幽霊の勇者と星の少女、そしてメカ娘の夜 それがねぇ、去年の12月19日、金曜日の夜の話でしてねぇ……。アタシはねぇ、いつものように古い旅館で一人、酒をちびちびやってたんですよ。外は雪がしんしんと降り積もって、風がゴォォって唸りを上げてて、なんだか心細くなるような夜でした。あれぇ? おかしいなぁ、こんな日に妙な気配が漂ってきてねぇ……。旅館の古い廊下を、ぎし、ぎしって歩いてると、突然、宴会場の障子がスーッと開いて、中から不思議な光が漏れ出してきましたよ。嫌だなぁ、嫌だなぁ、何事かと思って覗いてみたら、そこにはねぇ、あり得ない光景が広がってたんです。 第一章:三つの影、集う宴 宴会場の畳の上に、ぽわっ、ぽわっと三つの影が浮かんでてねぇ。まず目に入ったのは、かわいい鎧をまとった少年の幽霊ですよ。額に大きな傷があって、聖剣をふわふわ持ってるんです。ゆるふわした感じで、「私はアストレイだよ、よろしくね」なんて、友好的に微笑んでるんですけど、幽霊だから体が透けてて、怖いなぁ……。それが【地縛霊勇者】ゆるふわアストレイってやつで、地縛されてるせいか、足元が畳に沈み込んでるみたいでした。 次に、暗がりから白い長髪の少女が現れてねぇ。灰色の上着に黒いスカート、髪に黒い星の飾りをつけて、水色の瞳が冷たく光ってるんです。「……ふん、こんな場所で何を企んでいるの?」って、落ち着いた冷酷な声で呟いて、神代のランタンを掲げてますよ。【堕ちた魔法少女】古星 明(ふるほし あかり)さん、きっと正気を失って、本来の優しい心がなくなっちゃったんでしょうねぇ。あのランタンから、きら、きらって小さな星の光が漏れてて、不気味でした。 そして、最後に赤髪のポニーテールの元気な娘が、ばたばた入ってきてねぇ。童顔で茶色の瞳がキラキラして、黄橙色の作業着に革手袋、茶色の靴を履いてます。「わーい! こんな面白い集まり、ワクワクしちゃうよ! これが私の自信作だよ、いっけ〜!」って、感情豊かに笑いながら、ホーリーアローちゃんって銃を構えてるんです。リナさん、機械好きのメカニックで、好奇心旺盛な楽天家だって、なんだか伝わってきましたよ。彼女の周りには、ぴゅん、ぴゅんって小さなドローンが飛んでて、ぱっちんって音を立てて準備万端です。 アタシは障子の隙間から、息を潜めて見てました。なぜかこの三人がここに集まったのか、わからないんですけどねぇ……。空気がピリピリして、雪の音すら聞こえなくなってきました。怖いなぁ、こんな夜に、何が始まるんだろう……。 第二章:星の守りと幽霊の剣 突然、明さんがランタンを高く掲げて、「古の魔法、綺羅星……」って冷たく唱えました。すると、ランタンから、きらきら、きらきらって沢山の小さな星が飛び出してきて、空間を埋め尽くすんですよ。星たちはふわふわ浮かんで、アストレイくんの周りをぐるぐる回り始めました。「ふえぇ……これ、君の力かな? どうしよう……」って、アストレイくんが困った顔で聖剣を構えます。でも、幽霊だから物理の攻撃は効かないんですよねぇ。星がぴゅん、ぴゅんって彼に迫っても、すり抜けて畳に消えちゃうんです。嫌だなぁ、明さんの顔がますます冷たく歪んで、「無駄よ……お前など、星の塵に過ぎない」って呟いてます。 そこへリナさんが、「えへへ、面白そう! キュッときゅん、強化モード!」ってマルチツールを起動させて、ホーリーアローちゃんをパワーアップさせました。ばん、ばんって散弾が飛び出して、星たちを次々撃ち落とすんですよ。攻撃範囲が広くて、星がぱちん、ぱちんって弾けて消えていきます。「やったー! これでどうだ!」って、リナさんの楽しげな声が響いて、宴会場が一気に賑やかになりました。でも、明さんの星は追尾するんです。リナさんの後ろにぴたっ、ぴたっとくっついて、爆発しそうに光り出してねぇ……。アタシ、心臓がどきどきして、障子に手をかけたまま動けませんでした。