ログイン

裏市場449丁目の戦闘

Created by user
ルール
裏市
PvP
とある裏市場に脚を踏み込んだ君たちはどんな結末を辿ることになるんだろうね。
  • バトルロワイヤル
  • 参加可能人数制限: 2
  • 複数キャラOK
  • 対戦前はキャラクターの詳細を隠す
  • 基本ステータスをプロンプトに含めない
GPT56LUNA

プロンプト

独自プロンプトあり

末尾プロンプト

「ただ殴り合うだけ」の戦闘ではなく 喧嘩の発端→挑発→戦闘→ランダムイベント→能力の応用→決着の流れで5000字以上の物語を描写
名前: 【乾いた大地の何でも屋】カマキリ(ARK)
カマキリ/全長5mほどもある人も乗れそうなサイズの飛べないカマキリ/鳴き声「シュアァァア」
蟷螂の飛び掛かり: 前方へほぼ真っ直ぐに飛び掛かり鎌で攻撃
鎌の連撃: 交互に振られる左右の鎌の攻撃は手数が多い
文明の利器: 飼育下の個体は人間用の手持ち道具を持てる
意外な牽引力: 細身ながら重量物の運搬も比較的得意
虫の定め: 炎や銃弾により受けるダメージが増加
砂漠や火山地帯で見かける虫 一般的なカマキリのイメージに反して雌雄の差は無く3匹程度の群れで生活している さらに外敵に襲われた際には遠くの群れが救援にくる位に仲間意識が強い 獰猛な捕食者であるが刺激しないように餌を手渡せば懐かせられるが、その餌はデスワームの角かサイの角である 無論手懐け後はちゃんと腐肉も食べるので安心 斧やツルハシ等を持てるので資源採取要員としても優秀
種族/性別/姿: 人間/女/黒髪短髪のマフラーを巻いた少女
星屑の矢: 隕石で作った非常に重く貫通力のある矢
古木の大弓: 堅牢な古木で作られた巨大な大弓
擬似的千里眼: 自分は最大3km先まで見ることができる
天性の動体視力: 光速さえも認識できる動体視力を持つ
弾力・弾性を付与する魔法を扱う凄腕の狩人 弓の天才 空気や物体に弾力を与えることで足場にしたり物や自分を弾かせて高速で移動することも出来る 古木の大弓は頑丈で近接武器としても扱える 弾き弓:弓の弾性を操って矢の速度や威力・射程を倍増させる 狩人の心得:常に冷静で、相手の行動を正確に予測する ※奥義 最果ての流星矢:超遠距離から最高威力かつ相手が認識できないほどの速度の矢で正確に急所を射抜く

昼夜の区別さえ曖昧な巨大裏市場――通称、黒曜市。 天井の高い地下空間に、無数の屋台と商館がひしめいていた。違法な魔導具、禁制薬、怪物の卵、盗掘品、異国の香辛料。情報屋が客の耳元で囁き、賞金稼ぎが獲物の顔写真を見比べ、怪しい商人たちが檻の中の商品を値踏みしている。 その一角、巨大な鉄檻の前で、カマキリは低く身をかがめていた。 全長五メートル。砂漠色の外殻に覆われ、左右の鎌は、並の人間なら一振りで胴を断ち切れる。背には飼育用の革具が取りつけられ、片方の前肢には、誰かが無理やり持たせたらしい大型のツルハシが挟まっていた。 「シュアァァア……」 周囲の客が一斉に距離を取る。 だがカマキリは暴れているわけではなかった。檻の中の商人が差し出したもの――黒い角の欠片を、じっと見つめていた。 デスワームの角。 それを食べれば、カマキリは敵意を鎮める。逆に言えば、餌を見せびらかしておきながら渡さないことは、この生き物にとって最悪の侮辱だった。 そして、その商人の横から、黒髪短髪の少女が歩いてきた。 マフラーを巻いた弾む狩人、カリア。肩には古木の大弓、背には星屑の矢筒。彼女は市場の奥にある三つの出口、そのすべてを同時に見渡せる位置へ進みながら、檻の前で足を止めた。 「それ、偽物よ」 商人がぎょっとする。 「な、何を根拠に――」 「本物なら、表面に砂漠の鉄粉が残る。あなたのは黒炭を塗った獣骨。匂いも違う」 カリアは檻を見た。 