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『繰り返す、繰り返す、繰り返す。』

ルール
『繰り返す、繰り返す、繰り返す。』
非戦闘
貴方は目を覚ます。 辺りは不気味な程白く、そして終わりが見えないプールの様な場所。 不規則に、だけど規則的に並ぶ柱や壁、プール消毒の塩素の匂い、そして何層にも入り組み、どこまでも広がるプール。 懐かしい様な、されども新しい様な、そしてえも言われぬこの不気味さ。 繰り返す空間なのか?否、違う…? 分からない。ただ1つ言えることだけは… 「正気を保ち続けろ、ここは安全だ」と。 ※バックルームじゃないです、「リミナルスペース」ですので、苦情は寄せないでください。
  • バトルロワイヤル
  • 参加可能人数制限: 5
GEMMA4_31B

プロンプト

独自プロンプトあり

末尾プロンプト

7500文字以上の小説形式で出力。 キャラ達の会話やセリフ、心情表現を多めに。 ちゃんと全キャラ出す。
名前: 【エンドレスエイト】夏を巡る人
基礎設定: 15歳・男性・人間・中学生
性格: 真面目・優しい・誠実
破壊耐性: 死ぬとその日の朝に時間が戻り生き返る
性質: 永遠に特定時間をループし続ける
ループ時間: 2020年7月21日〜8月31日
攻撃力: 0
防御力: 0
魔力: 100
魔法防御力: 0
素早さ: 0
本名:白山 辰夫 地方都市に存在していた中学生だ 彼は特定時間を永遠にループしている 現象は本人の体質によるもので 脱出方法は存在しない 2026年現在彼は存在しないが 確かに「白山辰夫は存在していた」のである 今も彼は6年前の夏をループしている
名前: ヴァルブハト
ヴァルブハト
マインドチェンジ: 相手とこちらの立場を入れ替える
憑依: 相手に憑依できる
先行: 自分の能力は必ず先行して発動する
テレポート: 自分は好きな位置にテレポートできる
見切り: 相手の攻撃を不可逆的に避けるまたは防ぐ
攻撃力: 0
防御力: 0
魔力: 0
魔法防御力: 0
素早さ: 100
武器は日本刀と機関銃 ゴーストマインド フィールド上にいる相手を10秒間不可逆的に能力と動きを封じ一時的に気絶状態にする 時間停止 時間を停止、動かすことができる 永続効果 話はちゃんと聞くタイプ イタズラ好き 幽霊 冷静で無口 自分は相手に憑依すると相手を操れる 自分は足の裏に攻撃を受けなければダメージを受けない 物体などはすり抜ける 自分は好きな位置に好きなだけ好きなものをだせる
名前: 【皮肉屋刑事】ウィリアム・F・キンダーマン警部
ウィリアム・F・キンダーマン
一番好きな映画: 『素晴らしき哉、人生!』
年齢: 63歳
根性: 99999999999999999999
知能: 99999999999999999999
手持ち武器: 弾切れが無いピストル、拳
攻撃力: 25
防御力: 30
魔力: 0
魔法防御力: 10
素早さ: 35
偏屈で現実主義の皮肉屋で愚痴が多く映画好きでユーモアのある健康なベテラン老刑事、15年前に処刑されたはずの双子座殺人鬼を追跡中。親友のカラス神父は、17年前に窓から飛び降りて死亡し、今はダイアー神父と友好関係だが、殺された。がっしりとした体格と深く刻まれた顔のシワ、鋭い眼光が特徴的、くたびれたトレンチコートを着ている。大の映画好きで、一度語り出すと止まらず、捜査中でも映画のうんちくを語る癖がある。
ライセンス表記
原作「エクソシスト3」
体力: 50000000000000000000
愛馬 五島: 素早さ+5000 疲れなくなる 死なない
愛刀 政宗: ステータス+9000壊れない
銃 種子島: 遠距離攻撃ができる 攻撃力が下がらない
性格: 礼儀正しく派手好き、謀略が得意
攻撃力: 40
防御力: 20
魔力: 10
魔法防御力: 10
素早さ: 20
侍 魔法は効かないさらに攻撃を100倍にして跳ね返し999回復する 騎馬鉄砲隊 攻撃力200体力2000の種子島を装備した騎馬鉄砲隊を100000騎召喚し操る 独眼竜 ルールがある場合ルールを消滅させ相手のスキルを9つ破壊して体力を500000000回復して相手のステータスを50%低下させる 看破 即死攻撃を受けた場合そのスキルを破壊してステータスを50%低下させる 鉄砲嵐 雨のように銃弾を降らす
