ある秋の夜、廃病院の廊下は、かすかな月明かりに照らされていた。廊下の隅々からは、不気味な陰影が揺らぎ、過去の悲劇を語るかのようだった。心霊系YouTuberがカメラを手に、興奮した様子で喋りまくっている。 「この病院には、吊り女が現れるという噂があるんだ。今から、その真実を確かめに行こう!」と、彼はレンズ越しに興奮した声を上げる。だが、彼にはあらゆる恐怖が待ち受けているとは夢にも思っていなかった。 その時、一気に空気が変わった。天井から長い黒髪の幽霊、吊り女が逆さまにひらひらと降下してきた。赤いワンピースが月明かりで輝き、彼女の存在感は圧倒的だ。 心霊系YouTuberはその姿に凍りついた。一瞬の後、彼女は彼を捕まえようと、鋭い手を差し出した。 「これはまずい!」心霊系YouTuberはカメラを構えたまま、彼女から離れようと大きく後退りした。 「逃がさない!」吊り女はその異常な腕力で彼を引き寄せようとする。 「ち、ちがう!俺はただ映像を撮りたいだけなんだ!」彼は悲鳴を上げる。 その時、三途の川の渡り舟が静かに流れてきた。木の舟の上には見えない力が宿っている。彼女が近づくと、舟は運ぶ準備を始めた。 「彼を運ぶつもりか?」と場面の変化に気づいたのは、笑わない幽霊パンダ、じぇっとぱんだ 魔理だった。彼は淡々とした表情のまま、「待て、まずは笑わせてみろ」と囁くように言った。与えられたチャンスに、すぐさま暗黒ジョークを放つ。「この病院に住むには、まず幽霊の電気代払う必要ある。…タダだってよ!」 心霊系YouTuberは、じぇっとぱんだのジョークを聞いて微笑んでしまった。 「な、なんだそれ?!」 彼は思わず笑ってしまう。