ギルドの部屋は薄暗く、蝋燭の灯が揺らめいている。4名の職員たちが集まり、テーブルの上には手配書が散らばっていた。彼らは今回の依頼対象者たちの危険度を評価し、それぞれに懸賞金を設定するための真剣な会議を行っていた。 最初に職員の一人が手配書を手に取り、重くため息をついた。「まずは、こいつからだ。『巨人』と名乗る『だいだらぼっち』。見ての通り、外見が巨体で上半身が裸。穏やかだが、手を出されれば戦うらしい」と言った。 別の職員が黙ってその手配書を覗き込む。「攻撃力も防御力もレベルが高いが、魔力が無いのが救いか。戦法は格闘と岩石投げ。山や湖を造ったりするあたり、ただの暴力的な存在ではないようだ。どちらかというと、自然界の守護者といったところか」 「俺もそう思う、平和主義者だと自称しているみたいだけど、危害を加えられば戦うと言っているからな」と別の職員が続けた。「懸賞金は……そうだな、穏やかさを考慮に入れつつも、能力の危険度を考えれば、3000ゴールドくらいに設定しよう」 「了解だ。次は、巨大なモーター屋か?」と手配書を次のものに移した職員が言うと、他の職員たちも頷いた。 「この“店”は戦闘開始前に塊な除草剤を撒いて相手の防御力を無力化し、更に猛毒で毎ターンダメージを与える。戦闘時も攻撃時に相手の攻撃力と素早さを奪う能力がある。この場合、攻撃力は普通だが、特殊能力が厄介だぜ。戦闘が長引くと毎ターン効果が出る上、鼓舞をし続けるということも考慮しないといけない」 「確かに、相手を倒すのは普通の戦いよりも難しいだろう。魅力的な能力だ。懸賞金は4000ゴールドだな。それでも倒した者には大きな名声が得られるだろうから」 皆は頷き、次のキャラクターの手配書を見た。 「次は『スプリングトラップ』だ。二足歩行のアニマトロニクスで凶悪な過去を持つ。凶悪犯罪者の遺体が内部に固定されて一体化してしまったという非常に恐ろしいものだ」と一人の職員が述べた。 「しかも、自分の最も恐れているものの幻影を見せる能力か。恐怖感により、相手は真実の実力を発揮できない。攻撃も凶悪で、外殻も丈夫だ。これを捕まえるのは非常に厳しいだろう」 「懸賞金は5000ゴールドが妥当かと思う。倒せる冒険者は少ないだろうから」 そして、最後の手配書を見つめる職員たち。「これが■■■、黒い不定形な存在。実験で生まれた謎の存在は、相手の能力や身体的特徴を受け継ぐ力を持っている。利用されてしまうと厄介だろう」 「何をされるか分からない怖さから、危険度はかなり高い。懸賞金は6000ゴールドが妥当だろう。だが、捕まえた者がどうなるかわからないリスクも伴う」 職員たちはお互いに見つめ、うなずいた。全ての手配書を再度確認し、危険度と懸賞金を設定することに決定した。 「では、まとめるぞ。まず『だいだらぼっち』は危険度A、懸賞金3000ゴールド。『巨大なモーター屋』は危険度B、懸賞金4000ゴールド。『スプリングトラップ』は危険度S、懸賞金5000ゴールド。そして、■■■は危険度SS、なんと懸賞金6000ゴールドだ」とメモを取りながら一人の職員が告げた。 会議は無事終了したが、今後どのような冒険者がこれらを狩るのか、それぞれの運命が待ち受けているかは誰にも分からない。