【序章】蒼海と鋼鉄の同盟、空と魔導の共鳴 戦場は、切り立った断崖と深い入り江が入り組む「断罪の海岸線」。海からはネザー王国の圧倒的な艦隊が押し寄せ、陸からはカルラディア最強の軍勢、スワディア王国軍が地響きを立てて進軍していた。 「いいか、諸卿。海上のライジング艦隊が敵の退路を断ち、火力で攪乱する。我らはその隙に、鉄の壁となって敵を押し潰す!」 ハルラウス王が、黄金の装飾が施された甲冑を鳴らして宣言する。軍師クラルグス卿が地図を広げ、冷静な声を重ねた。「王よ、敵は空の脅威と未知の魔導使いです。石弓兵で牽制し、重歩兵で足止めを。最後は騎士隊の突撃で全てを終わらせましょう」 「バターの香りが恋しいが、まずは敵の血でこの地を染め上げようぞ!」 狂暴なハリンゴス卿が笑い、軽歩兵のクライス卿が冷徹に兵を整列させる。海上に目を向ければ、旗艦ザ・サンが威風堂々と先導し、戦列艦の砲口が一斉に敵陣へと向けられていた。海洋国家の誇りと、大陸最強の騎士道。異色の連合軍が、勝利への確信と共に布陣を完了した。 一方、対する連合軍は小規模ながらも絶望的な個の力を誇っていた。 「もう!研究の邪魔をしないでほしいわね。さっさと片付けて研究室に戻るわよ!」 白衣をなびかせ、駿馬に跨ったルイズ・アルケミアが試験管をジャラジャラと鳴らす。その傍ら、雲を切り裂いて降臨したのは、巨大な四翼四腕の老竜ウルリッヒと、その背に銃と大槍を構えたギヨーム・ド・ドラコーニュである。 「案ずるな、ルイズ殿。地上の雑兵は私が焼き払い、海上の巨艦はウルリッヒと共に叩き落とそう。皇国の名にかけて、この空は我らが支配する!」 ギヨームの豪快な笑い声が空に響く。一方は組織された「軍隊」の暴力。一方は超越した「個」の武力。運命の歯車が、激しく噛み合った。