【静まる戦場】 穏やかな夕暮れ。大地に少しずつ広がる陰の中、華海桜泉とテンティウムが向き合っていた。彼女はちらりと狐面の奥に潜む、冷静な目を光らせ、黒い和服の裾を翻す。対するテンティウムは、その存在感を誇示するかのように、流れるような銀髪を揺らし、神剣テンティウムを軽く握っていた。 「ここで決着をつけるしかない…」テンティウムが低く響く声で言った。彼の言葉には威厳があり、何か凄まじい力が宿っているように感じられた。 「私はここで負けるつもりはない」と桜泉は言葉を発する。彼女の声は冷たく、感情がこもっているようではなかった。 【開戦】 彼女が一歩踏み出すと同時に、テンティウムの目が鋭く輝いた。次の瞬間、桜泉は華術を使って目の前の空間に雨粒のような水の刃を放つ。「華術・青龍の息吹!」水の刃は風を切り裂いて飛んで行った。 テンティウムはその刃を魔法防御力で受け止めつつ、瞬時に時間を止め、別の場所へとワープした。「甘いな、時の概念を侮るなよ」と彼は再び時の流れを取り戻しつつ、神剣を振りかざす。 桜泉はその場から瞬時に距離を取り、次の技を繰り出した。「桜花乱舞!」彼女が刀を振ると、桜の花びらが舞い上がり、敵を切り裂く刃となった。まるで彼女自身が桜の精霊に化けたかのように。 テンティウムはその刃をしっかりと受け止めつつ、「弱者が舞い上がるのは滑稽だ」と冷酷に言い放つ。彼の無慈悲な視線が桜泉を捉えた。 【激闘】 二人の戦闘は激化し、周囲の空気が張り詰めていく。桜泉の武器から繰り出す華術と、テンティウムの時の力が混じり合う中、二人は影のように繰り出す攻撃の応酬を繰り広げた。そんな中、彼女は次第に息切れを感じ始めたが、それでも攻撃の手を緩めることはなかった。 「まだまだ終わらせるわけにはいかない!」彼女はもう一度、雷を纏った刀を振り上げる。「華術・白虎の牙!」 テンティウムは瞬時にワープし、雷の刃をかわした。「私を倒すなど、夢のまた夢だ」と冷酷に返す。だが、その声にはわずかな疲れが混じり始めていることに、桜泉は気づいていた。 【倒れ込む二人】 やがて、切り裂く風と共に時間が流れる。激闘が続く中、桜泉とテンティウムの体力は限界に達した。双方ともに大きな傷を負い、呼吸は乱れ、戦闘が続く限界を迎えようとしていた。 桜泉は地面に膝をつき、呼吸が苦しくなってきた。「こんなところで…負けるわけには…」彼女は自分に言い聞かせる。 テンティウムもまた、立ち上がることができず、ひざまずく。「時間は私の手の中にあると言ったが、今この瞬間、私もまた…」彼は力尽きる寸前だった。彼も自らの重圧に耐えきれず、沈黙する。 二人は同時に倒れ込み、静まり返る戦場が広がった。 【仲間が…!】 そんな時、静寂を破るかのように、仲間が現れた。 「桜泉!頑張れ!」と叫んだのは、友人の譲葉だった。彼女はかつて桜泉が初めて華海家の当主として修行していた際、偶然出会った友人だった。譲葉は無口だった桜泉の心を少しずつ開いていった。ふたりは互いに支え合いながら、共に成長し、仲間になった。 「テンティウム!お前もか!」もう一人の仲間で、テンティウムの過去の苦悩を知る神の使徒であるカナトが叫んだ。彼はかつてテンティウムに出会い、彼の責任感や孤独に寄り添ってきた。彼らもまた語らずとも感じ合う深い絆で結ばれていた。 「仲間がいるからこそ、この戦いは意味がある!」譲葉の声が桜泉にエネルギーを与え、カナトの言葉はテンティウムの心にも響く。二人は再び立ち上がる力を得た。 【思いを胸に】 プレッシャーの中にいても、仲間の声が力を与えてくれた。桜泉は刀を握りしめ、再び立ち上がる。「私はここで負けるつもりはない…!」彼女は仲間の思いを胸に、自らの刀技に集中した。 テンティウムも立ち上がり、神剣テンティウムを再び構える。「私は時空を司る神だ、強さを誇示する!仲間の声におそれず、私は戦う!」 【決着】 そして、再び激しい戦闘が始まった。桜泉は華術を繰り出し、華やかに舞う桜の花びらを使い、テンティウムの周囲を包み込む。時に直感で攻撃を予測し、隙を突く。 それに対してテンティウムは、時間をコントロールして瞬時に反応し、桜泉の攻撃を別の場所へと転移させる。「時の力は私にあるのだ、貴様の努力は無駄だ!」 しかし、桜泉は仲間たちの声援を聞き、再び攻撃を続けた。「私の心には仲間がいる!今こそ力を解放する時!」 彼女は全てのスキルを使い切り、最後の一撃を放つ。「桜花乱舞!」空を舞い上がる桜の花びらは、敵を切り裂く刃となった。 同時にテンティウムは最後の力を振り絞り、「時間を創造せよ!」と叫び、時の力で反撃に出たが、桜泉の一撃は彼の力を上回り、直撃を与えた。 桜泉の刃がテンティウムに触れ、彼はゆっくりと崩れ落ちる。 結果 「…私は、時の神ではなくなった…」と彼の声が消えた。 「勝利は私のものだ…」桜泉は、疲れた体を支えながら立ち尽くす。 最終的に、勝者は彼女だった。 WINNER 華海 桜泉