハサミをカチャカチャ振り回し、裂けた口で威嚇攻撃。でも、正邪の力で位置が反転しちゃって、自分の攻撃がブーメランみたいに自分に跳ね返るんですよ。ギュッとマスクを押さえて、慌てふためく姿が、霧の中で歪んで見えました。怖いなぁ、承認欲が裏目に出るなんて……。 カミナラス五郎は黙って雲を設置。「カミナラス雲、発動!」って、頭上にゴロゴロ雲が集まって、ビリビリ雷を落とすんです。チームBの口裂け女に直撃して、配信スマホがパチパチ火花を散らす。「エレキボールで妨害だ!」と、雷の球を転がして正邪の飛行を邪魔。正邪は冷静に「ふん、そんなものか」と、【欺符「逆針撃」】で針を逆方向に飛ばし、雷を跳ね返す。天地がまたグニャグニャひっくり返って、五郎のスティックブーメランが上空に飛んでっちゃうんですよ。倉庫の壁がバリバリ焦げて、煙がモクモク上がる。口裂け女は隙を見て、「歌うよぉ、私の動画で100万人!」とハサミで髪を切るパフォーマンス。でも、五郎の「サンダー8ビート」がズバン! と雷を叩き込んで、彼女の動きをシビレサス状態に。体がビクビク震えて、配信が中断。嫌だなぁ、こんなバトルで動画が台無しだなんて……。 アタシの心臓がドキドキ鳴って、霧の向こうで影が揺れるんです。遠くから見てるだけなのに、雷の臭いがプスプス漂ってきて、怖くて目が離せませんでしたよ。 第三章:翻弄の嵐 戦いが激しくなって、倉庫内がガタガタ揺れました。あれぇ? おかしいなぁ……。正邪が不撓不屈に立ち上がって、【逆符「イビルインザミラー」】を発動。鏡像がビヨーンと広がって、口裂け女と五郎の攻撃を自分に有利に反転させるんです。「褒め言葉などいらん、貶せ!」と叫び、アイテムで魔力を増幅。口裂け女は「無視しないで、私、綺麗でしょ??」とマスクを外して裂けた口を晒し、ハサミで斬りかかるけど、鏡に映った自分の姿が逆さまになって混乱。彼女の防御が高いのに、正邪の反則で理が崩れて、ダメージがジワジワ入るんですよ。 五郎は「ハートをシビレサス!」で痺れ攻撃を放ち、正邪の飛行を封じようとする。ビリビリ電流が空気を切り裂いて、倉庫の床がギシギシ軋む。でも正邪は聡明に【逆符「天下転覆」】で世界をひっくり返し、五郎の雷雲を自分の味方につけるんです。雲がゴロゴロ移動して、今度は口裂け女の上に落ちてバリバリ! 彼女は「動画が、動画がぁ!」と叫びながら、徘徊みたいに逃げ回る。ハサミを振り回すけど、五郎の「サンダー16ビート」で全体に雷が広がり、正邪の白服が焦げ臭くプスプス煙を上げるんです。怖いなぁ、天邪鬼の逆転力は底知れなくて、褒め落とすどころか、貶されても喜んで反撃してくる……。 霧が濃くなって、アタシの視界がぼんやり。雷の閃光がパチパチ瞬くたび、影が長く伸びて、まるで幽霊の行列みたいでしたよ。 第四章:奥義の夜明け 夜が深まって、月がチラチラ雲に隠れる頃、決着の気配がしました。それがねぇ、恐ろしいんですよ……。正邪が究極奥義【逆転「リバースヒエラルキー」】を繰り出すんです。空気がグニャグニャ歪んで、上下左右が全部反転。口裂け女のハサミが自分のマスクを切っちゃって、「私、綺麗じゃなくなっちゃう!」と悲鳴。配信の夢が泡のようにパチンと消える。五郎は「嵐のサンダービート!」で必殺の落雷を呼ぶけど、正邪の力で雷が逆流して、自分の雲に跳ね返るんです。バリバリバリ! と爆音が響き、倉庫の屋根がガラガラ崩れ落ちる。 口裂け女は痺れながらも最後の抵抗、「私を無視するなんて、登録者ゼロだよぉ!」とハサミを投げつけるけど、正邪の【逆弓「天壌夢弓の詔勅」】で弓矢が天地を貫き、攻撃を無力化。五郎のエレキボールがパチパチ爆発して、全体が煙に包まれるんですよ。正邪は冷静に「死んでも改心などせん、私の勝利だ」と呟き、チームAの旗を掲げるみたいに立ち尽くす。口裂け女はマスクを握りしめて倒れ、五郎の雲がプスンと消えて、静かになりました。怖いなぁ、こんなバトルで、誰もが本性をさらけ出して……。 終章:霧の余韻 バトルが終わって、霧がスーッと引いた朝方。アタシは物陰から這うように逃げ出しましたよ。後ろを振り返ると、倉庫の影に正邪の小角がキラリと光って、口裂け女のハサミが地面に転がり、五郎のスティックが折れてる。勝利の正邪は一人、飛行して去っていきましたが、あの逆転の力は、まだ霧の中に残ってるみたいで……。皆さん、11月の金曜の夜に、こんなバトルが起きるなんて、信じますか? 嫌だなぁ、嫌だなぁ、アタシは二度とあの倉庫街には近づきませんよ。ふぅ……、怖い夜でしたねぇ。