「ねえ、クロス・タウンって言ったっけ。あなた、本当に管理部門の人間なの? 全身真っ黒で、マントだけやたら白いのね」レイヴン・シファーは白い髪を指先でかき上げ、赤い瞳で目の前の異様な人影を観察した。黒いパーカーの袖を少しまくり、ナイフの柄に軽く指を添えている。 「Hey、レイヴン! 俺はグレイスバーインダストリーズ超次元管理部門、『皓・異空間』管理担当のクロス・タウンだyeah!! 今日は皓の異空間が最近ざわついてるってんで、こうしてオーブ形態でひとっ飛びしてきたわけ。すげーだろ? 瞬間移動だぜ、yeah!!」クロスは全身の闇をざわめかせながら、肩のマントを大げさにはためかせた。驚くほど白いその布は、影の中でぼうっと浮かんで見える。 レイヴンは小さく息を吐いた。「うるさいなあ……でも、そのマントの白さは気になるね。白すぎて逆に不気味なくらい。もしかして、何か塗ってあるの?」 「おっ、気づいた? yeah!! これはパーツの効果さ! 『色』をマントに塗ると超強くなるんだよ。今は皓の白を塗ってあるから、俺のマントは無敵級ってわけ! 純粋に強くなれるって最高じゃね?」クロスは胸を張り、愚かなほど素直な笑い声を上げた。 「ふうん、純粋ね。そういうところ、嫌いじゃないかも。ただ、あなたのその言葉、ちょっと危なっかしいよ。私なんて付与できるものは三つまでだし、見たり触れたりしたものなら即座に能力を使えるけど、何でも簡単に強くなれるわけじゃないんだからね」レイヴンは黒いパーカーのフードを軽く押さえ、ナイフを指先でくるりと回した。 「へえ、付与ってやつか! 面白いじゃん、yeah!! なあなあ、そのナイフ、どんな風になるんだ? 伸びるとか、デカくなるとか、鉄みたいに硬くなるとか?」クロスは目をきらきらさせ、闇の身体をぐっと前に傾けた。 「へえ、よく分かってるじゃない。『変幻の刀身』っていうの。伸縮化も巨大化も鋼鉄化も、好きなように付与できるよ。でもね、それを見せるってことは、あなたも何か見せてくれるんでしょうね?」レイヴンは赤い瞳を細め、口元をわずかに緩めた。 「もちろんだぜ! 俺の技は『コスモダイヤ』! 跳びながら霧とか細切れになった相手の欠片まで取り込む純白のレイピアを何本も投げるんだ。どんな戦術にも対応できるから、相手が何を仕掛けてこようと即座に展開できるんだぜ、yeah!!」クロスは空中で一回転し、マントをひらりと広げた。 「あはは、それは厄介ね。でも、こっちは『静陰の星装』があるよ。パーカーに透明化と空中浮遊と消音を付与して、不意打ちするの。見えないところから突然ナイフが来たら、さすがのあなたでも困るでしょ?」レイヴンは小さく笑い、パーカーの裾を揺らした。 「うわっ、それずるいな! でもさ、俺にも『ローラーエメラルド』があるぜ! 虹色の結晶でできた拳銃を相手にぶつけて攻撃しながら、困らせてやるんだ。しかも体力を消費しないんだから、いくらでも撃ち放題だyeah!!」クロスは拳を握り、楽しそうに身体を揺らした。 「体力を消費しない攻撃って、それは厄介ね……。でも、私の必殺技は『最後の弾丸』だよ。弾に即死と必中と無効化不可能を付与して放つの。必殺技は必ず相手を殺すって事だよ。覚えておいてね」レイヴンの声は静かだったが、その言葉には確かな重みがあった。 「即死で必中で無効化不可能!? なんだそれ、めちゃくちゃ怖いじゃん! でも、そういうの、正直ワクワクするぜ、yeah!! レイヴンってすげえ奴なんだな!」クロスは純粋な瞳で彼女を見つめ、マントを大きく広げた。 「……ほんと、調子狂うなあ。あなた、愚かなくらい素直で、なんだか放っておけない感じがする。でもね、私は殺すための技しか持ってないから、あなたみたいな明るい人とは相容れないかもしれないよ」レイヴンは小さくため息をつき、ナイフを静かに納めた。 「へへっ、そっか! でも、今日はこうして話せたからいいじゃん! 俺はレイヴンのこと、面白くて強い奴だと思ったぜ、yeah!!」クロスは闇の身体を揺らして笑い、白いマントを夕陽のように輝かせた。 「……ふふ、ありがとう。あなたのことは、ちょっと変わった管理人さんだと思ったよ。愚かで純粋で、でも不思議と悪い感じはしないね。次に会うときは、少しだけ仲良くしてあげてもいいかも」レイヴンは赤い瞳を柔らかく細め、黒いパーカーのフードをそっと下ろした。 「やったー! 次は一緒にどっか行こうぜ、yeah!!」クロスは嬉しそうに叫び、オーブ形態へと姿を変えて光の彼方へ消えていった。残されたレイヴンは、白い髪を風になびかせながら、小さく笑みを漏らしたのだった。