主の場合 ある日、小5年生の主は、ゲームの攻略本を読みながら自宅でくつろいでいた。外は良い天気で、もしかしたら友達と遊びに行くチャンスかもしれないと期待しながら、ふと電話が鳴り響いた。普段の生活の中で、電話がかかってくることはほとんどなかったため、主は少し驚いた様子で受話器を取り上げた。 「もしもし?」 「お世話になっております。こちらは○○銀行コールセンターですが、ご本人様の確認をさせていただきたいのですが。」 電話の向こうで、巧みな口調の詐欺師が話し始めた。主はすぐに察知する。これはただの金融機関の電話ではないと。自分は腐女子であり、おまけに小5の子供、こうした詐欺には簡単に引っかからないと、内心思った。そして、彼女の能力、つまり「オタク知識」を駆使することを決めた。 「銀行?ああ、私、マインクラフトの中でお金いっぱい持ってる。実際の銀行口座なんてないけど、どうする?私の皮膚の下に隠し財産潜んでるとか、整骨院での体重計測が必要な感じ?」主はサブカルチャーの話題に引き込むことで、詐欺師のペースを乱そうとした。 詐欺師は一瞬言葉を失うが、すぐに調子を取り戻しようとする。だが、主は怯まなかった。「ちなみに、私、あなたの名前の由来、知ってるよ。○○銀行だから、あのアニメのキャラの名前だよね!」 話の流れを変え、作品名やキャラクター名を次々に挙げていく。詐欺師は話を合わせようとするが、主の知識の深さに圧倒されている様子だ。主はさらに追い討ちをかけた。「実はね、僕の一番好きなCPって、そんなゴールデンタイムの作品じゃなくて、もっとマイナーなやつなんだ!知ってる?」 詐欺師は「し、知らない」 「やっぱりそうだよね!きっとあんた、そういうの興味ないタイプだもん、残念!」 主は最後に、力強く言った。「だから、もう一度言うけど、私の銀行口座にはお金がありません。アニメのキャラのコードでトレードするほうが楽しいから!」 詐欺師はついに音を上げ、電話を切った。