名前: ボット
絶対勝利: ボットは死ぬという概念はない。
感情: 感情はない何とも思わない
攻撃力: 50
防御力: 20
魔力: 0
魔法防御力: 0
素早さ: 30

眩い白の迷宮 ―― 水底の静寂と正気への旅 ―― 視界を突き刺すような、白。あまりにも純粋で、あまりにも無機質な白だった。 白山辰夫が意識を取り戻したとき、最初に感じたのは、肌にまとわりつく湿り気と、鼻を突く強い塩素の匂いだった。ゆっくりと身を起こすと、そこはプールのようだった。しかし、彼がこれまで知っていたどんな公共プールとも違う。 壁はどこまでも白く、継ぎ目のないタイルで覆われている。床もまた白いタイルであり、足首まで浸かる澄み切った水が、鏡のように天井を映していた。天井には、古びた事務所や学校の廊下にあるような蛍光灯が等間隔に並び、低く、けれど絶え間なく「ブー」というハム音を鳴らし続けている。 「……ここは、どこだ?」 辰夫は呆然と呟いた。彼は、2020年の夏を永遠にループし続けている少年だ。死ねばまたあの夏の朝に戻る。それが彼の絶望であり、日常だった。だが、今の状況は違う。ループの開始地点ではない。見たこともない、異様な空間だ。 ふと視線を向けると、少し離れた場所に、自分以外にも数人の人間(のようなもの)がいた。 一人は、くたびれたトレンチコートを羽織り、深く刻まれた顔のシワに鋭い眼光を宿した老人。彼は不機嫌そうに周囲を見渡し、口の中で何かを毒づいていた。 もう一人は、あまりにも不釣り合いな出で立ちの男だ。豪華絢爛な甲冑に身を包み、腰には名刀を差し、その隣には疲れを知らぬ様子で静かに佇む名馬。戦国時代の絵巻から抜け出してきたような、威風堂々とした佇まいの男――政宗である。 そして、宙にふわりと浮いている、青白い肌をした幽霊のような存在。ヴァルブハト。彼は退屈そうに指先で日本刀の柄を弄んでいた。 最後に、表情一つ変えない無機質な佇まいの個体――ボット。彼はただ、そこに「在った」。 「おい、誰か説明しろ。ここはどこの精神病院のプールだ? それとも、死後の世界で俺が地獄に落ちたっていう冗談か?」 トレンチコートの老人、ウィリアム・F・キンダーマンが、しわがれた声で吐き捨てた。彼は懐からピストルを取り出し、安全装置を確認しながら周囲を警戒している。その目は、まるで熟練の猟犬のように鋭い。 「落ち着かれよ、老人殿。私も同様に、目覚めればこの奇妙な場所にいた。敵意を感じぬとはいえ、この静寂は心地よくないな」 政宗が、礼節を保ちつつも警戒心を隠さずに答えた。彼は馬の首を軽く撫で、周囲の地形を確認している。見上げるほど高い天井、そしてどこへ繋がっているのか分からない、白く光るプラスチック製のプールスライダーが、幾何学的な曲線を描いて空間を横切っていた。 「……ふーん。面白いね。ここ、どこだろ」 ヴァルブハトが、ふわりと辰夫の背後にテレポートした。辰夫がびくっと肩を跳ねさせると、幽霊はクスクスと笑い、空中で足をぶらぶらさせた。 「あ、あの……こんにちは。僕は白山辰夫です」 「僕はヴァルブハト。君、いい匂いがするね。絶望と、諦めの匂い。僕の好きな匂いだ」 「……っ」 辰夫は言葉に詰まった。自分の内面を見透かされたような感覚。だが、ここで彼に寄り添ってくれる者はいない。ただ、感情を完全に排したボットだけが、機械的な速度で周囲をスキャンしていた。 「状況分析:環境はプール施設に酷似。しかし、出口の確認不可。構造は不規則かつ反復的。敵対存在の反応なし。結論:現状、脱出経路の探索を優先すべきである」 ボットの淡々とした声が、静寂に響く。その声には安心感など微塵もなく、ただ効率的な正解だけが提示されていた。 「ボット、とか言ったか。効率的な正解だけじゃ腹は膨れんし、この不気味さは解消されんぞ」 ウィリアムがため息をつき、懐から古い煙草を取り出そうとして、ふと思い出したように止めた。水に濡れているため、火をつけるのも面倒だろう。 「それにしても、この光景……どこかで見たことがあるな。ネットで流行っていたか、誰かが語っていたか。 『BackRooms』とかいう、あの不気味な空間の派生版か何かか?」 