桜の花びらが舞う城の中庭には、二人の剣士が立っていた。西から入場したのは【次元斬】トージロー、飄々とした態度で観衆の視線を浴びていた。対する東から入場したのは刀の達人・ケンゴロー、小柄だが自信に満ちた姿勢が印象的だった。会場には多くの武士たちが集まり、その目は二人の戦いに注がれていた。 「お前さん、よく来たなぁ! あーしは色々な人と戦ってきたけど、剣豪の名に恥じぬよう、手加減せずにいくぞ。」 トージローが軽い調子で言った。しかし、その目には真剣さが宿っていた。ケンゴローは穏やかに笑い、「おお、期待しておるぞ。あーしも本気で行くからな。ただ、いかにしてその力を引き出すかが鍵じゃ。」 将軍の合図と共に試合は開始された。トージローがまず動き出す。彼の剣が振るわれると同時に、周囲の空気がわずかに震えた。その瞬間、彼は【次元斬】を発動した。鋭い閃光が空間を切り裂き、ケンゴローに向かって進んでいく。 「おっと、そう簡単にはいかんぞ!」ケンゴローの目が鋭くなり、反射的にケンセイの刀を構えた。彼は冷静にその斬撃を見極めていた。次の瞬間、ケンゴローは身をかわし、【はじき】の技を放つ。トージローの斬撃は風圧によって弾かれ、空中で消失した。 「ふむ、なかなかやるじゃねぇか。だがあーしはこれだけでは終わらんぞ!」トージローは不敵に笑い、再び次元の間から出現した。再び【次元斬】を利用し、今度は真後ろからの攻撃を行った。 「しっかりとした動きじゃが、読めておる!」ケンゴローは瞬時に反応し、次元からの攻撃を正確に切り払った。しかし、トージローの攻撃が耳元を掠めた瞬間、彼の頬に小さな傷が走った。 「おっと、やるなあ! こりゃ小傷じゃ済まんかもしれんぞ!」トージローは声を弾ませた。 一方、ケンゴローもトージローの速さに心の中で驚いていたが、彼は冷静に自分の足元を見つめ、再び試みる。「それなら、いかにしてお主を弱らせるかを考えねばな。」 次の攻撃の準備が整ったケンゴローは、体の軸をしっかりと安定させ、緩やかに構える。そして、彼の技【斬り捨て御免】が発動する。目にも留まらぬ速さで彼の剣がトージローに襲いかかり、その影に隠れた真の力が発揮される。 「この剣で貫く!」ケンゴローの声が響く。トージローは焦りながらも、瞬時に避けようとするが、その切っ先は彼の肩に深く鋭い傷をつけた。 「これがいかに重いか、知るがよい!」ケンゴローが強く言い放つと、トージローは力強く立ち上がり、まるで猿のような軽快さで言い返す。「あーしはまだまだやる気満々だぜ!」 二人の戦いは続く。トージローは次元を利用して距離を稼ぎ、ケンゴローは正確な読みと反射で応戦する。しだいに周囲の空気が張り詰め、武士たちは息を潜めて見守っていた。トージローは急に姿を消し、次元の中に入ると、ケンゴローの盲点をついて突然出現する。 「ここだ!」トージローの声が響く。 「遅いわ!」とケンゴローは力強く突き出した剣で迎え撃つ。しかし、トージローは次元の力で一瞬の隙をついて潜り込み、今度こそ本気の【次元斬】を放つ。 「死を持って決着だ!」トージローの一撃が決まる瞬間、ケンゴローもまた、不屈の意志で自らの力を込めた光速の斬撃を放つ。二人の刀がぶつかり合い、火花が散る。会場の空気が凍りつくような瞬間だった。 与えられた傷に苦しむ中、トージローの沈黙に注目が集まる。「お前さん、なかなかやるじゃねぇか。」最後の一撃の霊圧が彼を圧倒し、トージローは膝をついた。 「降参だ。」トージローはつぶやいた。その瞬間、静寂を破るように歓声が上がり、勝者であるケンゴローが周囲を見渡した。 「今の試合はまさに見応えがあったな、トージロー! 力を示したこと、感謝するぞ。」 将軍が声を上げ、「これぞ武士の戦いだ。ケンゴロー、お前にこの名誉を与えよう。」と言った。 ケンゴローは深く頭を下げ、「誠に有難うございます。桜の下で、また今度は別の形で切磋琢磨を!」と答えた。 トージローは笑みを浮かべ、「あーしも、また戦おうぜ。今度は全力でいくからな!」と続けた。 将軍は最後に、桜の舞う中で和歌を詠む。「風花が舞う、武士の道場に、心磨かれし者、共に戦う。」 剣士たちはその言葉を聴きながら、これからの未来を共に見据えた。