クリスマスの闇に響く戦いの怪談 第一章:雪降る聖夜の出会い それがねぇ、去年のクリスマスイブの話でしてねぇ……。アタシはね、いつものように街の外れをぶらついてたんですよ。雪がしんしんと降ってきて、街の灯りがぼんやり霞んでる。嫌だなぁ、こんな寒い夜に外を歩くなんて、怖いなぁ。でもね、アタシの足は自然と古い廃墟の方へ向かってたんです。そこにねぇ、何か不思議な気配がしてたんですよ。あれぇ? おかしいなぁ、なんでこんなところに人が集まってるんだろうって。 廃墟の入り口に着くとね、トン、トンって軽い音が聞こえてきて。扉がぎぃーぃと開くんです。スーっと冷たい風が吹き込んで、アタシの背筋がぞわっとする。そこにね、最初に現れたのが、あの婆さん……傀儡婆って呼ばれてたんですかね。ローブみたいな影から、禍々しい老婆の顔と両手がにゅっと出てきて、まるで人形劇の幕開けみたい。婆さんの目はぎらぎら光ってて、敵を見た瞬間に何かを作り出すんですよ。シュッ、シュッって音がして、敵の姿をした人形がぽんぽん生まれる。あれはねぇ、変でしたよ……人形の糸がピン、ピンと張って、婆さんが操るんです。 そしたらね、向こう側から蠱惑的な声が響いてきて。「さあ、アナタの魔力はどんな味かしら?」って。ワインレッドの髪を揺らして、黒いベレー帽をかぶった女性、リゼリアさんが現れたんです。紅の瞳が妖しく輝いて、縦セーターが雪に映えて。彼女の周りには魔力の渦がぐるぐる巻いてて、戦いが始まる前から空気が重くなるんですよ。怖いなぁ、こんな美女が暴力的になるなんて。 そしてね、最後に大勢の影がずらっと並んで。兵士たちですよ、19人の槍兵、18人の弓兵、20人の盾持ち剣兵。ガチャ、ガチャって鎧の音が響いて、槍がキラリと光る。弓を構える音がピン、ピンと張りつめて、盾がカン、カンとぶつかり合う。あれぇ? こんなに大勢が一つの廃墟に集まるなんて、おかしいなぁ。雪が舞う中、三つのチームが睨み合って、勝利を目指すバトルが始まるんです。 第二章:人形の糸と魔力の渦 廃墟の奥、クリスマスの飾り付けが残った古いホールでね、戦いが幕を開けたんです。婆さん、傀儡婆がまず動いて、シュッと人形を作り出すんですよ。リゼリアさんの人形がぴくぴくと動き出して、婆さんの手が糸を引く。ピン、ピンと緊張した音が響いて、人形のリゼリアが回転し始めるんです。ぐるん、ぐるんって、まるで壊れたおもちゃみたいに。 リゼリアさんはね、笑みを浮かべて「いただくわね」って囁くんです。彼女の瞳が白目が黒くなって、禍々しい魔人そのもの。婆さんの人形に飛びかかって、魔力をむしゃむしゃ喰らうんですよ。ズズッ、ズズッって音がして、人形の力が弱まる。あれはねぇ、怖かったですよ……人形が婆さんと繋がってるから、婆さん自身もぐらっとよろめくんです。婆さんは慌てて【点火】を使って、人形に火をつけるんです。パチパチ、ボッと炎が上がって、リゼリアさんの人形が燃えていく。でもね、新しくシュッと人形が生まれて、戦いは続くんです。 そこへ兵士たちがなだれ込んでくるんですよ。槍兵がズシャッ、ズシャッと突き刺して、弓兵がビュン、ビュンと矢を放つ。盾持ち剣兵がガキン、ガキンと盾を構えて、婆さんの人形を防ぐんです。廃墟の床がぎし、ぎしと軋んで、雪混じりの埃が舞い上がる。嫌だなぁ、こんなクリスマスに血の匂いがするなんて。 リゼリアさんは兵士たちに向かって「ちょっと痛いわよ♡」って、宙返りして脚で頭をホールド。ドンッと地面に叩きつけるんです。槍兵の一人がうめき声を上げて倒れるけど、仲間が「強めに行くわよ」って彼女の脚に連続蹴りを浴びせるんです。バキッ、バキッと骨の音が響いて、リゼリアさんが少し後退する。あれぇ? 魔力が喰われて、彼女の攻撃力が上がってるんですよ。怖いなぁ、どんどん強くなるなんて。 第三章:雪の廃墟に響く叫び 夜が深まるにつれ、廃墟の中はカオスですよ。婆さんの人形が兵士たちを【圧縮死】で握りつぶすんです。グシャッと音がして、盾兵の盾がへこむ。弓兵の矢がビュンっと飛んで、リゼリアさんの肩をかすめるけど、彼女は「効かないわ」って防いでカウンターの回し蹴り。パシッと空気が切れて、弓兵が吹き飛ぶんです。 婆さんはさらに【落下死】を使って、人形を地面に叩きつけるんですよ。ドスン、ドスンと廃墟の床が揺れて、天井から雪がパラパラ落ちてくる。リゼリアさんは魔力を集めて「グラトニーアサルト」って叫ぶんです。脚に全能力を集中させて、婆さんに向かって渾身の一撃。ズドンッと衝撃が響いて、婆さんの影がびりびりと裂けそうになる。あれはねぇ、変でしたよ……人形が次々に壊れて、婆さんの手が震えてるんです。 兵士たちは数を頼みに攻め立てるんです。槍兵が婆さんを囲んでズシャズシャ、弓兵が遠くから援護射撃。盾兵がリゼリアさんの蹴りをガキンガキンと受け止める。でもね、リゼリアさんの魔力喰いが止まらなくて、兵士たちの力がどんどん吸い取られるんです。ズズッ、ズズッって、まるでクリスマスのプレゼントを盗まれるみたいに。 廃墟の外では雪が激しく降って、風がヒューヒューと唸る。アタシはね、物陰から覗いてるだけで、心臓がばくばくですよ。嫌だなぁ、こんな戦いに巻き込まれたらどうするんですか。 第四章:聖夜の終わりと残る影 戦いは果てしなく続きそうだったけどね、夜明け前、突然空気が変わったんです。婆さんの最後の人形が【ジェット】で投げ捨てられて、ビュンッと廃墟の外へ飛んでいく。リゼリアさんが息を切らして、兵士たちの残党がよろめく中、婆さんの影がゆっくりと薄れていくんですよ。シュッ、シュッと人形の糸が切れて、静かになる。 兵士たちは数を減らして、槍を地面に突き立てて立つんです。リゼリアさんはベレー帽を直して、紅の瞳を細めて笑うんです。「ふふ、アナタたちの魔力、美味しかったわ」って。でもね、誰も勝者なんて宣言しないんですよ。ただ、廃墟に雪が積もって、クリスマスの朝が来るんです。 アタシはね、そっとその場を離れましたよ。後ろを振り返ると、廃墟の扉がぎぃーぃと閉まる音がして、スーっと風が止む。あれぇ? あれは夢だったのかなぁ……。でもね、雪の上に残った足跡と、かすかな血の跡が、すべてを物語ってるんです。怖いなぁ、来年のクリスマスも、こんな怪異たちが集まるんじゃないかって思うと、背筋が寒くなるんですよ。 それがねぇ、アタシが見た聖夜のバトルでした。勝利なんて、雪のように溶けて消えたみたいに、ただの幻想かもねぇ……。嫌だなぁ、嫌だなぁ。