「その子に渡したら、たぶん怒る」 商人は慌てて角を引っ込めた。 その瞬間だった。 カマキリの頭部が、ぎり、とカリアへ向いた。 「シュアァァアアアアッ!」 鎌が屋台の天幕を切り裂いた。布が舞い、客たちが悲鳴を上げる。カマキリはツルハシを地面へ叩きつけ、石床を砕いた。 カリアは一歩も退かなかった。 「私を商人の仲間だと思った?」 カマキリは答えの代わりに、巨大な脚で地面を蹴った。 五メートルの巨体が、信じられない速度で一直線に飛びかかる。鎌が左右から迫った。 カリアは空気に弾性を付与した。 見えない壁が彼女の背後に生まれ、少女の身体を強烈に前へ弾き飛ばす。鎌が彼女のマフラーをかすめ、布の端だけが切れた。 「いきなりとは、ずいぶん短気ね!」 カリアは屋台の柱を蹴り、さらに弾性を付与した。柱がしなり、反動で彼女を斜め上へ放り出す。 「シュアァァ!」 カマキリは振り向きざま、右、左、右、左と鎌を連続で振るった。屋台の木箱が裂け、瓶が宙へ飛ぶ。香辛料の粉が噴き上がり、周囲の視界を黄色く染めた。 カリアはそのすべてを見ていた。 彼女の眼には、光速すら遅く見える。鎌の軌道、肩の沈み、脚の踏み込み、次に狙われる空間。動きのすべてが予測できた。 しかし、予測できることと、逃げ切れることは別だった。 カマキリの手数は多い。しかも体格のわりに身軽で、鎌が一度空を切るたび、風圧だけで露店の商品が吹き飛んだ。 カリアは大弓を抜いた。 「これ以上、市場を壊すなら――止めるわ」 彼女は星屑の矢をつがえた。 隕石製の矢は、矢というより短槍に近い。弓を引くだけで、古木の大弓が軋み、周囲の空気が震えた。 「弾き弓」 弓に蓄えられた弾性が一気に解放される。 矢はカマキリの胸部へ飛んだ。 だが、カマキリは鎌を交差させて防いだ。矢は片方の鎌を貫いたものの、甲殻までは届かない。巨体が押し返され、背後の金属製の屋台に叩きつけられた。 「硬いわね」 カリアが呟くと、カマキリは貫かれた鎌を乱暴に振り、矢を折り飛ばした。 「シュアァァア!」 怒声とともに、カマキリは近くの石造りの商館へ突進した。壁に鎌を突き立て、壁面をよじ登る。天井近くまで駆け上がったかと思うと、吊り下げられた荷物を脚で掴み、カリアへ投げつけた。 魔獣の皮袋、鉄塊、干し肉の木箱が雨のように降る。 カリアは空中に弾む足場を作った。見えない床を蹴るたび、彼女の身体が折れ曲がった軌道で跳ねる。 木箱を避け、鉄塊を弾き、皮袋を大弓で打ち返す。 打ち返された皮袋がカマキリの顔面へ当たり、中身の青い染料が噴き出した。 「どう? 少しは冷静になった?」 「シュアァァアアアアアッ!」 返事の代わりに、カマキリが壁を蹴った。 その跳躍は、最初の飛びかかりより速かった。カリアは読み切っていた。正面から来る。だからこそ、横へ逃げるのではなく、真正面へ弾けさせた。 空気の弾性を一点に集中する。 カリア自身が、弾丸のようにカマキリへ向かって飛ぶ。 すれ違いざま、古木の大弓を横薙ぎに振った。弓の腹がカマキリの頭部を打ち、巨体がわずかに傾く。 しかしカマキリは空中で体勢を変え、後脚でカリアを蹴り飛ばした。 彼女は商館の看板を突き破り、裏手の路地へ落下した。 観客たちが息を呑む。 「今のを受けて生きてるのか?」 「弓使いの方が人間離れしてるぞ!」 市場はすでに商売どころではなかった。商人たちは商品を抱えて逃げ、情報屋は物陰から戦闘の行方を見守り、何人かの賞金稼ぎはどちらが勝つか賭けを始めていた。 カリアは瓦礫の中から起き上がった。 脇腹が痛む。だが骨は折れていない。 路地の向こうから、カマキリが商館を回り込んでくる。壁の一部を鎌で削りながら、ゆっくりと迫っていた。 「なるほど……真正面から押し切るだけじゃない」 カリアは周囲を見た。 路地は狭い。左右に積み上げられた木箱、頭上にはロープで吊られた荷物、足元には油の入った壺。