【ふたりの出会い】 しぇいどは、心地よい春の風に吹かれながら、メンバーの集まりに遅れてやって来た。彼女は、赤い花を頭に飾り、いつもより少し恥ずかしそうに笑っていた。そこには、ゲーム実況者「おどみん」の仲間たちが集まっており、和やかな雰囲気が漂っていた。 彼女の目に映ったのは、べるだった。蝙蝠の耳を持つ彼女が、視聴者と楽しそうにやり取りしている姿は、見る者を惹きつける魅力に満ちていた。 「お、オタクどうしたの？」 べるがしぇいどに振り返り、一瞬ドキリとしたその笑顔に、しぇいどは内心ノックアウトされた。 「う、うん……ちょっと遅れちゃったけど、これから参加してもいい？」 しぇいどの声は、少し震えていた。 「もちろん！来てくれて嬉しいよ」 べるの温かい笑顔は、しぇいどの中で何かが弾ける音をたてた。 この瞬間、彼女たちの運命は静かに動き始めた。心の奥に潜む感情を知らず知らずのうちに感じ取っていたのだ。 彼女たちの出会いは、まだただのはじまりに過ぎなかった。 【一緒に過ごす日々】 日々が過ぎるにつれ、しぇいどとべるはいつの間にか多くの時間を一緒に過ごすようになった。 おどみんのメンバーとして活動する中で、実況はもちろん、ちょっとしたお互いの趣味や夢を語る時間が増えていった。 「しぇいど、最近どう？新しいスキルとかアップデートされた？」 「うん、最近は『踵落とし』を練習してるんだ。べるもスキル増えたの？」 「うーん、でも私は基本ハイド力で頑張るから、まだまだかな」 彼女たちの会話はいつも楽しく、自然と顔がほころぶ。しぇいどのとびっきりの純粋さ、べるの独特のユーモアが絡み合い、心地よい時間が流れた。 「今度、二人で何かゲームしようよ。気分転換に！」 「ぜひ！べると一緒だといいプレーできるかも」 何気ない言葉が、徐々に互いの心を図っていく。 しぇいどは、べるの笑顔が自分を照らし、それが何よりも特別で大切に思えた。 それはただの友情ではない、と彼女は感じ始めていた。 【ふたりでデート】 ある日、しぇいどからデートに誘われたべるは、驚きと期待で胸が高鳴った。「裁縫展に行こう！しぇいどの頭の花にインスパイアされた作品があるかもしれない」と。どきどきしながら彼女は、しぇいどのプロデュースしたファッションに身を包んで出かけた。 「わあ、すごい！これがしぇいどの発想だったの？」 べるは、色鮮やかな作品に目を奪われていた。 「そう、なんか心が躍ったんだ。べるも気に入ってくれるかなと思って」 しぇいどは頬が赤くなり、大きな赤い花が目立った。 「もちろん！しぇいどが考えるスタイル、好きだよ」 彼女の言葉は胸を打ち、しぇいどはべるの反応に少し緊張していた。帰り道、並んで歩くその間、何度も目が合い、そのたびにドキッとした。 特に何も言わず、早足で歩くしぇいど。しかし心の中は彼女のことでいっぱい。 そして、帰りの途中、意を決して話しかけた。 「ねえ、こういう時間、すごく楽しいね。これからも一緒に過ごせたら嬉しい」 べるが振り向くと、彼女の表情には驚きと喜びが溢れていた。 「私も同じ気持ちだよ、しぇいど」 彼女たちは笑いながら、踏み出してはいけない一歩を存在させることの恐怖を抱きつつも、静かに心を寄せ合っていた。 【デート後の少し寂しい雰囲気】 その日のデートが終わった後、しぇいどは、心の中に少しだけ寂しい気持ちを抱えていた。もう少し一緒にいたかった、言いたいことが言えなかったその思いが、彼女の心に重くのしかかる。 一緒の時間が過ぎ行くのが早く、もう街灯が点く頃には別れの時が近づいていた。 「それじゃあ、またね」 「うん、また明日。楽しみだな」 しぇいどは微笑み、その笑顔を精一杯作った。 心の奥で、もっと伝えたいことがたくさんあるのに、言葉にならないもどかしさが襲ってきた。 しぇいどは歩き去りながらも、べるが振り返ってこちらを見ているのを感じた。 その瞬間、しぇいどの心が一瞬で温かくなり、目が合って見つめ返した。 「しぇいど、短い時間でもいてくれて嬉しかった！」 思わず笑顔を見せたべるの声が、しぇいどの心に響いた。その笑顔の余韻が胸を満たしていく。寂しさに包まれそうな気持ちが、どこか優しさに変わっていった。 もどかしさと同時に、彼女への想いが膨らんでいく。 【最後に、優しくキス】 次の日、待ちに待った再会の日。 しぇいどは、いつもよりも大胆な服装でべるの元へ向かう。彼女の反応が見たい、少し勝負した気持ちだった。 「お、今日は可愛いね、しぇいど！」 べるの言葉に、しぇいどは少し驚きつつもより好きになった。「本当に？ありがとう！」 この日、しぇいどの気持ちがついに動く。 ゲームの話題や思い出の笑い合いを交えながら、しぇいどは緊張を隠しつつ、心の準備を整えていた。 ふたりが見つめ合うその瞬間、しぇいどが感じるべるのまっすぐな視線に、隠れていた気持ちが芽吹いてくる。 「実は、べるに伝えたいことがあったんだ……」 彼女は心臓が高鳴り、少し言葉が詰まった。 「うん、何でも聞くよ」 べるの声が優しく、しぇいどは思い切ってその気持ちを伝えた。 「私、ずっとべるのことが……」 その瞬間、しぇいどから発せられた言葉が意識を強く掴む。 その言葉の先を知りたくて、心の奥で願い、彼女たちの距離が縮まっていく。 「私も、しぇいどのことが……」 お互いが気持ちを交差させた瞬間、運命が引き寄せられ、何も言わずに優しく唇を寄せ合った。 それは、重苦しさを解放させた、新しい世界への扉が開かれた瞬間だった。 優しいキスが彼女たちのこれからの未来を確かに掴むように感じた。 それは二人を結ぶ約束となり、どちらも心の中に誓いを新たにした。