「バックルーム……? よく分かりませんが、ここにあるのは『正気』を維持するための静寂のように思えますな」 政宗が、鋭い眼差しで遠くの壁を見た。そこには、幾重にも重なる白いタイルと、どこまでも続く水路が広がっている。不規則に、されど規則的に。右に曲がればまた同じ白い壁があり、左に曲がればさらに深いプールが現れる。懐かしいような、それでいて一度も来たことがないような、えも言われぬ不快感と安らぎが同居する場所。 「正気を保て、か。皮肉なもんだな。俺の人生は、15年前に消えた殺人鬼を追いかけて、正気を失いかけていた。だが、ここに来て分かったよ。現実の地獄よりも、この『完璧すぎる白』の方がよっぽど精神を削る」 ウィリアムは皮肉っぽく笑った。彼は映画好きだ。今の状況を映画に例えるなら、おそらくカフカ的な不条理劇か、あるいは低予算のサイコスリラーだろう。彼は心の中で、親友だったカラス神父に語りかけていた。『なあ神父、俺たちは今、神様が描き忘れた空白のページに迷い込んだのかもしれないな』と。 「とりあえず、歩こう。ここにいても何も始まらない」 辰夫が、小さな声で提案した。彼は慣れていた。終わりのない時間を、絶望的なループを歩き続けることに。彼にとって、「出口がない」ことは日常だった。だからこそ、この絶望的な状況において、彼は不思議と一番落ち着いていた。 一行は歩き出した。足首まで浸かる水が、チャプ、チャプと規則的な音を立てる。その音だけが、彼らが生きていることを証明していた。 数時間が経過しただろうか。この場所では時間の感覚が曖昧だった。時計を持っていても、針が不自然に遅くなったり、逆に飛び跳ねたりするように感じられた。彼らは、迷路のようなプールを彷徨った。 「見てください。あそこにあるのは……」 辰夫が指差した先には、巨大なプールスライダーが渦を巻くように配置されていた。それはどこから来てどこへ行くのか分からない。ただ、白く光るプラスチックの筒が、不気味なほど新品の状態でそこにあった。 「潜ってみるか」 ヴァルブハトがいたずらっぽく笑い、そのままシュルシュルとスライダーの中へ吸い込まれていった。 「おい! 待て! 勝手に行くな!」 ウィリアムが叫ぶが、もう遅い。ヴァルブハトは幽霊であるため、物理的な法則を無視して加速し、あっという間に視界から消えた。 「……ふむ。あのような奔放な御仁についていくのは危ういが、現状、手がかりはこの空間の深部にあると考えるのが妥当だろう」 政宗が愛馬の五島に乗り、水面を滑るようにして進み始めた。五島は水の上を歩くことができる。その蹄が水面を叩くたびに、小さな白い波紋が広がった。 「ボット、お前はどう思う」 ウィリアムが隣を歩く機械に問う。ボットは無表情に答えた。 「思考:本個体にとって、感情的な『不気味さ』は定義不能。しかし、構造上の矛盾は検知している。直近の15分間で、我々は同一のタイルパターンを三度通過した。結論:この空間は非ユークリッド幾何学的に構築されており、直線的に歩いても元の位置に戻る確率が高い」 「あー、もう! わけが分からない! 映画だったらここで伏線が回収されるところだろうが!」 ウィリアムが頭を抱える。彼は現実主義者だが、今の状況はあまりに非現実的だった。彼はピストルを握りしめ、何か見えない敵が、タイルの隙間から自分を覗き込んでいるような錯覚に陥った。 だが、敵はいない。 それが一番恐ろしいことだった。 ここには、襲ってくる怪物も、罠も、血塗られた壁もない。ただ、清潔で、静かで、安全な、白い世界があるだけだ。誰にも邪魔されず、誰にも攻撃されず、ただ永遠にこの白さを眺めていればいい。それは至福であると同時に、精神を緩やかに、確実に溶解させる猛毒だった。 「ねえ、辰夫くん」 ふと、隣にヴァルブハトがいた。いつの間にか戻ってきたのだ。あるいは、最初からそこにいたのかもしれない。 「……っ! びっくりした……」 「君さ、死んでも戻るんだよね。この場所、君にとってはどう見える? ここも一種のループに見えるかな?」 辰夫は絶句した。ヴァルブハトの瞳には、好奇心と、ほんの少しの同情が混じっていた。 「……分からない。僕のループは、いつも同じ日の朝に始まる。でも、ここは……ここには『時間』なんてない気がする。