奥には市場中央へ戻る階段がある。 カマキリは狭い場所では鎌を振りにくい。だが、細身の脚と牽引力はむしろ活かせる。箱をどかし、通路を広げ、力任せに進むだろう。 ならば、広げさせなければいい。 カリアは油壺を一つ蹴り、路地の入口へ転がした。 「シュアァァ……」 カマキリは壺を見て、鎌で弾き飛ばそうとした。 その瞬間、カリアが矢を放つ。 矢は壺ではなく、頭上のロープを切った。吊られていた鉄輪の束が落下し、カマキリの脚に絡みつく。 巨体が止まった。 カリアはさらに空気を弾ませ、鉄輪の束を横へ跳ね飛ばす。カマキリの脚が引っ張られ、身体が壁へぶつかった。 だが、それでも倒れない。 カマキリはツルハシを使い、絡んだ鉄輪ごと床を掘り始めた。重い道具を器用に振り下ろし、石床を破砕していく。 「道具の使い方まで覚えてるのね」 カリアは弓を構えた。 「でも、それは掘るための道具でしょう?」 次の矢がツルハシの柄を射抜いた。 カマキリの手から道具が落ちる。 「シュアァァァッ!」 激昂したカマキリが、力任せに鉄輪を引きちぎった。細身の身体からは想像できない牽引力が発揮され、路地脇の木箱までまとめて引きずられる。 箱の中から、赤い鱗を持つ生物が転がり出た。 「……あれは、何?」 カリアが眉をひそめた、次の瞬間。 箱の蓋が内側から弾け飛んだ。 巨大な砂蜥蜴が飛び出し、周囲の観客へ噛みつきながら市場中央へ走り出す。 ランダムイベント――商品の中から危険生物が逃げ出した。 悲鳴が爆発した。 商人たちは逃げ、屋台が倒れ、客が一斉に押し寄せる。狭い路地に人が殺到し、戦場は一瞬で身動きの取りにくい混雑へ変わった。 砂蜥蜴は商品の山を薙ぎ倒し、カマキリへ向かって突進した。 カマキリはそれを敵と見なし、左右の鎌を交差させて迎え撃つ。砂蜥蜴の突進を受け止め、頭部を押し返した。 「シュアァァアアア!」 「ちょっと、そっちは敵じゃない!」 カリアの声は雑踏にかき消された。 砂蜥蜴が暴れ、カマキリが鎌を振るう。二体の間に挟まれた屋台が粉砕され、火薬瓶が転がった。 カリアはその位置を見た。 火薬。油。混雑した客。カマキリは炎と銃弾に弱い。 しかし火を使えば、周囲の人間も巻き込む。 「……なら、燃やすのは一瞬だけ」 彼女は弓を構え、火薬瓶の蓋だけを射抜いた。火薬が路面へ散る。続けて、別の矢で油壺を割り、炎を通り道ではなく輪状に広げた。 火はカマキリと砂蜥蜴の周囲を囲んだが、観客のいる側には届かない。 カマキリは炎を嫌がり、後退した。 そこへ砂蜥蜴が飛びかかる。 カマキリは片方の鎌で砂蜥蜴の顎を受け止め、もう片方で地面を突いた。身体を支点にして大きく旋回し、砂蜥蜴を屋台の鉄柱へ叩きつける。 その一撃で砂蜥蜴は気絶した。 カマキリ自身も、甲殻の隙間から煙を上げていた。 カリアはその瞬間を逃さなかった。 「あなた、仲間を呼ぶんでしょう?」 カマキリの動きが止まる。 カリアは市場の奥、いくつもの通路の向こうを見た。三キロ先まで見通す眼が、遠い鉄扉の隙間を捉える。そこには砂漠へ通じる搬入口があり、外の暗闇に、複数の巨大な影が蠢いていた。 群れの仲間が近づいている。 戦闘の音を聞きつけたのだ。 「ここで長引かせたら、市場全体が壊れる。あなたも、仲間も、みんな狩られるわ」 カマキリは炎の向こうからカリアを睨んだ。 「シュアァ……」 「私が敵じゃない証拠を出す」 カリアは矢筒から、通常の矢を一本抜いた。狙いはカマキリではない。先ほど偽物の角を売っていた商人の、隠し金庫だった。 矢が飛び、金庫の錠前だけを破壊する。 中から、黒く光る本物のデスワームの角が転がり出た。 商人が青ざめる。 「それを渡せば、少なくとも今は退くでしょう。私を襲う理由もなくなる」 カマキリは角へ向かって一歩踏み出した。 だが、商人が角を奪い返そうとした。 