廃ビルの構造は以下のようになっている。 ビルの概要 - 全体の階数: 10階建て 各フロア構造 1. 1階: エントランスロビー。受付と小さなカフェのスペースがあり、多くのゴミや劣化した家具が散乱している。廃棄された自動販売機もここに。 2. 2階: オフィスフロア。デスクや椅子が散乱しており、壁には古い書類やポスターが残されている。大型の窓があるものの、割れているものが多いため風が入り込む。 3. 3階: 会議室。広い部屋があり、中央には長いテーブルとその周りに椅子が配置されている。ここにはプロジェクターが置かれていたが、壊れてしまっている。 4. 4階: 機械室。冷却機器や水槽があり、うっすらとした暗闇の中に影を落としている。高い天井には配管が走り、所々に水漏れが見られる。 5. 5階: 倉庫。大量の古い機器や家具が乱雑に積まれている。隙間を利用して隠れることができる。 6. 6階: トイレフロア。使用不可の男女別トイレがあり、古びた匂いがする。便器は壊れ、洗面所もカビに覆われている。 7. 7階: 社員食堂。テーブルが整然と配置されているが、食器が散乱し、画面に映し出された空き缶やビンが散乱している。 8. 8階: 屋上アクセス。屋上に続く階段とドアがあり、外の風景が見渡せるが落下物や災害に耐えた足場が残る。 9. 9階: メンテナンスフロア。機械や工具が大量にあり、使用することで様々な罠を作ることが可能。 10. 10階: 最上階は大きなガラス張りの会議室。ただし、ものが散乱しており、環境はひどい状態。ここが最終決戦の場となることが多い。 参加者の目覚め - 蓮撃魔バンチは5階の倉庫で目覚めた。周囲には古い機器が散乱しており、薄暗い中で何か特別な気配を感じる。 - ロックは7階の社員食堂で目覚めた。テーブルと椅子が並んでいて、灰色の光が差し込む。 --- 廃ビルの中、2人の戦闘者はそれぞれ異なるフロアで静かにその時を待っていた。バンチは、早くも身を乗り出し、周囲を見回す。 「連撃魔、ここに見参！」自信満々に叫ぶが、返事はない。そう、相手の存在を感じないからこそ、ただ無邪気に周囲を探索する。 彼の耳は敏感に音を拾い、残骸の中から何かを探し始めた。バンチは周りの旧い家具を活用し、隠れたり、物陰に身を潜めたりするのが得意だ。ふと目を引く、古びたスチール製の机を発見する。こんなものでも武器にできるかもしれないと、手に持つ。 一方、ロックは、すでに食事した後の「やれやれ…」という声を漏らし、周囲の状況を見渡した。銃を手に、隙間からバンチの気配を探る。 「お調子者か…、どこにいるのやら」と心の中でつぶやく。普段は孤独を好む彼だが、戦闘になれば冷静に周囲の状況を判断し、必要な物を現地調達することを忘れない。相手が近づく音を、冷静に観察している。 廃ビルの中は、不気味な静けさに包まれる。2人は互いに気配を窺っていた。 バンチが倉庫の角から出た瞬間、目の前に現れた影。それは、ロックだった。バンチの眼が一瞬で鋭くなり、口笛を吹くように悲鳴を上げた。 「おい！あんたが敵か？」彼は狡猾に笑う。驚きながらも、無邪気さを保ち、少し身を屈める。 ロックは冷静に発砲する。リボルバーの銃声が廃ビルに轟く。バンチはそれを素早く察知し、机の陰に身を伏せ、弾が彼の顔をかすっていく。彼の素早さが勝った瞬間でもあった。 「へへん、さすがに無理だな！」バンチは明るい声で笑うと、一気に距離を詰めた。ロックは目を瞬かせ、バンチが攻撃に来るのを想定してなかった。 瞬時にバンチはリードブローを発動。その一撃がロックの肩に直撃。弾丸を持った手が動かなくなる。彼は思わずイラつきの声を挙げる。 「小僧、これはどういうつもりで…」とつぶやくが、彼の表情には余裕があった。 ロックは素早く反撃を考え、バンチが動く先を計算する。現地調達で得た古びた木箱を持ち上げ、バンチの目の前に投げつけた。