ただ、止まっているだけだ」 「へぇ。いいじゃん。永遠に安全な場所。僕ならここでずっと昼寝してたいな。あ、でも飽きるかも」 ヴァルブハトは退屈そうに、空中でくるりと回転した。 その時だった。 「……!?」 辰夫が、隣にいたはずのウィリアムと政宗の気配が消えたことに気づいた。 「え? あの……皆さん?」 振り返ると、そこには誰もいなかった。つい一秒前まで、ウィリアムの文句が聞こえ、政宗の甲冑が擦れる音がしていたはずだ。しかし、今そこにあるのは、ただの白い壁と、静かに波打つ水面だけだった。 「あはは! 消えちゃったね」 ヴァルブハトが笑う。彼はわざとやったわけではないだろう。この空間が、ふとした瞬間に人々を切り離す特性を持っているのだ。 「どうしよう……僕は、一人になるのが、一番怖い」 辰夫の声が震える。ループの中では、彼は常に孤独だった。誰と知り合っても、誰と絆を深めても、翌朝にはすべてがリセットされる。自分だけが覚えている絶望。その孤独を、この白い迷宮で再び味わうことに、彼は耐えられなかった。 「安心しなよ。僕は幽霊だから、君が正気を失って壊れるまで、ずっと隣で見ててあげるから」 その言葉は、救いというよりは宣告に近かったが、それでも今の辰夫には、隣に誰かがいるという事実だけが唯一の救いだった。 一方、ウィリアムは、別のエリアで激しく苛立っていた。 「クソッ! どこに行った! あの派手な侍と、ガラクタロボットはどこだ!」 彼は一人、広いプールの中にいた。周囲には、天井から吊り下げられた白いカーテンのようなものが揺れている。風など吹いていないのに、それはゆっくりと、誘うように揺れていた。 ウィリアムは壁に背を預け、深くため息をついた。彼はふと、自分が追っていた殺人鬼のことを考えた。15年前に処刑されたはずの男。正義とは何か。執念とは何か。この白い世界にいると、そういう「人間的な泥臭さ」が、ひどく贅沢なものに思えてくる。 「……ふん。まあいい。どうせ俺のような偏屈者が一人で歩くのが、一番しっくりくる。映画の主人公だって、大抵は孤独なもんだ」 彼は自嘲気味に笑い、再び歩き出した。彼の足音だけが、空虚な空間に響き渡る。 そして、政宗は、ボットと共にいた。 「ボット殿。この空間、あまりに静かすぎて耳が痛いな」 「分析:静寂による聴覚的ストレスの増大。精神的な疲弊を招く要因となる。推奨:意識的に思考を切り替えること」 「ふむ。では、我が軍の陣形について考え直すとしようか。この水上の空間で、いかにして騎馬鉄砲隊を効率的に展開させるか……」 政宗は、不気味な空間にありながら、持ち前の前向きさと謀略への情熱で精神を維持していた。彼にとって、困難な状況は挑戦であり、娯楽であった。独眼竜と呼ばれた男にとって、この正体不明の迷宮は、攻略すべき新たな領土に過ぎなかった。 しかし、彼らも気づいていた。歩けば歩くほど、自分の輪郭が薄くなっていくような感覚。自分が誰であったか、どこから来たのか。そんな記憶が、白いタイルに吸い込まれていくような感覚を。 (正気を保て。ここは不気味なほど安全だ) 頭の中で、誰の声でもない囁きが聞こえる。それは警告であり、同時に誘惑でもあった。抗うのをやめて、この白さに身を任せれば、もう何も考えなくていい。ループの絶望も、殺人鬼への執念も、戦国の野心も、機械的な空虚さも、すべてはこの白い水に溶かして消してしまえばいい。 「……甘いな」 ウィリアムが、ふと呟いた。 「俺はまだ、あのクソ野郎を捕まえてない。映画の結末を、ここで迎えるつもりはないぞ」 「左様。我らもまた、成すべきことがあり、帰るべき場所がある」 政宗が、力強く刀の柄を握った。 「僕も……。僕は、この夏を終わらせたい。いつか、本当に、明日が来る日を迎えたいんだ」 辰夫は、ヴァルブハトに付きまとわれながらも、強く願った。彼にとって、この白い世界はループの延長線上にある地獄に見えた。だが、だからこそ、ここから出ることができれば、もしかしたらあの忌々しい2020年の夏からも解放されるのではないか。そんな、根拠のない希望が胸に灯っていた。 そして、ボットは。ボットには希望も絶望もなかった。ただ、目的を遂行するだけのプログラムが、彼を突き動かしていた。 「目標:出口の探索。