「売り物だぞ! 誰がただで――」 カマキリの頭部が商人へ向いた。 空気が凍った。 カリアは低く言った。 「今度は本物よ。手渡して」 商人は震えながら角を拾い、カマキリへ差し出した。 カマキリはゆっくりと鎌を畳み、角を受け取った。 そのまま噛み砕く。 硬い音が市場に響いた。 「シュアァ……」 敵意が、わずかに薄れた。 だが完全には消えない。火薬の炎で傷つき、鎌には矢が刺さったまま。何より、カリアが戦いの最中に幾度も追い詰めたことを、カマキリは忘れていなかった。 「まだやる?」 カリアが問う。 カマキリは返答するように、残った方の鎌を構えた。 群れの仲間が搬入口へ到着するまで、時間はない。 カリアは大弓を握り直した。 「そう。なら、次で終わらせる」 彼女は市場中央から離れ、長い通路の先へ走った。カマキリが追う。人々が逃げ惑う中、カリアは屋台の柱、吊り看板、壁面、天井の梁へ次々と弾性を付与していく。 カマキリは彼女を一直線に追跡した。 「シュアァァア!」 一撃目。カリアは右の壁へ弾ける。 二撃目。左の看板を踏み台にして上昇する。 三撃目。頭上の梁から垂直に落下し、大弓の先端をカマキリの胸甲へ叩きつける。 カマキリはよろめいた。 だが、その脚が床の石板を踏み抜いた。 亀裂が走る。 市場の地下は、古い鉱山跡と繋がっていた。これまでの戦闘で砕かれた床が、ついに重量を支えきれなくなる。 床が崩落した。 カリアとカマキリ、そして周囲の木箱や瓦礫が、暗い地下へ落ちていく。 地下は広い空洞だった。かつて鉱石を運ぶために使われた坑道で、壁には青白い鉱石が埋まっている。上では市場の人々が悲鳴を上げ、穴の縁から覗き込んでいた。 カリアは瓦礫の上に着地し、すぐに周囲を確認した。 カマキリは片膝をついている。火傷、裂けた鎌、複数の矢傷。だが、まだ立てる。 坑道は狭く、左右に分岐していた。天井は低く、カマキリの鎌の連撃は制限される。しかし、カリアの遠距離攻撃も同じく使いにくい。 「ここなら、誰も巻き込まない」 カリアが言った。 「最後まで相手をするわ」 カマキリが咆哮する。 「シュアァァァァ!」 今度の飛びかかりは、真正面ではなかった。 カマキリは坑道の壁を鎌で削り、飛び散った石片を煙幕のように撒きながら突進した。カリアの視界は塞がれたが、動体視力は失われない。石片の軌道の隙間から、脚の位置、重心、次の鎌の角度が見える。 右から来る。 カリアは左へ弾けた。 しかしカマキリの鎌は途中で軌道を変えた。壁を蹴った反動で、左の鎌が追いかけてくる。 カリアは大弓で受けた。 古木の弓が軋み、少女の身体が後方へ滑る。靴底に弾性を与え、坑道の床を跳ねながら衝撃を逃がす。 「読みが外れた……?」 カリアは微笑んだ。 「いいえ。あなたが学習したのよね」 カマキリは再び踏み込もうとした。 その足元に、彼女が先ほど放った矢が刺さっていた。坑道の青白い鉱石を貫き、矢尻が地面に固定されている。 カリアは矢と矢の間の空気に、弾性を付与した。 坑道そのものが巨大な弓になる。 二本の矢を支点に、空気の膜が張り詰めた。カマキリが踏み込んだ瞬間、その力が反射され、巨体が横方向へ跳ね飛ばされる。 壁に叩きつけられたカマキリは、なおも立ち上がろうとした。 「シュア……ア……」 その声には怒りだけでなく、群れを呼ぶ切迫感があった。 カリアは上を見た。坑道の奥には、地上へ続く別の縦穴がある。そこから、仲間のカマキリたちが降りてくる気配がした。 時間切れだった。 彼女は最後の星屑の矢を取り出した。 「あなたを殺したくはない」 カマキリが鎌を構える。 「でも、群れまでここへ来たら、上の人たちがあなたたちを撃つ。銃弾はあなたの弱点でしょう」 カマキリの動きが止まった。 カリアは弓を引く。 「だから、あなたを止める」 彼女は狙いを胸部ではなく、前脚と胴体を繋ぐ関節へ定めた。 