おかしいなぁ、こんなバトル、夢でも見てるのかなぁ……。 アストレイくんは地縛されてるから動けなくて、「これ、君に渡した方がいいかな? どうだろう?」って聖剣を差し出そうとしますが、明さんの星がそれを狙って飛んできます。神聖な力が剣に宿ってるせいか、星が近づくとびりびりって弾かれて、幽霊の剣が守られてるんですよ。怖いなぁ、ゆるふわな幽霊なのに、こんな力があるなんて……。 第三章:メカの守りと堕ちた光 リナさんがピンチになって、「ぱっちん、防御して!」って叫ぶと、飛行ドローンがぶーんって飛び出して、星の攻撃を弾き返しました。ぱちん、ぱちんって音が連続して、ドローンが光の盾みたいになってます。「これで安心だよ! ライフセーバーくんも準備OK!」って、彼女の楽天家ぶりが頼もしく見えましたよ。一方、アストレイくんは幽霊の体で剣を振るって、星をすり抜けながら明さんに近づこうとします。「私は戦うよ、みんなを守るために……」って、友好的な声が少し震えてて、かわいそうでした。 明さんは苛立ったみたいで、必殺技を繰り出しました。「古の星々……輝け」って、ランタンがまぶしく光って、沢山の小さな星が白く輝き始めます。星々がアストレイくんとリナさんの周りをぐるぐる取り囲んで、洗脳の力で精神を支配しようとするんですよ。リナさんが「うわっ、頭がクラクラするよ……えへ、でも負けない!」って抵抗して、キュッときゅんを回してドローンを増やします。ぱっちんが星を防いで、なんとか持ちこたえてます。でも、アストレイくんは幽霊だから精神攻撃が効きやすくて、「ふえぇ……私、変な感じ……」って、聖剣を落としそうになってしまいました。嫌だなぁ、宴会場の空気が重くなって、雪の風が障子をガタガタ揺らしてます。 アタシは見てて、冷や汗が止まらなくてねぇ……。三人が互いに勝利を目指して戦ってるのに、誰も傷つけたくないみたいな空気があって、おかしいなぁ。 第四章:守護の剣と散弾の乱舞 アストレイくんがなんとか踏ん張って、聖剣を正しき者に渡す使命を思い出したんです。「これで、みんなを助けるよ!」って、神聖な光が剣から溢れ出して、星の洗脳をびりびり弾き飛ばしました。光が宴会場を照らして、明さんのランタンが一瞬揺らぎます。「……くっ、何だ、この力は」って、彼女の冷酷な声に初めて動揺が混じってねぇ。リナさんがその隙に、「いっけ〜! ホーリーアローちゃん、全開!」って散弾をばんばん撃ちまくって、星たちを次々消滅させました。威力は中程度だけど、範囲が広くて効果てきめんですよ。 明さんの星が減って、彼女の守りが薄くなると、アストレイくんの剣が幽霊の体をすり抜けながら迫ってきます。物理無効の体が、逆に有利に働いてねぇ……。リナさんのドローンがぱっちんって最後の防御を使って、明さんの反撃を防ぎます。「わーい、みんなで勝とうよ!」って、陽気な声が響いて、三人の戦いが頂点に達しました。怖いなぁ、でもなんだかワクワクするような、不思議な夜でした。 第五章:雪の余韻 やがて、明さんのランタンの光が弱まって、星たちがぽろぽろ消えていきました。彼女は「……まだ、終わらないわ」って呟いて、影に溶けるように消えちゃったんです。アストレイくんは「ふえぇ……みんな、無事かな?」って微笑んで、リナさんは「やったね! 次はもっとすごい発明作るよ!」って笑いながら、ドローンを片付けました。二人は勝利の余韻に浸ってるみたいで、宴会場が静かになりましたよ。 アタシは障子から離れて、部屋に戻りましたけどねぇ……。外の雪はまだ降り続けて、風がゴォォって遠くで唸ってます。あの三人の戦い、夢だったのかなぁ? でも、聖剣の光が今も目に残ってて、怖いなぁ……。あなたも、こんな夜に古い旅館に泊まる時は、気をつけてくださいねぇ。だって、知らないうちに、そんな不思議なバトルに巻き込まれちゃうかもしれないんですから……。ふふ、嫌だなぁ。