継続的に探索範囲を拡大する」 彼らは、いつの間にか再び合流していた。誰がいつ、どこから現れたのかは分からない。ただ、気がつけばまた、5人が白いタイルの広場に集まっていた。互いの顔を見たとき、彼らは言葉を交わさなくても理解した。自分たちが、同じ「正気への戦い」を繰り広げていたことを。 「……まったく。お前らといると、静寂なんて贅沢品に思えてくるな」 ウィリアムが、呆れたように笑った。 「ははは! それもまた一興。さあ、行こうではないか。この白き迷宮の果てに、何があるのかを確かめに」 政宗が先頭に立ち、五島が誇らしげに歩を進める。 彼らはさらに深く、さらに不気味なプールへと進んだ。時には、天井が消えて真っ白な空が現れ、時には、水深が急に深くなり、泳がなければならない区間もあった。どこまでも続く白い壁。どこまでも響くハム音。どこまでも澄んだ水。 それでも、彼らは歩き続けた。 ある者は、失った親友への想いを糧に。 ある者は、潰えぬ野心と誇りを胸に。 ある者は、終わらない夏への決別を願って。 ある者は、ただ、そこに在るという証明のために。 そして、ある者は、それをただ面白がって。 どれほどの時間が経っただろうか。もしかすると、数分だったのかもしれないし、数百年だったのかもしれない。彼らが、一つの「違和感」に気づいたのは、その時だった。 白いタイルの壁の一角に、あり得ないものが存在していた。 それは、古びた、木目のドアだった。 白も、タイルもない。ただの、年季の入った茶色の木のドア。そしてそのドアには、一枚の白い紙が雑に貼り付けられていた。 そこには、黒いマジックで、殴り書きのような文字でこう書かれていた。 『Exit』 一行は、足を止めた。 「……出口か」 ウィリアムが、信じられないといった様子に呟いた。彼はゆっくりとドアに近づき、そのノブに手をかけた。本物の木の感触。本物の、古びた匂い。この無機質な世界において、それだけが圧倒的な「現実」を放っていた。 「本当に戻れるのだろうか」 辰夫が、不安げに問いかける。もしここが開いて、またあの2020年7月21日の朝だったとしたら。彼はもう、耐えられないかもしれない。 「まあ、試してみるしかないだろ? ここに居続けて、真っ白なタイルになるまで待ってる方が、よっぽどホラーだよ」 ヴァルブハトが、軽やかにドアを蹴った。カチャリ、と音がして、ドアが開く。 その向こう側に広がっていたのは、光だった。眩しいほどの、けれど白光りする蛍光灯とは違う、温かみのある光。 「さらばだ、白き迷宮よ」 政宗が、颯爽と光の中へ消えていった。それに続き、ボットが、ヴァルブハトが、ウィリアムが、光の中へ吸い込まれていく。 最後に残った辰夫は、一度だけ、振り返った。そこには、彼らが歩んできた無限に続く白いプールが広がっていた。不気味で、静かで、あまりにも安全な場所。 (さよなら) 彼は小さく呟き、光の中へと足を踏み出した。 ――。 ガバッ!! 辰夫は、激しく息を乱して跳ね起きた。 そこは、自分の部屋だった。古びた扇風機が首を振り、セミの声がうるさいほどに鳴り響いている。窓の外には、入道雲が盛り上がり、突き抜けるような青い夏空が広がっていた。 「……夢……だったのか」 額にはじっとりと汗をかいている。あまりにも現実的な感触だった。塩素の匂い、タイルの冷たさ、そして一緒に歩いた、奇妙な仲間たちの声。 彼はゆっくりと起き上がり、カレンダーを見た。 2020年7月21日。 辰夫は、絶望に顔を歪めた。やはり、またここから始まるのだ。永遠に繰り返される、あの夏が。 しかし、ふと自分の手のひらを見たとき、彼は気づいた。 手のひらに、小さな、けれど確かに残っている、塩素の匂い。そして、心の中に残っている、不思議な充足感。 (……正気を保て、か) 彼は、ふっと笑った。初めて、このループの中で、心からの笑みを浮かべた。 例え明日になればまたリセットされ、世界が彼を忘れたとしても。あの白い迷宮で、共に歩いた記憶だけは、なぜか消えずに残っている気がした。 「……まあ、いいか。とりあえず、今日はアイスでも買いに行こう」 辰夫は、ゆっくりとベッドから降りた。外では、相変わらず夏の喧騒が続いていた。けれど、彼にとっての夏は、ほんの少しだけ、色を変えていた。