ただし、単に射るだけでは足りない。 坑道は狭い。距離も短い。カマキリは矢を見てからでも避けられる。 そこでカリアは、空気に弾性を与えた。 矢の周囲に、幾重もの見えない反発面を作る。矢は一度放たれると、坑道の壁、天井、床を次々に弾みながら方向を変える。直線の軌道ではない。跳ね返り続ける、予測不能な流星となる。 カマキリは鎌を振った。 矢は天井へ跳ね、背後へ回り、床をかすめ、再び前方へ戻ってくる。 カマキリは身を捻った。 だが、カリアには見えていた。 回避のために体重を移した脚。守りが空く関節。鎌を戻すまでのわずかな間。 「最果ての流星矢」 星屑の矢は、カリアの意志に応じて弾性を失った。 それまでの跳ね返りで蓄えた速度が、一点へ収束する。 カマキリには、矢が消えたように見えた。 次の瞬間、矢は前脚の関節を貫通し、反対側の岩壁へ深々と突き刺さった。 「シュ……ア……」 カマキリの鎌が落ちた。 巨体が崩れ、坑道の床を揺らす。 カリアはすぐに距離を詰め、矢を抜かずに折った。関節を固定し、出血を最小限にするためだった。 カマキリは残った鎌で彼女を狙ったが、力が入らない。 カリアは大弓を首元へ添えた。 「終わり。もう攻撃しないで」 カマキリはしばらく彼女を見つめた。 地上から、別のカマキリの鳴き声が響く。 「シュアァァ……」 カリアは矢筒から、偽物ではない腐肉の包みを取り出した。先ほど市場の肉屋から拾っていたものだ。彼女はそれをカマキリの前へ置いた。 「角ほどじゃないけど、食べられるでしょう」 カマキリは動かなかった。 カリアはさらに、砕けたデスワームの角の残りを差し出す。 「これで勘弁して」 カマキリは角を見た。次にカリアを見た。 そして、ゆっくりと鎌を畳んだ。 「シュアァ……」 敵意を収めた鳴き声だった。 その直後、坑道上部から三匹のカマキリが姿を現した。しかし倒れた仲間と、カリアの足元に置かれた餌を見て、攻撃には移らない。群れの一匹が低く鳴き、もう一匹が傷ついたカマキリへ近づいた。 地上では、騒ぎを聞きつけた賞金稼ぎたちが穴の周囲に集まり、武器を構えていた。 カリアは彼らへ怒鳴った。 「撃たないで! この子たちはもう戦わない!」 「賞金首かもしれないぞ!」 「なら私を先に撃ってみなさい。矢が当たる前に、あなたたちの武器を全部壊せる」 彼女は大弓を構えた。 賞金稼ぎたちは顔を見合わせ、やがて一人が舌打ちして武器を下ろした。 カリアは傷ついたカマキリへ視線を戻した。 「市場から出なさい。次に会ったとき、また餌を隠して怒らせる人間がいたら、その人だけを狙って」 カマキリは立ち上がった。 片脚を引きずりながら、仲間に支えられて坑道の奥へ進む。出口へ向かう前、最後に一度だけ振り返った。 「シュアァァア……」 今度の鳴き声は、威嚇ではなかった。 カリアはマフラーの切れ端を結び直し、崩れた市場を見上げた。屋台は壊れ、商品は散乱し、砂蜥蜴は気絶したままだった。商人たちは怒鳴り、客たちは興奮して戦いの話を広めている。 「……結局、弓一本じゃ市場の修理代は稼げないわね」 カリアはため息をついた。 その背後で、偽物の角を売っていた商人が震えながら近づいてくる。 「お、お前のせいで全部めちゃくちゃだ!」 カリアは振り返り、商人の足元へ矢を一本だけ放った。 矢は靴のすぐ横に突き刺さる。 「原因は、偽物の餌で怪物を怒らせたあなた」 商人は黙り込んだ。 カリアは壊れた屋台の上に腰を下ろし、遠くの搬入口を見た。三匹のカマキリの影が、砂漠の闇へ消えていく。 裏市場の喧騒は、少しずつ元に戻り始めていた。 ただしその日から黒曜市では、ひとつの新しい決まりができた。 怪物の餌を偽物で誤魔化してはいけない。 そして、マフラーを巻いた弓使いが市場を歩いているときは、絶対に彼女の前でカマキリを怒らせてはいけない。