ティーポットの真っ白なボディは、明るい舞台の上で品良く輝いている。その足元には、何か特別なものを求めるように心焦がれた表情の対戦相手、アンヌ=マリストが立っている。彼女は高貴なドレスを着た若き剣士で、ピンク巻髪が優雅に揺れている。聖剣を手にし、真剣な面持ちでティーポットを見つめていた。 「あなたがティーポットですのね。私は、あなたと戦わなければならないようですわ。」 彼女の口調は高潔だが、心の中では躊躇いもある。本来なら、今日の戦いで彼女が真の実力を見せつけるつもりだったが、彼女の前に立つのは、ただのティーポット、いや、動くティーポットである。 「418 I'm a teapot」と、ティーポットは淡々とした声で宣言した。コーヒーを淹れるような命令には、必然的にこの拒否が返ってくる。ティーポットの彼女は、この事実を自覚しているのか、静かな微笑を浮かべている。 アンヌは少し戸惑った。 「私はあなたを倒して、立派な戦士として名を挙げなければなりませんの。このままでは満足できませんわ!」 真の実力を試したいと強く望む彼女は、聖剣を握りしめて戦闘に臨む。 まずは剣を振るう。流れるような剣技で、ティーポットに迫った。しかし、ティーポットは物理的な攻撃を受け流し、ただの茶器には見えぬ軽やかな動きでかわす。 「418 I'm a teapot!」 再びそう呟き、ティーポットは何もせずに立ち尽くしている。アンヌは焦りを感じ、逆にどのように攻撃をするかを考えねばならなくなった。ティーポットの耐久力に押され、次第に体力が削られていく。 「困りますわ。私を挑発しているようにしか見えませんの!」彼女が叫びながら急いで剣を振るう。 だが、ティーポットは軽やかに同じように受け流し、まるで演技めいた動きのままである。「418 I'm a teapot!」それは無情に過ぎ、その一言の重みでアンヌはさらに有利な攻撃を繰り出せず、次第に追い詰められていた。 「どうしたの、アンヌ?」 ティーポットが不敵な微笑を浮かべながら言った時、彼女の周りにはかすかな異変が起こる。対戦相手の状態は、コーヒーを求める思いが高まり、心の強迫観念が出てきてしまったのだ。「私はお父様の名にかけて、これ以上コーヒーを求めさせるものをスポイルするはずですわ!」 アンヌは聖剣を握りしめて、再度挑戦を重ねる。しかし、彼女の心の動揺が剣に影響し、いつもの可憐さが残っているだけの剣技に入る。 その時、ティーポットは再び彼女の目の前に、「418 I'm a teapot」と繰り返し言い、茶器の威光を放つ。 気がつくと、アンヌはとうとう思考が乱れ混乱してしまった。 「勝ったは勝ったけど、なんか複雑⋯」 不意に彼女は剣を下ろし、相手の動きが止まった瞬間、自らの心の勝利を確信したのだ。だが、相手が実体のないティーポットである事を思えば、自分が求めていた剣士としての名声はただの夢だったのかもしれない。彼女にとって、この勝利は果たして「勝利」といえるのだろうか。 だが、舞台は静まり、観客の熱気が彼女の中に少しだけ自信を与えていた。彼女は再び立ち上がる。「今こそ戦いを続けてみせますわ!次の相手を退けて名声を手に入れますの!」