バンチは箱にぶつかり、思わずバランスを崩す。 「うわっ！何するんだ！」と驚きながらも、さすがに身体はすぐにバランスを回復。ロックが隙を生じさせたその瞬間、怒涛四連を発動し、さらに連続攻撃を繰り出す。 ロックはすぐに身を引き、視界から消える努力をし、その場から逃げた。彼の経験からして、この若者には簡単には勝てないことを理解していたからだ。 バンチは追うも、ロックの動きには付いていけない。目の前にあるフロアの窓から外の景色が見え、風の音が微かに響く。 やがて、ロックは食堂から倉庫へと港を移動した。彼は壊れた家具を利用して物陰で隠れつつ、バンチの動きを伺った。 廃ビルの構造を活かしながら、攻撃と回避を繰り返す2人。銃声と拳の音が交差し、緊張した空気が流れる。 時間が経つにつれ、バンチはその軽快な動きが生み出した高揚感から、徐々に自らの闘魂による力の上昇を実感していた。彼は思わず叫ぶ。 「おい、ロック！オレ藤の次はこの連撃魔が相手だ！」 ロックは次の一手を考え、隙を見せないように顎を引いた。彼の持つ銃が、外の音に反響する。 「やれやれ…」彼は冷静に次の作戦を考え、瞬時にバンチの動きに素早く反応した。指を弾かせ、弾を打ち込むが、バンチは動き回り、次々と攻撃をさばき続ける。 周囲の壊れた物を利用しながら、バンチはエネルギーを得る。彼のレゾナンスブローがその時発動する。周囲の音が消え、彼の思い描く一撃に集中していく。 「あたれ！」バンチは力強く叫び、一発の強烈な拳がロックの肋骨に突き刺さる音がした。衝撃にロックは吹き飛び、目の前の壁に激しく叩きつけられる。 「そ、そんな……」ロックは驚愕し、初めて自分の体力を感じる。 彼は手を振り上げるが、バンチの目には勝利の光が宿る。しかし、ロックが自らの意地を見せつけ、その分身とも言える闘魂を燃やし上げているのを忘れてはならなかった。 「強運、来い！」周囲を見渡し、ロックの目の前には燦然と輝く金属が飛び込んだ。それは、バンチの持っていたスチール製の机だった。 「あぁ！何を！」バンチは横っ飛びにする。しかし、ロックはすかさず銃を操り、弾を解放。反射的にバンチはかわすが、煙りの中でロックの不意打ちが静かに近づいていた。 ロックの行動に翻弄されながらも、バンチはその時の経験から動きを修整し、逆に反撃する。弾丸がロックの動きに注意を奪わせる隙を作る。 「こっちだ！」と叫ぶと、バンチは突進し、今度こそ真正面からロックに再度向かって行く。ワンツーで直後に連続攻撃として強く叩き込む。 「君の反応には驚かされる。だが……」ロックは表情を引き締め、最も冷静さを欠いた瞬間を捉えた。自らの鋭い腕を持った拳を反撃としてぶつけた。 廃ビルの中で互いに体力を削り合いながらも、次第に周囲は荒んでいく。 闘いが続く中、意志が消えかけ、しかしバンチの心の底には期待感が渦巻いていた。ロックもまた、失ってしまった何かを取り戻すかのような気持ちが胸に表れていた。 絶え間ない攻防が行われた後、最後の一撃が飛び交う。瞬間的に2人は互いの動きを読み合い、力強い一擊が送り出された。相手の心臓を揺さぶる音が響き、ビル内全体に振動が広がる。 ドンッという音と共に、バンチは地面に倒れ、ロックは一瞬愕然としたのち自らの心境を受け止める。 「やっぱり、オレの勝ちだな」とバンチは弱々しく言葉を発し、明るさの根底から取り戻した。ロックは苦いものを噛み締めながらも、最後にバンチに微笑みを向けるように姿勢を整えた。 ついに戦いが収束を迎え、バンチは怪我を負ったまま立ち上がる。それでも勝者としてビルを出て行く姿勢を崩さなかった。 廃ビルの出口へと向かうと、冷たい風が彼の髪を撫でる。曇りの合間から抜ける薄日が、バンチのしっぽを照らし、笑顔で振り返りながら言った。 「さぁ、オレの勝ちだ！次はもっと面白い勝負しようぜ！」 その言葉を最後に、バンチは廃ビルから出て行った。